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悪魔の子

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 セリアは未婚で子供を産んだ
 その子は聖女として並外れた強い力を持って生まれ、それからミラー家は、聖女として強い力を持つ様になった 
 だが、稀に印を持つ者が生まれ、その子は国を滅ぼしかねない程の力を持っていた
 ブアルテリアでは何度か、印を持つ者により国が滅びる危機が訪れた
 それをミラー家の聖女が守った事により、ミラー家の聖女としての地位は確立されていった
 何度か国を滅ぼしかけた事により、印を持つ者は生まれた日に抹殺しなければならない、と伝えられてきたのだ

 印を持つ者の正体…それは、悪魔の子

 セリアが愛した悪魔ドリスの血が、稀に悪魔を生んでしまう

 悪魔の子は人とは違い、幼い頃から殺戮を好み、人の魂を喰らう
 ミラー家に生まれた悪魔は、人と悪魔の子…
 普通の悪魔より強大な力を持って生まれてくるため、生まれたその日に抹殺しなければならなかった

 聖女の家系のミラー家と悪魔の子を、結びつけるものは誰もいなかったため、今もミラー家だけの秘密となっていた


 そして今、その悪魔の子が解き放たれたのだ

 「私が何者か…やっと分かった!」

 アシュリーは目を閉じ呪文を唱えた
すると、アシュリーの背中から黒くて不気味な翼が生えた!

 悪魔として目覚めたアシュリーは、寄宿学校を飛び立ち、王都へと向かっていった


 婚約発表の会場から皆が帰っても、ケイトリンはその場から動かなかった
 
 「ケイトリン、帰ろう」

 セリーナはケイトリンに声をかけるが、ケイトリンは動こうともしない

 「セリーナ、今はそっとしておこう」 

 リアム王子に促され、セリーナが頷いたその時…

 「「「キャー!!」」」

 会場の外から、悲鳴が聞こえた!

 セリーナとリアム王子が、急いで外に出ると…

 「ウィルソン様が…」
 「悪魔よ!」
 「悪魔が襲ってきた!」

 ウィルソンは無惨な姿になって横たわっていた…
 そして、その傍らにはアシュリーの姿が…

 セリーナはアシュリーのそばへと駆け寄る…

 「アシュリー…?」

 アシュリーはニッコリ笑い、

 「セリーナお姉様!会いたかった!」

 アシュリーはセリーナに抱きついた
 
 リアム王子は、この状況を理解するのに必死だった
 ウィルソンが惨殺され横たわっている傍らに、セリーナの妹が異様な姿をして立っていた…
 セリーナの妹、アシュリーの仕業としか思えない…

 「セリーナ…離れるんだ!」

 リアム王子はセリーナが心配になり、セリーナへと近づく…

  「大丈夫です」

 セリーナは一瞬で状況を把握していた
 アシュリーがウィルソンを殺したのだと…

 「アシュリー…どうして?」

 アシュリーは屈託のない笑みを浮かべ、

 「お姉様を虐める者は許さない!だから、お仕置をしたの」

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