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42、アンダーソン公爵家との決着 中編
しおりを挟む「それはどういうことだ!? 進軍して来ていたはずの兵が、皆引き返しただと!?」
ルークが書いた書状は、小国4カ国の国王を説得することが出来たようだ。
「いかがいたしますか? これから他の国に頼んでも、間に合わないかと……」
「問題ない。タジガナルさえいれば大丈夫だ。タジガナルの王は、すでにこちらに向かっている。王太子の結婚を祝う名目だから、国王と共に着く兵士の数は100余りだが、アンダーソン公爵家の私兵と合わせれば、600になる。その後に、タジガナルの援軍も来る。油断してる城を攻めるくらい容易いだろう」
「ですが、国境を攻めるはずの小国の兵がいなくなってしまいました。上手くいくでしょうか?」
「上手く行かせるのだ! 国王を捕らえ、王太子妃を殺せば私達の勝利だ!!」
アンダーソン公爵は、ルークが計画を知っていることに、全く気付いていなかった。
「4カ国共、兵は引き返したそうです!」
ルークは国王に報告をした。
「そうか。良くやった。あとは、タジガナルの王次第か。信じて大丈夫なのか?」
「大丈夫です。デニス王は、信頼できる方です」
「お前が言うのなら、信じよう。アナベルのことは任せなさい。必ず、守ってみせる」
「よろしくお願いします!」
―アンダーソン公爵邸―
「タジガナルの国王が、到着されました!」
書斎にいるアンダーソン公爵に、執事が知らせに来た。
「タジガナルの王が、ここに直接来たというのか?」
デニス王は、王城に向かうはずだった。
不思議に思いながらも、デニス王を出迎える。
「よくぞおいでくださいました! ですが、どうしてこちらに?」
デニス王は邸の中に入ろうとはせずに、話し出した。
「確認したいことがあったのだ。
殺していいのは誰か、ハッキリ聞いておきたくてね。間違えて殺してしまってはことだろう?」
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もうすぐ国が自分のものになると、テンションが上がっていたアンダーソン公爵はペラペラと話した。
「そうか……では、この者達を捕らえよ!」
「な!?」
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状況が理解出来ないアンダーソン公爵。
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アンダーソン公爵に剣を突き付けていたのは、ルークだった。
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