59 / 60
間章 過去
閑話 ラーの過去 中編
しおりを挟む
ある日、世界に穴が開いた。
文字通り、空にぽっかりと……まるでそこだけがくり抜かれたように、ただひたすらに漆黒の闇が広がっていた。
勿論、僕は警戒し、魔界全体に注意勧告を出した。
異形の存在などが来るのかもしれない。そう直感的に思った。
穴が開いてから、数分後……時間にしたらそのぐらい。
穴の奥から、純白が見え隠れした。
それは世界を跨いでやってきた。
そして、来たのはやはり、異常なる存在だった。
【美徳】の一つ【慈愛】。そんな力を持った異形の存在。またの名を、守護天使。
世界の守護という名目で、悪の属性や立場に立つ者を弾劾している輩だ。無論、悪魔である僕たちは悪属性。泡のように無数にある魔界の一つである、ここを潰しに来たのだろう。
「どうする……!」
僕は爪を噛んだ。悪い癖だ。即刻の避難は確定している。だが、どこへ避難するか。勿論、隣の魔界などに逃げ込めば、そこで争い、諍いなどが多発するだろう。なら、僕らより弱い種族の世界に行くべきだろう。
「でも、まずは……」
僕は【異界門《ゲート》】を開くように指示をした。【異界門《ゲート》】は、多量の魔力を有する悪魔でも、数百体は必要な次元魔術の一種だ。次元魔術は次元を操る魔術だ。並大抵の術者では使えない。
魔界全体を消滅させるだけの力を持つ守護天使は二体いた。彼らあ双子のように瓜二つな容姿だった。純白の法衣に、星と十字の紋様が埋め込まれたペンダントを持っている。
天使は背中に大きな純白の羽根を広げた。
「あれは……!」
翼が光輝く。まるで太陽のように、高貴な光となった。泥濘の如く、悪魔たちは汚れ荒んだように見える。戦いによって、血塗れの世界は、神聖な光に包まれる。
「【神聖光翼】」
冷静沈着な声。小さな声。だが、広大な魔界に響き渡る。
悪魔たちにとって、毒でしかない神聖な光。それが魔界全体に降りた。
魔界全体は慌ただしく動き出した。
動き出した世界に語りかけるように、守護天使が声を出した。
「闇の使い、悪の化身、異形の存在――悪魔どもよ……貴様らは死す定めであり、それが本日である」
酷く傲慢な態度。だが、このままでは確かに全ての存在が滅ぼされるだろう。だがしかし、天使と悪魔では相性が悪い。勿論だが、戦闘などしたら、確実に悪魔は負ける。
それが例え、魔界の全戦力を使用してもだろう。
勿論、僕はそんなことを認めたくない。だが、事実としてそうなのだ。
【異界門《ゲート》】が開くまでには、まだまだ暫しの時間が必要だ。
どうにかして、時間を稼がねば……
僕はまたまた焦って爪を噛む。だがしかし、良い考えなど浮かばない。
誰もがもはや、絶望しかない。
そう思った時だった。
姉が一人で、空へと舞い上がった。
「な……! どうして!?」
僕は必至になって声を張った。
「なんで姉さんが、そんな化け物と戦うんだよ!」
姉は漆黒の翼を広げ、威嚇するように天使を睨みつけた。
「決まっているだろう」
女性とは思えない、凛々しい表情で答えた。
「平和な世界のために……だ」
いつもの口癖を何気ない口調で言った。
その時間は永遠と思えた。時が止まったように思えた。永遠とも思えた時間は、刹那だった。
僕は走った。
――だが、遅かった。
「はぁぁああああ!!!」
姉は悪魔としての力を全開にして戦った。それは壮絶な戦いだった。魔界一の猛者である姉を、倒せるものなどいるわけない。そう嘯いた日々を思い出した。
だが、そんなはずもなく。
――勿論……勝てるはずもない。
もう無理なのか。
僕は不覚にも一瞬、そう思ってしまった。
頭を振る。
そんな訳がない。
僕は姉のためにも【異界門】の展開を急がせた。
