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不帰迷宮
第24話
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「ブゥゥ~~~~~~ッ」
ニウの縦笛が鳴る。
笛を鳴らすことによって、周囲の精霊を操りやすくなるそうだ。
「水精よ、力を貸して」
ギリギリ間に合った。
透明な水の壁。
床板の前面に水の壁を張ったと同時に無数の槍魚が水壁に突き刺さる。
前回は後れを取ったが、すでに学習済みなので対策はバッチリ。
ニウの操霊術は複数のものを同時に行使できないのが弱点。
次第に水の壁が穴だらけになり、壊れてしまう。
ドドドッと石像が持っていた盾に身を潜め、槍の雨をやりすごす。
こんなこともあろうかと、石像が落とした盾も持ってきた。
盾は皮の盾だが2枚、重ねているので、耐久力は十分にある。
なんとか槍魚が襲ってくる場所を通過した。
「まったく……ヒヤヒヤしたぜ!」
四角い床板がようやく終点に到着して止まった。
隣にも軌道があり、少し遅れて緑小鬼が乗っていた荷車が到着した。
荷車の中を確認すると弓矢が残っていた。
おそらく戦闘の際、弓矢を落として荷車から落ちてしまったんだろう。
「素材は真銀か……結構、良いモン持ってんじゃねーか」
緑小鬼が残した弓矢は、かなりいい品だとジェイドが目利きした。
死んだ冒険者の遺品を緑小鬼が使っていたのだろうか?
ジェイドが、弓のしなり具合を確認しながら満足そうな顔をしている。
矢も束で残っていたので、さっそくジェイドが回収した。
彼は以前、ゲイドル火山の任務の時も弓矢を扱っていた。
その頃からジェイドが弓矢で的を外したところを見たことがない。
「印……だな」
本格的な迷宮が始まり、複雑に入り組んだ通路が広がっている。
地図が無いので、まったくもってどこにいるのか分からない。
だが、ジェイドは違った。
腕利きの斥候は頭の中に地図が描けると聞いたことがある。
頭の中で線と線が繋がり、平面や立体の地図になるという。
いくつかの分岐したところで、動物の骨を乗せた柱が立っていた。
ジェイドの見立てだと緑小鬼の巣があるという。
「この先は縄張りだろうが、食料が手に入る可能性がある」
危険だが、このままでは魔物にやられる前に飢え死にしてしまうかもしれない。
お腹の減り具合から、たぶん半日くらい経過したと思う。
「様子を見てくる。ここで少し待っていてくれ!」
そう言ってジェイドは緑小鬼の縄張りに入っていった。
だが、いつまでたっても帰ってこない……。
痺れを切らし、ふたりで緑小鬼の縄張りへと入っていった。
そこで驚きの光景を目撃した。
地上……ではない。
空には太陽の代わりにまぶしい光の球が浮いている。
通路から中に入ってすぐ側に麦の葉が生い茂り、中が見えない。
ニウとふたりで麦を分け入って、進んでいく。
明らかに道と呼べる場所に出た。
今、通ってきたところは畑なのだと思う。
その根拠は道の先に牧場になっていたから。
ただ、明らかに普通の牧場ではない。
なぜなら飼育されているのが、人間だから……。
首輪を嵌められ、鎖に繋げられている。
鎖は近くの岩に繋がっており、農作業をさせられていた。
緑小鬼がその作業を弓矢を持って見張っている。
たったの5匹。
この程度の数なら余裕で制圧できる。
緑小鬼達は狡猾だが、身体能力は人間の子どもくらいしかない。
飛び出して、近くにいた緑小鬼を剣で斬り捨てた。
「Gruk’um nar’gha!」
こちらに気がついた他の4匹が矢を射かけてくるが、問題なかった。
たいして速くない。
避けたり、長剣で斬り落として、近づき1匹ずつ片付ける。
「もう大丈夫です。今のうちに逃げてください!」
長剣で鎖を叩き切る。
「アヴ……ベェ……ラァ」
ここで大きな過ちを二つ犯したことを知った。
ひとつは、救い出したはずの人たちが言葉を理解していないこと。
怯えているだけで、逃げようともしない。
そしてもう一つは……。
「くそっ!」
緑小鬼の1匹が倒される前に鐘を鳴らしてしまった。
逃げない人達をどうしようか迷っているうちに魔物に囲まれてしまった。
麦畑側も包囲され、ニウがゆっくりと出てきた。
「Narg'uk Zog’rat kr’gha nar’gha!」
「ジェイド!?」
馬車ならぬ人間車……。
目隠しされた人間が6人、首輪で繋がれ、客車を引いている。
御者の緑小鬼に口輪と鞭で操られ、前に進んでいる。
その中にジェイドの姿があった。
人間車の客車部分に人間よりも体の大きな魔物が乗っている。
なにか喋っているように聞こえるが意味は理解できない。
肌は黒色で角が大きい。
客車のまわりを囲んでいるのは普通の魔物ではない。
赤い肌と青い肌の人間よりやや大きな魔物。
まるで、王を守る騎士のように振る舞っている。
「サオン……か? 俺に構わず逃げろ! あぐぁ」
「ジェイド! 今助けるから」
ジェイドが気が付き、口輪を吐いて警告してきた。
御者がそれに気づき、鞭でジェイドの背中を叩きつける。
助けるとは言ったものの、どうしよう?
