【完結】後輩の当真くんが、やけに可愛いんだが？

短編形式

【５５】お腹いっぱいなんだが？

「あー携番ケーバンゲットできなかったっすーーッ」
「ドンマイ、だが二度と俺たちを呼ぶなよ？」

　居酒屋を出て、二次会に行こうと必死に誘う瀬下を他所に女性陣はそそくさと帰っていった。

　隣町の駅横にあるガード下の隣で、瀬下がブツクサと不満を言うので、しょうがなく３人で屋台のラーメンを食べることになった。

「ボクお腹がいっぱいなので、餃子だけでお願いします」
「あいよー、お姉ちゃんは餃子単品で、ふたりはラーメンね」

　勝手に屋台の店主に決められたが、元からそのつもりなので文句は言うまい。ただ、この後の運動を考えると気が滅入ってくるが、今は考えないことにした。

「那珂川さん、真面目なこと言っていいっすか？」
「なに？」

　ラーメンを食べ終わったが、当真くんが餃子だけだが、食べるのに苦戦している。なんだったら俺が手伝ってもいいかなと考えながら眺めていると反対側の席にいた瀬下がシリアスな声で、俺に呼びかけた。

「那珂川さん、そんなにカッコいいのに彼女がいないって、おかしくないっすか？」

『ゾクッ』