結果、姉が戦い始めてから、数分後、【異界門】は数百人の術者によって、展開された。地上に空いた漆黒の門を潜ったら、そこは異界だ。
普通なら、異界に行くのも躊躇するだろう。
だが、悔いのあるやつなどいない。
我先にと、悪魔の行列が作られる。
どんどん悪魔が首都に転移してくる。首都は本来、住んでいた人数など比では無い人数が集結していた。
魔界全体は慌ただしかった。
そんな騒乱の中、僕は姉に叫んだ。
「早く!」
【異界門】の展開可能時間は短い。
そして、姉は気付いたららしい。こちらに巨大な魔力を扱い、爆発を引き起こした。
その爆発に乗じて、転移しようとした。
それが油断になってしまったのだろうか。
姉は剣で心臓を貫かれていた。それは悪魔にとって致命的な聖属性の剣だった。だが、それでも来たのだった。移動してきたのだった。
「ね、姉さん!!!」
僕は声の限り叫んだ。
僕は姉さんを【異界門】の中に入れようとした。だが、姉さんは微かに口を動かし言った。
「これか……らの生活は……く……るしいだろう」
「な、にを言ってるの?」
「色んな苦難……が襲い……かかるだろう」
弱弱しく……だが力強く、必死に言の葉を紡いだ。
「だが……それでも……生きろ」
姉は最後に僕を押した。
完全な不意打ちだった。僕は勿論、抗えなかった。
身体は真っ黒な異界へと繋がった門に吸い込まれていく。
「姉さん……嘘でしょ」
意識も身体も吸い込まれかけて、最後に見たのは笑顔だった。
そして、後ろから追撃に来た天使が、鉛色に輝く剣を取り出す。何の能力もない、ただの剣だ。
それは深々と突きさされた。
笑顔だった。
だが、それは紅の犠牲となった証だった。
ぽたぽたと滴る深紅の液。飛び散る脳漿。
血で染まった姉を見たのが、僕にとっての最後だった。
文字通り、空にぽっかりと……まるでそこだけがくり抜かれたように、ただひたすらに漆黒の闇が広がっていた。
勿論、僕は警戒し、魔界全体に注意勧告を出した。
異形の存在などが来るのかもしれない。そう直感的に思った。
穴が開いてから、数分後……時間にしたらそのぐらい。
穴の奥から、純白が見え隠れした。
それは世界を跨いでやってきた。
そして、来たのはやはり、異常なる存在だった。
【美徳】の一つ【慈愛】。そんな力を持った異形の存在。またの名を、守護天使。
世界の守護という名目で、悪の属性や立場に立つ者を弾劾している輩だ。無論、悪魔である僕たちは悪属性。泡のように無数にある魔界の一つである、ここを潰しに来たのだろう。
「どうする……!」
僕は爪を噛んだ。悪い癖だ。即刻の避難は確定している。だが、どこへ避難するか。勿論、隣の魔界などに逃げ込めば、そこで争い、諍いなどが多発するだろう。なら、僕らより弱い種族の世界に行くべきだろう。
「でも、まずは……」
僕は【異界門《ゲート》】を開くように指示をした。【異界門《ゲート》】は、多量の魔力を有する悪魔でも、数百体は必要な次元魔術の一種だ。次元魔術は次元を操る魔術だ。並大抵の術者では使えない。
魔界全体を消滅させるだけの力を持つ守護天使は二体いた。彼らあ双子のように瓜二つな容姿だった。純白の法衣に、星と十字の紋様が埋め込まれたペンダントを持っている。
天使は背中に大きな純白の羽根を広げた。
「あれは……!」
翼が光輝く。まるで太陽のように、高貴な光となった。泥濘の如く、悪魔たちは汚れ荒んだように見える。戦いによって、血塗れの世界は、神聖な光に包まれる。
「【神聖光翼】」
冷静沈着な声。小さな声。だが、広大な魔界に響き渡る。
悪魔たちにとって、毒でしかない神聖な光。それが魔界全体に降りた。
魔界全体は慌ただしく動き出した。
