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初恋の相手
しおりを挟む「数日後に村へ行って君を探したけど、見つからなかった。」
「探しに来てくれたんですか!?王都で父の仕事が決まって、あの後すぐに王都へ越してきたんです。」
「そうだったのか……こんなに近くにいたなんて……。」
ホーク王子は愛おしそうにリーアを見つめている。
「初恋のリーアちゃんを連れてきてあげたんだから、私に感謝しなさい!」
マリヤはホーク王子の背中をポンと叩いた。
え……初恋!?
「ばっ…!本人の前で初恋の相手だなんて言うなよ!」
ホーク王子の顔がみるみる赤くなる。
「ふふっ。もう自分で言ってるじゃない。2人でゆっくり話しなさい。私は王様にお会いしてくるわ。」
そう言うと、マリヤは中央階段を上って行った。
「少し歩かないか?外の空気を吸おう。」
ホーク王子はリーアを庭園に誘った。リーアは後ろを歩きながら、思い返していた。
あの時、男の子が言っていた母上って王妃様のことだよね。王妃様は10年前に、ご病気で亡くなってる…。必死で薬草を探していた男の子…ホーク王子はどんなに辛かっただろう。
「そういえば、マリヤとはどこで知り合ったんだ?」
「マリヤ様とは聖女学院でお会いしました。」
「聖女学院…やはり、リーアは聖女だったのだな!あの時のリーアの力は凄かった!」
ホーク王子は昔のことを思い返し、目をキラキラさせている。
子供みたいな方だな……。あの時から何も変わっていないような気がする。
「あの時は、必死だったので……。ですが、あの時に自分の力を知りました。」
「あの時もそう言っていたな。じゃあ俺は、リーアの力を引き出したというわけだ!礼をしてもらわなければ!」
「お礼……ですか?」
「今度一緒に食事をしてもらおう!」
何を言われるのかと身構えていたリーアは、拍子抜けした。
「…そんな事でいいのでしたら、喜んでご一緒させていただきます!」
リーアの返答に、ホーク王子は満面の笑みを浮かべた。
ホーク王子と別れ、マリヤ様と特別寮へと帰ってきた。マリヤ様は私の名前を知って、ホーク王子に幼い頃出会った女の子だって分かってたんだ。
「リーア、ホークはどうだった?幼い頃出会ったままの、純粋で心が暖かい人だったでしょ?」
「そうですね。とても素敵な方でした。」
王族って傲慢で自分勝手な人なのだと、思い込んでいたけど……マリヤ様やホーク王子は、とても素敵な人達。
みんなギアル様みたいな人だと思っていてすみませんでした!
リーアは心の中で謝った。
「リーア、お願いがあるの!」
マリヤ様が珍しく真剣な眼差しを向けながら、リーアの両手を握りしめた!
「マリヤ様、どうしたのですか!?」
マリヤの必死な様子に、リーアは戸惑う。
「ホークと結婚して欲しいの!!」
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