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本当の気持ち
しおりを挟むウォルシュ様は私の気持ちを考えて、愛のない結婚をしようとおっしゃったようです。
そして私は、ウォルシュ様の気持ちに従うように、愛していないフリをして結婚をした。最初から私達は、愛し合っていたのに……
愛し合っていたからこそ、お互いに自分の気持ちを押し殺して来た。
「どうして子供を作る行為が、週に一度だったんですか?」
「あれは……本当は断られると思っていたんだ。大好きな君が毎日同じ邸にいるんだから、触れたくなるのは仕方がないだろ?」
「子供が欲しかったからでは?」
「子供が出来たらいいなとは思っていたが、一番は君を抱きたかったからだ!」
そんな事を恥ずかしげもなく言った彼に、愛おしさが込み上げてくる。
「もう、愛していないフリはしなくていいのですね。気持ちを、抑えなくていいのですね。」
「君を全力で愛する。」
こんなにも幸せでいいのでしょうか?
「もしかして、お茶会の時に不機嫌になったのは、嫉妬ですか?」
「嫉妬の何が悪い! あいつ、シエルに気安く触りやがって!!」
「ふふっ。理由が分かったら、何だか嬉しいです。それにしても、キール様にはびっくりしました。あんな方でしたっけ?」
「あいつは、昔からあんなやつだよ。」
「ウォルシュ様の事しか見てなかったから、気づきませんでした。」
「!!!」
顔を真っ赤にするウォルシュ様。こんなにも素直な方なのに、どれほど頑張って気持ちを隠してきたのでしょう。
「……帰ろう。俺達の邸に。」
差し出された手を取り、私達は邸へと帰りました。
「もう遠慮はしない。毎日一緒に寝るし、毎日一緒に食事をするし、毎日好きな時に抱きしめる。反論は許さないから、そのつもりで!」
ウォルシュ様は我慢していたようで、今まで出来なかった事を全部するようです。
「それから、また君の料理が食べたい。」
「また作ります。愛情いっぱい込めて。」
嘘から始まった私達は、真実の愛を手に入れることが出来ました。これから何があっても、この手を決して離しません。
「ウォルシュ様、愛してます。」
END
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感想ありがとうございます(つω`*)
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