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婚約破棄を破棄!?
しおりを挟む「リーア様、おはようございます!」
「えっと…おはようございます。」
何でだろう?知らない人がすれ違う度に挨拶をしていく。
「リーア!特級3級クラス昇級おめでとう!」
「マリヤ様、どうしてそのことを?」
「知らないの?特級に昇級したら、大広場に名前が張り出されるの。今回の試験で昇級したのはリーアだけだし、一般クラスから特級に昇級したのはこの学校始まって以来リーアが初めてで、注目の的になってるわ。」
え!?そんな恥ずかしいことになってたの!?
「リーア!」
振り返ると、そこにはギアルが立っていた。ギアルはリーアの側まで来ると、リーアの両手を握り、
「やっぱりお前は、優秀な聖女だと思っていた!お前こそが、私の婚約者だ!」
この人は何を言っているのだろう?つい最近、自ら私との婚約を破棄し、この学校から追い出そうとしていたくせに……。
「ギアル様!何故ですか!?婚約者は私のはず!!」
さらにシアまで現れ、修羅場状態に…。
「黙れシア!私はお前にそそのかされただけだ!そもそもお前など、リーアの美しさにも劣っているではないか!力も容姿も階級もリーアに劣っているくせに、私を手に入れられるとでも思っているのか!?」
「ギアル様…嫌です!」
シアは涙を浮かべ、ギアルにすがりついた。
「離せ!このドブス!!」
聞くに耐えない……。シアの事は嫌いだけど、ギアル様は何様なの!?
「あなたも黙りなさい。」
隣で聞いていたマリヤ様が、少しだけ怒っているような気がした。
「リーアとの婚約を破棄したのはあなたよね?今更戻れるとでも?もうリーアは特級クラス、つまり階級は侯爵だということ。あなたは伯爵令息よね?あなたにはリーアを縛る権利はないわ。わかったならその手を離しなさい。」
マリヤはリーアの手を握っていたギアルの手を掴み捻りあげた!
「痛たたたたたたたたたたっ!!」
マリヤはギアルの手を離すと、
「リーア、行きましょう。」
マリヤ様、カッコイイ…。
「はい!」
なんだかスッキリした!ギアル様に悩まされた3ヶ月のモヤモヤが、マリヤ様の一言で吹き飛んだ気がした。
シアはもしかしたらずっと、ギアル様が好きだったのかもしれない。そう考えたら、いきなり婚約者になった平民の私が、毎日ギアル様の悪口を言っていたのを許せなかっただけなんだなって理解出来る。シアはまだ、泣きじゃくりながらギアル様にすがりついていた。
「リーア、今日の授業が終わったら時間ある?会わせたい人がいるの。」
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