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国の発展
しおりを挟む「うわあああぁぁぁぁッ!!」
後続を走っていた馬車は、キリト王にあっさりやられ、乗っていた荒くれ者達は地面にゴロゴロと転がった!
「おい!急げ!追いつかれるぞ!!」
どんなに馬車が急いだ所で、元騎士の手綱さばきにかなうはずもなく……
「やめろッ!うわあああぁぁぁぁッ!!」
馭者をしていた男を引きずり下ろし、キリト王は馬車へと飛びうつり、馬の手綱を引き馬車を止めた!!
ヒヒィィィン……
「くそっ!アイツを殺した者にはこの宝石をやるぞ!」
ジオン王は袋から宝石を取り出し、頭上に掲げた!
馬車が止まると、金に目が眩んだ荒くれ者数人がキリト王に襲いかかる!
ズザッッッッッ!!
キリト王は一撃で、数人の荒くれ者達を倒していた!
「ひぃッ!!ゆ、許してくれ!わ、私が誰か分かるだろ!?お前の王だ!」
ジオン王はセリシアを馬車から降ろそうと手を伸ばした……
「触るな!!!」
キリト王の怒りのこもった声に、ジオン王はビクッとなり、後ずさりした。
「私のセリシアに触らないでいただきたい。」
キリト王はセリシアの縄をとき、強く抱きしめた!
「守ると誓ったのに、こんな目に合わせてしまってすまない……」
「……キリト様……こうして守ってくれたじゃないですか。」
その時、
ズバッ……!!
「……セリ……シ……ア……」
バタ………………
キリト王を後ろから斬ろうとしたジオン王を、プラストが斬り捨てていた!
ジオン王は最後にセリシアの名を呼び息絶えた。
セリシアが攫われた事により、国の警備を考えさせられる。そこで、国民から警備兵を募ることになり、プラストは騎士の爵位を与えられ、最初の貴族となった。
警備兵は、アーチルが村だった時に住んでいた住人の半数と、スベマナの兵士だった者、兵士になりたい者が集まり、その数は2000を越え、プラストが騎士長になり、アーチル村の住民数十人が騎士となった。
アーチル王国が誕生してから一年が経ち、国らしくなってきていた。貴族も数十人になり、国の法律も作られた。
アーチル村があった場所は王都となり、周りには次々に町や村ができ、少しでも国に貢献したいと商売を始め税金を納める者もチラホラ出て来ていた。
そして聖女協会から届いた二回目の結果も、一位を維持していた。
「聖女協会の大聖女様が、セリシア様にお会いしたいと訪ねていらっしゃいました。」
結果発表の為でもなく、協会の聖女……しかも大聖女が訪れたのはアーチルが初めての事だ。
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