7 / 8
報い
しおりを挟む「私達、同盟を組んだんです! もう逃がしませんよ! 」
「な、な、なんだ!? お前達は!?」
どうやら愛人達は、ここにライナスが戻って来るのではと、ずっと邸を見張っていたようです。
ライナス様は抵抗虚しく愛人達に捕まり、ロープで縛られ、連れて行かれました。
「私のライナス様を返せー!!」
その後をロクサーヌが追っていきました。
「……通報しなくてもいいのでしょうか?」
なんか、すごいものを見た気がします。
「いいんじゃないか? 自業自得だし。」
「不思議なんですけど、どうしてライナス様はあんなに愛人に愛されるほどモテたのでしょう?」
結婚していた私が言うのもなんですが、ライナス様にそれほど魅力があるとは思えません。
「これは推測だけど、ライナスは愛人を覚えていなかったから、愛人を君だと思い込んで愛していたんじゃないかな? 深く愛されたと勘違いして、ライナスを本気で愛してしまったってとこかな?」
「それは……怖いですね。」
あれから、ライナス様を見かけることはありませんでした。あのまま愛人達に、監禁されているのでしょうか?
ロクサーヌは、ライナス様をずっと探しているという噂です。どうやら愛人同盟には、入れてもらえなかったようです。
「ライナス様、今日は私が一緒に寝ますからね。」
ライナスは、街の外れにある小さな家に監禁されていた。愛人達がお金を出し合い、ライナスを監禁する為に、借りた家だ。手足はベッドに鎖で繋がれ、ほとんどベッドから動く事は出来ない。 愛人達は一人一人、日替わりでその家に泊まっていた。
「もう、解放してくれ……
レイチェルの元に行かなくては……」
「絶対に逃がしませんよ。やっと私達のものになったんですから。レイチェル様は、ライナス様なんて忘れて幸せそうでした。大丈夫ですよ、私達がずっと側にいますから。」
「レイチェル……」
半年後、ライナスを監禁していた愛人達は捕まった。ライナスは意識はあるものの、話しかけても反応せず、精神が壊れてしまったようだ。
コーエン侯爵は息子を引き取らず、施設へと入れた。だが、施設からライナスの姿は忽然と消えた。
「ライナス様、やっと見つけました。これからは、ずーっと一緒ですよ。」
人形のようになってしまった ライナスに寄り添うロクサーヌはライナスに毒を飲ませた。
「私達は、地獄で一緒です。」
ロクサーヌも毒を飲み、ライナスと共に永遠の眠りについた。
マリーはあのお茶会の後すぐに、女好きで有名なドリアード伯爵の後妻になりました。
「嫌よ! 結婚なんかしないわ! 私はライナス様しか愛せない!」
マリーは抵抗したが、お茶会の発言からマリーを妻にしてくれるのはドリアード伯爵しかいなかった為、グリーン侯爵は無理矢理嫁がせた。
「どうして私がこんな老人の妻に……」
可愛げのない発言ばかりするマリーに、ドリアード伯爵は激怒した。
「お前のような小汚い女を妻にしてやっただけ、ありがたいと思え! お前を妻として扱うのはやめる。邸の掃除をしろ! 働かなければ、食事をとることは許さん!」
毎日毎日、クタクタになるまで働かされ、夜の営みは愛情など一切なく道具のように扱われた。
538
お気に入りに追加
3,693
あなたにおすすめの小説

王太子殿下に婚約者がいるのはご存知ですか?
通木遼平
恋愛
フォルトマジア王国の王立学院で卒業を祝う夜会に、マレクは卒業する姉のエスコートのため参加をしていた。そこに来賓であるはずの王太子が平民の卒業生をエスコートして現れた。
王太子には婚約者がいるにも関わらず、彼の在学時から二人の関係は噂されていた。
周囲のざわめきをよそに何事もなく夜会をはじめようとする王太子の前に数名の令嬢たちが進み出て――。
※以前他のサイトで掲載していた作品です

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。

3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。

婚約破棄ですか? では、この家から出て行ってください
八代奏多
恋愛
伯爵令嬢で次期伯爵になることが決まっているイルシア・グレイヴは、自らが主催したパーティーで婚約破棄を告げられてしまった。
元、婚約者の子爵令息アドルフハークスはイルシアの行動を責め、しまいには家から出て行けと言うが……。
出ていくのは、貴方の方ですわよ?
※カクヨム様でも公開しております。

強欲な妹が姉の全てを奪おうと思ったら全てを失った話
桃瀬さら
恋愛
幼い頃、母が言った。
「よく見ていなさい。将来、全て貴方の物になるのよ」
母の言葉は本当だった。姉の周りから人はいなくなり、みんな私に優しくしてくれる。
何不自由ない生活、宝石、ドレスを手に入れた。惨めな姉に残ったのは婚約者だけ。
私は姉の全てを奪いたかった。
それなのに、どうして私はこんな目にあっているの?
姉の全てを奪うつもりが全てを失った妹の話。

【完結】義妹に婚約者を取られてしまい、婚約を解消することに……傷心の私はお母様の国に亡命することに致します。二度と戻りませんので悪しからず。
つくも茄子
恋愛
公爵令嬢のマリアンヌは婚約者である王太子殿下から婚約解消を言い渡されてしまった。
マリアンヌの義妹リリーと恋仲になったせいで。
父と再婚した義母の連れ子であるリリーは、公爵家の養女でもある。つまり、実子並みの権利を持っているのだ。そのため、王家と公爵家との縁組を考えればどちらの令嬢と結婚しても同じこと。
元婚約者がいては何かと都合が悪いからと、マリアンヌは自ら母国を去る。行先は、亡き実母の祖国。祖父や伯父たちはマリアンヌの移住を喜んで受け入れる。
彼女を皇女に!と思うも、本人に拒否されてしまい、仕方なく「女公爵」に。
マリアンヌとしては小国の公爵令嬢が、大国の皇女殿下になる訳にはいかなかった。優しい伯父たち(大国の王族)のため、「女公爵」として、新しい母国のために奮闘してゆく。王太子妃としての教育がこのような形で活かされていく。
一方、元婚約者の王太子殿下には暗雲が立ち込めていた。
彼は王太子位を剥奪され一介の王子になっていたのだ。妻のリリーは、妃として落第点を押される程の不出来さ。
リリーは高位貴族の教育さえ受けていなかったことを元婚約者は知らなかったよう。彼女の母親は下位貴族出身。当然、その娘であるリリーも下位貴族の教育しか受けていない。
内政も外交も上手くいかない。
経済さえも危うくなってきた。
彼らの未来はどうなるのか???
他サイトにも公開中。


婚約破棄しようがない
白羽鳥(扇つくも)
恋愛
「アンリエット、貴様との婚約を破棄する!私はリジョーヌとの愛を貫く!」
卒業式典のパーティーでばかでかい声を上げ、一人の男爵令嬢を抱き寄せるのは、信じたくはないがこの国の第一王子。
「あっそうですか、どうぞご自由に。と言うかわたくしたち、最初から婚約してませんけど」
そもそも婚約自体成立しないんですけどね…
勘違い系婚約破棄ものです。このパターンはまだなかったはず。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる