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新たな婚約者!?
しおりを挟む「ロイドお兄さま、遅いです!」
声の主は、ロイド王子。ロイド王子は、セシディとプリシア王女の元に駆け寄ってきた。
「悪かった。先程の、プリシアに向けたセシディ嬢の微笑みが、ものすごい破壊力で……今まで放心していた。まさかまた、ダンカンがセシディ嬢にやり直したいと言うとは……」
「お兄さまがモタモタしてるから、センセイがとられちゃうとこでした! センセイとお兄さまは、結婚するんだから!」
「え……?」「えぇ!?」「えぇー!!!」
「「「えええぇぇえぇぇえぇぇっっ!!」」」
セシディもロイド王子もダンカンも……そして、会場にいる貴族達も、プリシア王女の一言に驚きの声をあげた。
「……プリシア、なぜお前が先に言ってしまうのだ!? 私がこの日の為に、何度も練習して来たのは知っていただろう!?」
練習? ロイド様は、何を練習なされていたのでしょうか?
「あ、ごめんなさい。でもね、大丈夫! センセイは、ロイドお兄さまが大好きだから!」
「プ、プリシア王女!? 何を仰るのですか!? 私はそんな事一言も……」
顔を真っ赤にして慌てるセシディ。
「センセイ、もう忘れたの? センセイの気持ち、私にはお見通しだよ!」
そうでした……
「……プリシア王女には、かないませんね。」
「え……じゃあ……」
二人は見つめ合い、顔を茹でダコのように真っ赤にしている。
何も確かな事は言っていない二人だったが、どうやら婚約が成立したようだ。
「二人とも顔が真っ赤っかですよ? お熱でもあるのですか?」
こういう所はまだ子供のようだ。
「プリシア、そろそろ帰るぞ! セシディ嬢、お送りしますので、ご一緒に。」
「えー! まだいたいー! 」
「プリシア王女、わがままはいけません。パーティーはまだ早いです。」
「けちー!」
とても微笑ましい光景に、貴族達もクスクスと笑い声をあげている。
「今日は本当に、いいものが見れましたね。氷のセシディと呼ばれていた令嬢は、とても表情豊かでしたし。プリシア王女様は、とても聡明な方でした。ロイド王子様のプリシア王女様にデレデレなお姿も新鮮でした。」
「本当ですね。私はセシディ嬢の微笑みが、忘れられそうにありません。あの方が、未来の王妃様になられるのですね。」
「プリシア王女を誤解していたようですね。あんなに聡明な方だったとは。」
三人が会場を去った後も、三人の話題でもちきりだった。
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