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47 セカンドキス
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3日経って第5層の階段が出現したので、さっそく階段を降りた。
第5層は鬱蒼とした森にフィールド全体が包まれており、空を飛ばないと見通すことができなかった。中央にある100mは超える大樹の上の方にまるで鳥が巣をつくるようにセーフティエリアが乗っかっていたので、そこへ移動してコマンド画面を確認する。
───────────────
ダンジョン5層のクリア条件
本心フラワーの花粉を採取する。
───────────────
なにこの本心フラワーって?
このダンジョンには図書館の本でも見だことのない魔物や魔獣が多い。
数日前より皆、格段と飛行魔法が上手になったし、魔力総量もかなり上がっているので、今なら手分けして空からの探索も可能だと思う。
問題があるとすれば本心フラワーというのがどんな花なのかがわからないことだ。ひと目みて魔獣だと分かればいいが、どうみても普通の花にしか見えなかったら捜索が難航してしまう。
「石を投げてみるのはどう?」
普段、あまりしゃべらないオポトが発言した。なるほどね。近づくとどんな危険があるか分からない。魔獣であれば石を当てたら、何か反応があるかもしれない。
3つの班に分かれて適当に飛行したあと森のなかへ降りて探索を始めた。樹海になっているので、森のなかを歩いてセーフティエリアに戻るのは難しいので戻る時も空を飛ぶのは必須になる。
夕方まで探して見つからず、セーフティエリアに戻るとサラサのいる班が発見していた。
翌日、空を飛んでその場所へ向かう。鬱蒼とした樹海で同じ場所を見つけるのは困難と判断したサラサと行動をともにしていたロニが周辺の木々を魔法で切り倒してくれていたお陰で苦労することなく見つけることができた。
思ったよりデカい……5メートルはある巨大な白い花。
こんなん石を投げなくても魔獣だとわかるわっ! と心のなかでツッコみを入れつつ慎重に動く。もしかしたら動物や魔獣、魔物を捕食するタイプだったら危険だ。用心深く近づいていく。
バフンっ──まずい! いきなり音に反応して踊り狂う花のオモチャに似た動きで花粉をばら撒かれた。
不意をつかれたので、全員が花粉を吸ってしまった。
──あれ? なんともない。
ホッとしたのも束の間、背後からいきなり羽交い絞めにされた。
「ねえ……」「シリカ」「俺はおまえが」
なになになに? レオナード皇子が私を羽交い絞めにしながら耳元でささやき、ロニとウェイクが私にゆっくりと近づいてくる。
周囲はオポトはただ突っ立っていて、ミラノとエマは互いに手を取り合いアツい視線で見つめ合っている。
もしかして、本心フラワーって花粉を浴びると自分の心に素直になったりする?
……って近い近い近いっ!?
3人の顔が私の顔に限りなく近づいてくる。ちょっ待って、
「ダメェェェ!」
サラサが3人を光魔法で私から引き離してくれた。ホッ、助かった……。
って、おーい。アンタもかい!
サラサに壁ドンならぬ木の幹ドンされた私、この世界でのファーストキス……向こうの世界もカウントするならセカンドキスを奪われてしまった。
う……柔らかい。甘い。口のなかが溶けそうなくらい気持ちいい……。ってヤバい!
慌ててサラサを引き離す。あっぶない。今のはマズい。何かに目覚めかけてしまった。
まったく……全員、植物系の魔法でグルグル巻きにして正気に戻るまで転がしておくことにした私はこのような事態を生じさせた元凶をスパッと風魔法で切ってやった。
イカン、消えてもうた。魔獣だから色見石になるのを忘れていた。しかたなくまだ空中に浮遊している花粉を風魔法で集めて小瓶のなかに納めることに成功した。
それにしても……。
おそらく私が本心フラワーの花粉を吸いこんでも幻覚症状に陥らなかったのは、精神抵抗値であるMNDがチート級に高かったからだと思うけど……。
それを言うなら、私より光の聖女であるサラサの方がMNDは高いのだが……。
──うん、深く考えるのはやめよう。
第5層は鬱蒼とした森にフィールド全体が包まれており、空を飛ばないと見通すことができなかった。中央にある100mは超える大樹の上の方にまるで鳥が巣をつくるようにセーフティエリアが乗っかっていたので、そこへ移動してコマンド画面を確認する。
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ダンジョン5層のクリア条件
本心フラワーの花粉を採取する。
───────────────
なにこの本心フラワーって?
このダンジョンには図書館の本でも見だことのない魔物や魔獣が多い。
数日前より皆、格段と飛行魔法が上手になったし、魔力総量もかなり上がっているので、今なら手分けして空からの探索も可能だと思う。
問題があるとすれば本心フラワーというのがどんな花なのかがわからないことだ。ひと目みて魔獣だと分かればいいが、どうみても普通の花にしか見えなかったら捜索が難航してしまう。
「石を投げてみるのはどう?」
普段、あまりしゃべらないオポトが発言した。なるほどね。近づくとどんな危険があるか分からない。魔獣であれば石を当てたら、何か反応があるかもしれない。
3つの班に分かれて適当に飛行したあと森のなかへ降りて探索を始めた。樹海になっているので、森のなかを歩いてセーフティエリアに戻るのは難しいので戻る時も空を飛ぶのは必須になる。
夕方まで探して見つからず、セーフティエリアに戻るとサラサのいる班が発見していた。
翌日、空を飛んでその場所へ向かう。鬱蒼とした樹海で同じ場所を見つけるのは困難と判断したサラサと行動をともにしていたロニが周辺の木々を魔法で切り倒してくれていたお陰で苦労することなく見つけることができた。
思ったよりデカい……5メートルはある巨大な白い花。
こんなん石を投げなくても魔獣だとわかるわっ! と心のなかでツッコみを入れつつ慎重に動く。もしかしたら動物や魔獣、魔物を捕食するタイプだったら危険だ。用心深く近づいていく。
バフンっ──まずい! いきなり音に反応して踊り狂う花のオモチャに似た動きで花粉をばら撒かれた。
不意をつかれたので、全員が花粉を吸ってしまった。
──あれ? なんともない。
ホッとしたのも束の間、背後からいきなり羽交い絞めにされた。
「ねえ……」「シリカ」「俺はおまえが」
なになになに? レオナード皇子が私を羽交い絞めにしながら耳元でささやき、ロニとウェイクが私にゆっくりと近づいてくる。
周囲はオポトはただ突っ立っていて、ミラノとエマは互いに手を取り合いアツい視線で見つめ合っている。
もしかして、本心フラワーって花粉を浴びると自分の心に素直になったりする?
……って近い近い近いっ!?
3人の顔が私の顔に限りなく近づいてくる。ちょっ待って、
「ダメェェェ!」
サラサが3人を光魔法で私から引き離してくれた。ホッ、助かった……。
って、おーい。アンタもかい!
サラサに壁ドンならぬ木の幹ドンされた私、この世界でのファーストキス……向こうの世界もカウントするならセカンドキスを奪われてしまった。
う……柔らかい。甘い。口のなかが溶けそうなくらい気持ちいい……。ってヤバい!
慌ててサラサを引き離す。あっぶない。今のはマズい。何かに目覚めかけてしまった。
まったく……全員、植物系の魔法でグルグル巻きにして正気に戻るまで転がしておくことにした私はこのような事態を生じさせた元凶をスパッと風魔法で切ってやった。
イカン、消えてもうた。魔獣だから色見石になるのを忘れていた。しかたなくまだ空中に浮遊している花粉を風魔法で集めて小瓶のなかに納めることに成功した。
それにしても……。
おそらく私が本心フラワーの花粉を吸いこんでも幻覚症状に陥らなかったのは、精神抵抗値であるMNDがチート級に高かったからだと思うけど……。
それを言うなら、私より光の聖女であるサラサの方がMNDは高いのだが……。
──うん、深く考えるのはやめよう。
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