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43、婚約パーティー
しおりを挟むあの襲撃から3ヶ月後、延期されていた婚約パーティーが開かれる事になりました。
「またドレスをいただいてしまって、本当にすみません」
リオン様は、この間破いてしまったドレスの代わりに、淡いピンク色のドレスを贈ってくださいました。とても可愛くて、このドレスもお気に入りです。
「何着でも贈るよ。良く似合っているし、俺が贈ったドレスを着た姿を見ると、幸せな気持ちで満たされる」
幸せいっぱいな笑顔を向けてくださるリオン様が、あまりにも可愛かったので……
「そんな事で幸せな気持ちになっていただけるなんて、リオン様は可愛らしいですね。俺様はどこに行ってしまわれたのでしょう?」
少しからかうような事を言ってしまいました。
「そうかそうか、ティアナは俺様が好みなんだな。これからは、そうしよう!」
からかったつもりが、逆にからかわれてしまいました。でも、どんなリオン様でも、私は大好きです。
「延期したにも関わらず、このように多くの者達が集まってくれて嬉しく思う。我が息子、リオンとゴードン伯爵家の令嬢ティアナの婚約を祝ってくれ!」
国王様の挨拶で、会場は大いに盛り上がりました。貴族の方達が、皆さん笑顔で祝福してくださいます。
「リオン王子、ティアナ様、ご婚約おめでとうございます!」
「シェイド様! 色々と、ありがとうございました」
シェイド様には、本当に沢山お世話になりました。
「いえ、私は何もしておりません。結局は、ホージー侯爵が全て自白しましたし、影で指示してくださったのはリオン王子です」
「影で指示?」
それは、どういうことなのでしょう?
「おい! それは……」
慌てるリオン様。
「最初から、リオン王子が指示を出してくださっていました。何があっても、ティアナ様の指示に従うようにとの事でしたので、リオン王子がティアナ様をお好きなのはバレバレでした。俺なんか一瞬で失恋ですよ。はぁ……せっかく、運命の人に出会えたと思ったのに。
そもそも、騎士になったばかりの俺なんかが、騎士団を動かせるわけないじゃないですか」
慌てるリオン様に構わず、話し続けるシェイド様。ある意味、最強ですね。
シェイド様に最初に持った“抜けてる”という印象は、どうやら正しかったようです。
「シェーイードーーーっっ!!!」
リオン様……目が怖いです。シェイド様、ご愁傷さまです。
「ギャーっ!! 申し訳ございませーーんっっ!!」
シェイド様は凄い勢いで、逃げて行ってしまいました。後で、怒られますね。
「リオン様、そろそろ全部お話していただけますか?」
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