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大きな幸せに包まれた幽閉王子

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僕が目を覚ますと、隣には優しい表情で見つめるレイナード皇子の姿があった。
昨夜のことを思い出して、思わず赤くなる。

「そういうところも可愛い。おはよう、アレク」
「あう……おはようございます……レイ、いつから起きて……?」
「ん?うーん、たぶん少し前だろうな。愛する人の寝顔を見られるなんて、役得だ」

さらっと僕の愛称を呼んでいたけど、それは追々聞いてみるとして。
起きてからずっと僕の寝顔を見ていたことに気恥ずかしくなる。
そろそろ起き上がって準備をしないと、と思い身体を動かすが腰に痛みが走った。

「いたっ……!え、こ、腰が……」
「あぁ、初めて性行為をしたからだ。無理をしなくていい」
「うん……僕の処女は美味しかった?レイ」
「はは、もちろん。美味しすぎて今ももう一度やりたいくらいだ」

身体を引き寄せられて、腹部に勃起した性器が押し当てられた。
昨日も散々したのに元気すぎる。
ベッドに押し倒されて、キスを沢山される。

「きょ、今日は……その、レイが面倒見てくれるんだよね?」
「あぁ、そうだよ。することを許してくれるのか?」

僕が、こくん、と頷くとレイがすごく嬉しそうに笑う。
昨夜の名残で、まだ濡れているせいもあってあっという間にレイの性器が僕の中に入ってくる。
またし始めてすぐに、扉がノックされた。

「レイ、朝早くからごめんね。ライザードだよ」
「え?あぁ、兄さんどうした?」
「早めに目を通して欲しい書類があるんだ。山間部に不審な動きがあってね」
「不審な動き?まさか、敵国の残党?!」
「ひゃんっ……!」

レイナード皇子が何か思い当たることがあったらしい。
している最中に驚いて身体を動かしてしまったから、思わず僕が喘ぎ声を上げてしまった。
思わず片手で口を押えるけど、もう向こうに聴こえていたらしい。

「あー……うん、お楽しみ中に失礼した。書類は執務室にあるから、終わったらおいで」

性行為をしていることがバレてしまい、とても気まずい空気が流れた。
けれど、ライザード皇子は察してくれたのですぐに扉からいなくなったようだ。
お仕事の話をしていたのに、申し訳ない。

「……悪い、アレク。している最中だったのに」
「ううん……僕もごめんね。それで、レイ?続き、する?」
「もちろん、しっかり味わうとも!」
「ふふ、さすがはレイだね。美味しく召し上がれ」

お互いに笑いあった後に、口づけをすると行為は続く。
毎晩愛し合った結果なのか、僕とレイナード皇子の間に子どもを授かった。
男同士だから妊娠しないと思っていたけど、これは神の祝福なのだという。
ごくまれに男性が妊娠する事例が、ひとつだけあるとかないとか。
真実はわからない。
それでも、長男と次男は可愛くて仕方がない。

「かあたま、このご本をこうてーへーかが、よんでくれたの」
「ふふ、ライザード陛下はライゼルが可愛いのね」
「ままー!ぱぱのっ、ひみつもってきちゃー!」
「こらこらこらー!アイゼ!それは返しなさい!頼むから返してくれ!」

長男ライゼルフォード、次男アイゼフォン。
大人しいライゼルに対して、元気いっぱいなアイゼ。
僕はこの帝国に嫁いで、本当に良かったと思う。
大きく、逞しいその腕の中に包まれるだけで幸せだったけれど、
今はもっと大きなぬくもりに包まれている。
どうか、この幸せが続きますように。
僕はそう願わずにいられないのであった。
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