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第五章 迷宮都市
第三十六話 迷宮都市
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というわけで迷宮都市イデアへやってきた。
あれから王女様の行動は非常に早く、アルに伝えた後、王に相談。経費、金貨百枚を頂いた後、アルの転移術式で一気に転移。
ここまで僅か三日。
さらに王女様はアルに頼んで、【魔術強化の指輪】や【天使の衣】などの強化アイテムを持ってきて、準備万端。しかも、どれも装飾品として立派。いや、装飾品としてしか見えないのではないだろうか。傍から見れば、貴族のご令嬢とその知りあいみたいな図になっている。
「というわけでカケル様。迷宮に入りましょうか」
冒険者以外の人間が地下迷宮に入るには、金がいる。
俺自身は冒険者なので、問題無いが、王女様は冒険者ではない。
王族や貴族などの斡旋状などがあれば、金なんかはいらないが、余計な面倒を避けるため、俺らは斡旋状を用意しなかった。
というわけで俺らは豪華絢爛、強力な装備なのに、二人でのこのこと歩いていた。
迷宮のある都市は商売が非常に盛んになる。迷宮からは毎日のように魔獣や魔物が倒され、素材が溢れかえるほど街に流れる。そのために良質なアイテムを沢山扱う武器屋や商店が沢山並んでいた。
「長剣、短剣、細剣、剣なら何でもおいてるよー! いかが?」
「保存食はどうですか? 長期滞在におすすめな保存食はいかがですかー!」
迷宮に行くまでの道は、客を呼び込もうとする声が響く。
そんな中、俺たちはある店を探していた。
「迷宮の地図はいりませんかー」
と言う声が響く。
「あそこですね」
「そうだな」
俺たちは店に行く。
「迷宮の地図を買いたいんだが」
少し早口に言う。今日中に迷宮に入ってしまいたい。
「わかりました。何階層までのですか?」
「四階層までだ」
店主はそういうと、店の奥から羊皮紙の束を持ってきた。
「一階層が銀貨三十枚、二階層が銀貨七十枚、三階層が金貨一枚、四階層が金貨二枚です。〆て、金貨四枚ですね」
俺は金貨四枚を懐から出す。
「では、どうぞ」
迷宮内の地図を取りあえず見る。大まかな罠や出現する魔獣《モンスター》の種類などが書かれている。
正確とは言い切れないが、まぁ大丈夫だろう。
取りあえず、部屋の位置だけ覚える。後は階段までの最短距離。
「一、二階層は無視でいいですね」
「うん。三階層から狩っていけばいいだろ」
一、二階層の主な魔獣は人犬《コボルと》や緑子鬼《ごブリン》だった。そんなやつらを狩っても、大した旨みがない。戦闘技術を培おうとするなら最低でも三階層から出現する
迷宮の周辺に行くと、喧噪としていて、耳を塞がなければ、歩けないほどにうるさかった。
「で、では、いきましょう」
普段、静謐な暮らしをしている王女様にはきついのだろう。
俺は無言で頷き、歩き出した。
▼
俺たちは列に並ぶ。やはり、冒険者ではなくても、迷宮に入る者はいるようで、少しだけ待った。
「お次の方、どうぞー」
係の人の声が響いた。俺たちは歩いて、係の人の元まで行った。
「はい」
「えーと、二名様でいいですか」
「いいえ、彼は冒険者なので、私だけです」
「そうですか。では、どの範囲の探索許可証をお求めでしょうか」
「全範囲、無期限で」
「……すみません。もう一度お願いします」
王女様は少し、苦笑して、もう一度言った。
「全範囲無期限の探索証です」
係の人が目を丸くする。というか、一周回って呆れてる。そりゃそうだ。冒険者になった方が早い。探索証を買うお金があるなら、それで装備品を買った方が効率的だろう。
係員もそれを理解している。だけど、こっちの方が自分たちにお金が入ると思ったのだろう。少し笑みを浮かべながら、それを了承した。
「わかりました。金貨五十枚です」
俺たちは金貨五十枚を出して、全範囲探索許可書を買う。係の人は慎重に数を数えていく。まぁ、五十枚って相当な大金だしな。係の人が五十枚を数え終わる。
「五十枚。確かに」
そう言って、探索証を差し出してくる。黒色で高級感が漂っている。
俺はそれを受け取って、迷宮に入る。迷宮内は先ほどまでの喧噪さとは打って変わり、静謐さで満ちあふれていた。
魔獣……人犬《コボルと》や緑子鬼《ごブリン》などの雑魚がメインのこの階層はさっさと抜けてしまう。三階層から魔獣の種類が変わるので、そこまでを目指したい。と思い、俺たちは脚を早めた。
【天使の衣】を王女様が身につけているお陰で、魔獣と基本的に遭遇しない。そのため、非常に楽な探索だった。
「どうですか」
「全く、問題ない。魔獣《モンスター》もいないし」
王女様は魔術によって強化された脚で、俺は装備品の力で、簡単に迷宮内を駆け抜けていく。
そして、 三階層に着いた。
あれから王女様の行動は非常に早く、アルに伝えた後、王に相談。経費、金貨百枚を頂いた後、アルの転移術式で一気に転移。
ここまで僅か三日。
さらに王女様はアルに頼んで、【魔術強化の指輪】や【天使の衣】などの強化アイテムを持ってきて、準備万端。しかも、どれも装飾品として立派。いや、装飾品としてしか見えないのではないだろうか。傍から見れば、貴族のご令嬢とその知りあいみたいな図になっている。
「というわけでカケル様。迷宮に入りましょうか」
冒険者以外の人間が地下迷宮に入るには、金がいる。
俺自身は冒険者なので、問題無いが、王女様は冒険者ではない。
王族や貴族などの斡旋状などがあれば、金なんかはいらないが、余計な面倒を避けるため、俺らは斡旋状を用意しなかった。
というわけで俺らは豪華絢爛、強力な装備なのに、二人でのこのこと歩いていた。
迷宮のある都市は商売が非常に盛んになる。迷宮からは毎日のように魔獣や魔物が倒され、素材が溢れかえるほど街に流れる。そのために良質なアイテムを沢山扱う武器屋や商店が沢山並んでいた。
「長剣、短剣、細剣、剣なら何でもおいてるよー! いかが?」
「保存食はどうですか? 長期滞在におすすめな保存食はいかがですかー!」
迷宮に行くまでの道は、客を呼び込もうとする声が響く。
そんな中、俺たちはある店を探していた。
「迷宮の地図はいりませんかー」
と言う声が響く。
「あそこですね」
「そうだな」
俺たちは店に行く。
「迷宮の地図を買いたいんだが」
少し早口に言う。今日中に迷宮に入ってしまいたい。
「わかりました。何階層までのですか?」
「四階層までだ」
店主はそういうと、店の奥から羊皮紙の束を持ってきた。
「一階層が銀貨三十枚、二階層が銀貨七十枚、三階層が金貨一枚、四階層が金貨二枚です。〆て、金貨四枚ですね」
俺は金貨四枚を懐から出す。
「では、どうぞ」
迷宮内の地図を取りあえず見る。大まかな罠や出現する魔獣《モンスター》の種類などが書かれている。
正確とは言い切れないが、まぁ大丈夫だろう。
取りあえず、部屋の位置だけ覚える。後は階段までの最短距離。
「一、二階層は無視でいいですね」
「うん。三階層から狩っていけばいいだろ」
一、二階層の主な魔獣は人犬《コボルと》や緑子鬼《ごブリン》だった。そんなやつらを狩っても、大した旨みがない。戦闘技術を培おうとするなら最低でも三階層から出現する
迷宮の周辺に行くと、喧噪としていて、耳を塞がなければ、歩けないほどにうるさかった。
「で、では、いきましょう」
普段、静謐な暮らしをしている王女様にはきついのだろう。
俺は無言で頷き、歩き出した。
▼
俺たちは列に並ぶ。やはり、冒険者ではなくても、迷宮に入る者はいるようで、少しだけ待った。
「お次の方、どうぞー」
係の人の声が響いた。俺たちは歩いて、係の人の元まで行った。
「はい」
「えーと、二名様でいいですか」
「いいえ、彼は冒険者なので、私だけです」
「そうですか。では、どの範囲の探索許可証をお求めでしょうか」
「全範囲、無期限で」
「……すみません。もう一度お願いします」
王女様は少し、苦笑して、もう一度言った。
「全範囲無期限の探索証です」
係の人が目を丸くする。というか、一周回って呆れてる。そりゃそうだ。冒険者になった方が早い。探索証を買うお金があるなら、それで装備品を買った方が効率的だろう。
係員もそれを理解している。だけど、こっちの方が自分たちにお金が入ると思ったのだろう。少し笑みを浮かべながら、それを了承した。
「わかりました。金貨五十枚です」
俺たちは金貨五十枚を出して、全範囲探索許可書を買う。係の人は慎重に数を数えていく。まぁ、五十枚って相当な大金だしな。係の人が五十枚を数え終わる。
「五十枚。確かに」
そう言って、探索証を差し出してくる。黒色で高級感が漂っている。
俺はそれを受け取って、迷宮に入る。迷宮内は先ほどまでの喧噪さとは打って変わり、静謐さで満ちあふれていた。
魔獣……人犬《コボルと》や緑子鬼《ごブリン》などの雑魚がメインのこの階層はさっさと抜けてしまう。三階層から魔獣の種類が変わるので、そこまでを目指したい。と思い、俺たちは脚を早めた。
【天使の衣】を王女様が身につけているお陰で、魔獣と基本的に遭遇しない。そのため、非常に楽な探索だった。
「どうですか」
「全く、問題ない。魔獣《モンスター》もいないし」
王女様は魔術によって強化された脚で、俺は装備品の力で、簡単に迷宮内を駆け抜けていく。
そして、 三階層に着いた。
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