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おかあしゃまを守る!
しおりを挟む「そんな事で、怒っているのか?」
そんな事!?
「子供などいらない。お前だけがそばに居てくれれば、俺は幸せなんだ。」
あなたの幸せなんて、どうでもいい!!
「ジオード様などいらない。アレクシスがそばに居てくれれば、私は幸せなんです。」
「な!? 俺はお前を、愛しているんだ!」
「私はあなたを、愛していません。」
「もういい! お前の気持ちなど知らん! 一緒に帰るんだ!!」
「キャッ!!」
ジオードは腕を掴み、無理やり連れ帰ろうとする!
「お嬢様から手をお離しください!」
門番が必死に止めようとするが、ジオードはさらに強く腕を掴んだ!
と、その時、
「おかあしゃまからはなれろ! このあくにん!」
子供用の竹刀を持ったアレクシスが現れ、
バンバンバン!!
と、ジオードの腕を、竹刀で打ち続けた!
「イテッ!! イテテテッ!! やめろ、アレクシス!!」
バンバンバン!!
「おかあしゃまにさわるな!」
バンバンバン!!
「クソっ!! このガキ!!」
ジオード様がアレクシスに手をあげようとした瞬間、私はアレクシスに覆いかぶさった。
ガシッ!!
「子供に手をあげようとするとは、恥ずかしくないのですか?」
ジオードの腕を、アンソニーが掴んでいた。
「アンソニー様……」「せんせい!」
「誰だお前!? 俺のセシディを、連れて帰ろうとしただけだ! 手を離せ!」
アンソニーは手を離そうとはしない。
「俺のセシディ? セシディは物じゃない! あんたにセシディを愛する資格はない!」
「お前に何が分かるんだ!! 俺はセシディがいないと、生きていけないんだ!!」
「それならば、もっと大切にすべきでした。愛する人を傷付けるのは、愛じゃない。あんたが愛しているのは、自分だけだ! もう二度と、セシディとアレクシスの前に現れるな!」
アンソニーはそう言うと、掴んでいた腕を離した。
もっと大切にすべきだったと言われ、何も反論出来ず、ジオードはトボトボと帰って行った。
「アレクシス、怪我はない? 」
「だいじょうぶ! おかあしゃまは、ぼくが守るっていったでしょ!?」
「……守ってくれて、ありがとう。アンソニー様も、ありがとうございました。」
「私は何もしていない。全て、アレクシスの手柄だ! 良くやったな!」
「えへへへへ!」
アレクシスは得意げに笑った。
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