動き出した世界に語りかけるように、守護天使が声を出した。
「闇の使い、悪の化身、異形の存在――悪魔どもよ……貴様らは死す定めであり、それが本日である」
酷く傲慢な態度。だが、このままでは確かに全ての存在が滅ぼされるだろう。だがしかし、天使と悪魔では相性が悪い。勿論だが、戦闘などしたら、確実に悪魔は負ける。
それが例え、魔界の全戦力を使用してもだろう。
勿論、僕はそんなことを認めたくない。だが、事実としてそうなのだ。
【異界門《ゲート》】が開くまでには、まだまだ暫しの時間が必要だ。
どうにかして、時間を稼がねば……
僕はまたまた焦って爪を噛む。だがしかし、良い考えなど浮かばない。
誰もがもはや、絶望しかない。
そう思った時だった。
姉が一人で、空へと舞い上がった。
「な……! どうして!?」
僕は必至になって声を張った。
「なんで姉さんが、そんな化け物と戦うんだよ!」
姉は漆黒の翼を広げ、威嚇するように天使を睨みつけた。
「決まっているだろう」
女性とは思えない、凛々しい表情で答えた。
「平和な世界のために……だ」
いつもの口癖を何気ない口調で言った。
その時間は永遠と思えた。時が止まったように思えた。永遠とも思えた時間は、刹那だった。
僕は走った。
――だが、遅かった。
「はぁぁああああ!!!」
姉は悪魔としての力を全開にして戦った。それは壮絶な戦いだった。魔界一の猛者である姉を、倒せるものなどいるわけない。そう嘯いた日々を思い出した。
だが、そんなはずもなく。
――勿論……勝てるはずもない。
もう無理なのか。
僕は不覚にも一瞬、そう思ってしまった。
頭を振る。
そんな訳がない。
僕は姉のためにも【異界門】の展開を急がせた。
結果、姉が戦い始めてから、数分後、【異界門】は数百人の術者によって、展開された。地上に空いた漆黒の門を潜ったら、そこは異界だ。
普通なら、異界に行くのも躊躇するだろう。
だが、悔いのあるやつなどいない。
我先にと、悪魔の行列が作られる。
どんどん悪魔が首都に転移してくる。首都は本来、住んでいた人数など比では無い人数が集結していた。
魔界全体は慌ただしかった。
そんな騒乱の中、僕は姉に叫んだ。
「早く!」
【異界門】の展開可能時間は短い。
そして、姉は気付いたららしい。こちらに巨大な魔力を扱い、爆発を引き起こした。
その爆発に乗じて、転移しようとした。
それが油断になってしまったのだろうか。
姉は剣で心臓を貫かれていた。それは悪魔にとって致命的な聖属性の剣だった。だが、それでも来たのだった。移動してきたのだった。
「ね、姉さん!!!」
僕は声の限り叫んだ。
僕は姉さんを【異界門】の中に入れようとした。だが、姉さんは微かに口を動かし言った。
「これか……らの生活は……く……るしいだろう」
「な、にを言ってるの?」
「色んな苦難……が襲い……かかるだろう」
弱弱しく……だが力強く、必死に言の葉を紡いだ。
「だが……それでも……生きろ」
姉は最後に僕を押した。
完全な不意打ちだった。僕は勿論、抗えなかった。
身体は真っ黒な異界へと繋がった門に吸い込まれていく。
「姉さん……嘘でしょ」
意識も身体も吸い込まれかけて、最後に見たのは笑顔だった。
そして、後ろから追撃に来た天使が、鉛色に輝く剣を取り出す。何の能力もない、ただの剣だ。
それは深々と突きさされた。
笑顔だった。
だが、それは紅の犠牲となった証だった。
ぽたぽたと滴る深紅の液。飛び散る脳漿。
血で染まった姉を見たのが、僕にとっての最後だった。
2
お気に入りに追加
1,847
あなたにおすすめの小説
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる