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リンダの決意
しおりを挟む「リンダでって…?」
「ホムンクルスは所詮人形でしょー?今度はセリーナが消滅させたくないって気持ちを利用するんだ。失敗したら私が死ぬかもしれない」
リンダを殺してしまうかもしれない!?
「そんな危険な事、出来ないよ!リンダを危ない目に合わせる事はしたくない!」
「セリーナは優しい…だからその優しさでコントロール出来ると思うんだー。私を…人間に戻して?」
「…なんでそこまでしてくれるの?」
「前にも言ったと思うけど、私はセリーナが好きなんだ。ここ数日一緒に修行をして来て、より一層好きになった。セリーナなら出来る!私はそう信じてるから!」
リンダは大事なことを、セリーナには言わなかった
魔女になって100年以上経つ…人間に戻ったらリンダの寿命はとっくに終わっている…
たとえセリーナが成功したとしても、リンダは死ぬことになる
意地悪な魔女だったリンダを、ここまで変えたのはセリーナだ
セリーナの美しい心が、リンダの闇を溶かしたのだ
「少し考えさせて。絶対に失敗しないって自信を持てなくちゃ…出来ない」
「いいよー。アシュリーの事は私に任せて、少し散歩しておいで」
リンダに言われたとおり、森の中を散歩することにした
考えながら歩いていたら、かなり遠くまで来ていたのか人の足音が聞こえてきた
隠れなきゃ…
木の影に身を隠す…が、そこに現れたのはリアム王子だった
「リアム王子…どうしてここに?」
リアム王子は笑顔で、
「ここに居ると思った」
そう言って、セリーナをギュッと抱きしめた
リアム王子は王に身分を捨て、国を出ると言ったところ、猛反対され部屋に軟禁された
閉じ込められたリアム王子を、我が子の幸せを願う王妃が部屋から出してくれ、城を抜け出しこの森へセリーナを探しに来たのだった
「私の為に身分を捨てたのですか…?」
「君がいない人生など、考えられなかった」
それは私のセリフです…いつもリアム王子に救われてきた
醜い私でも想ってくれて、いつだって勇気づけてくれた…
「実は、印を持つ者の事を、君の妹に聞いたんだ。君ならリンダに会いに行くと思ってここに来た」
ケイトリンはミラー家の秘密を話してしまったの!?
…違う。隠しておいてはいけないことだったんだ
今までの印を持つ者の事だってそう…秘密になんてしていなければ、死ななくてもすんだかもしれない
アシュリーが苦しむ事だってなかったかもしれない…
全てはミラー家の過ちだ
この森に来てからのことをリアム王子に全て話した
「リンダの言う通りにしよう」
話しを聞いたリアム王子はそう言った
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