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解かれた呪い

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 「ケイトリン?なぜそんなに呪いを解かれたくないのだ?」

 「それは…」
 
 ウィルソンの質問に答えないケイトリン
 ウィルソンはケイトリンの腕を掴み、抱き寄せた

 「どんな呪いかは知らないが、ケイトリンは美しい…‪私はそれだけで十分だ」

 「…ダメなんです。呪いを解かれるわけにはいかない…。」

 ケイトリンはウィルソンから離れ、

 「お姉様の望みは何ですか?何でもするから、呪いを解く事だけは…許してください!」

 セリーナの前で膝をつき、頼み込むケイトリンの姿を見て…セリーナは、呪いを解くのをやめた

 「はぁーっ!つまらないなー!何でそこで妹に同情しちゃうかなー!?」

 そこに現れたのは、魔女リンダだった

 「リンダ!?どうして!?」

 ザワザワ…
 いきなりの魔女の登場に、皆ざわつく

 「私の計画では、セリーナはここで呪いを解くはずだったんだけどなー」

 「あなたの計画って何!?」
 
 「いい子ちゃんなセリーナが闇に染まるところが見たかったんだよねー。この日を何年も待ったのに、とんだ期待はずれだよ!まあでも、妹のために呪いを解かないと選択したセリーナには、わ・る・い・け・ど・呪いは解くよー!」

 リンダは指をパチンと鳴らした!

 その瞬間、セリーナとケイトリンの身体が黒い煙で包まれた!
 黒い煙が徐々にはれ、ケイトリンの姿が見えてきた…
 ケイトリンの美しかった顔は、目を覆いたくなるほど醜くなっていた! 
 瞼は分厚く、鼻は上を向き、肌がボコボコ…

 「ケイトリン?あの美しかったケイトリンは…?」

 ウィルソンは困惑している

 ザワザワ…
 ケイトリンを見た貴族たちは驚き、ザワつく

 「あれが…ケイトリン?」
 「醜い…」
 「あの顔が本当の顔という事なの!?」

 皆がケイトリンの顔を見て、顔を顰めた

 「嫌ーーーっ!!!!!見ないで!見ないでください!!」 
 
 ケイトリンは顔を両手で覆い、その場に崩れ落ちた

 「あはははっ!そりゃあ見られたくないよねー。そんな醜い顔!」

 その時、セリーナから煙がはれ、姿が鮮明になった!

 この世のものとは思えないほどの美しさ…
 息を飲むほど美しい…絶世の美女
 白い肌、整った目鼻立ち、ほんのり赤い唇…全てが完璧だった
 あまりの美しさに、セリーナはその場にいる人々をひと目で魅了した!

 「美しい…。セリーナ…なのか?私が間違っていた…やはり、君と婚約を…」
 
 ウィルソンがセリーナに近づこうとした時、

 「セリーナ・ミラー!私の婚約者になって欲しい!」
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