数は100匹を超えている。
ただの緑小鬼だけならまだしも強そうな個体が厄介だ。
自分ひとりなら麦畑に飛び込んでしまえば逃げられる確率は高い。
だが、ニウを連れて無傷でここを切り抜けるのは不可能。
ましてやジェイドも捕らわれている。
ズドッと目の前に幅広剣が地面に突き刺さる。
客車の上から黒い魔物が投げて寄越してきた。
自分の手にある長剣は既に半分折れた状態。
この剣で戦えってことか?
ニウの縦笛が鳴る。
笛を鳴らすことによって、周囲の精霊を操りやすくなるそうだ。
「水精よ、力を貸して」
ギリギリ間に合った。
透明な水の壁。
床板の前面に水の壁を張ったと同時に無数の槍魚が水壁に突き刺さる。
前回は後れを取ったが、すでに学習済みなので対策はバッチリ。
ニウの操霊術は複数のものを同時に行使できないのが弱点。
次第に水の壁が穴だらけになり、壊れてしまう。
ドドドッと石像が持っていた盾に身を潜め、槍の雨をやりすごす。
こんなこともあろうかと、石像が落とした盾も持ってきた。
盾は皮の盾だが2枚、重ねているので、耐久力は十分にある。
なんとか槍魚が襲ってくる場所を通過した。
「まったく……ヒヤヒヤしたぜ!」
四角い床板がようやく終点に到着して止まった。
隣にも軌道があり、少し遅れて緑小鬼が乗っていた荷車が到着した。
荷車の中を確認すると弓矢が残っていた。
おそらく戦闘の際、弓矢を落として荷車から落ちてしまったんだろう。
「素材は真銀か……結構、良いモン持ってんじゃねーか」
緑小鬼が残した弓矢は、かなりいい品だとジェイドが目利きした。
死んだ冒険者の遺品を緑小鬼が使っていたのだろうか?
ジェイドが、弓のしなり具合を確認しながら満足そうな顔をしている。
矢も束で残っていたので、さっそくジェイドが回収した。
彼は以前、ゲイドル火山の任務の時も弓矢を扱っていた。
その頃からジェイドが弓矢で的を外したところを見たことがない。
「印……だな」
本格的な迷宮が始まり、複雑に入り組んだ通路が広がっている。
地図が無いので、まったくもってどこにいるのか分からない。
だが、ジェイドは違った。
腕利きの斥候は頭の中に地図が描けると聞いたことがある。
頭の中で線と線が繋がり、平面や立体の地図になるという。
いくつかの分岐したところで、動物の骨を乗せた柱が立っていた。
ジェイドの見立てだと緑小鬼の巣があるという。
「この先は縄張りだろうが、食料が手に入る可能性がある」
危険だが、このままでは魔物にやられる前に飢え死にしてしまうかもしれない。
お腹の減り具合から、たぶん半日くらい経過したと思う。
「様子を見てくる。ここで少し待っていてくれ!」
そう言ってジェイドは緑小鬼の縄張りに入っていった。
だが、いつまでたっても帰ってこない……。
痺れを切らし、ふたりで緑小鬼の縄張りへと入っていった。
そこで驚きの光景を目撃した。
地上……ではない。
空には太陽の代わりにまぶしい光の球が浮いている。
通路から中に入ってすぐ側に麦の葉が生い茂り、中が見えない。
ニウとふたりで麦を分け入って、進んでいく。
明らかに道と呼べる場所に出た。
今、通ってきたところは畑なのだと思う。
その根拠は道の先に牧場になっていたから。
ただ、明らかに普通の牧場ではない。
なぜなら飼育されているのが、人間だから……。
首輪を嵌められ、鎖に繋げられている。
鎖は近くの岩に繋がっており、農作業をさせられていた。
緑小鬼がその作業を弓矢を持って見張っている。
たったの5匹。
この程度の数なら余裕で制圧できる。
緑小鬼達は狡猾だが、身体能力は人間の子どもくらいしかない。
飛び出して、近くにいた緑小鬼を剣で斬り捨てた。
「Gruk’um nar’gha!」
こちらに気がついた他の4匹が矢を射かけてくるが、問題なかった。
たいして速くない。
避けたり、長剣で斬り落として、近づき1匹ずつ片付ける。
「もう大丈夫です。今のうちに逃げてください!」
長剣で鎖を叩き切る。
「アヴ……ベェ……ラァ」
ここで大きな過ちを二つ犯したことを知った。
ひとつは、救い出したはずの人たちが言葉を理解していないこと。
怯えているだけで、逃げようともしない。
そしてもう一つは……。
「くそっ!」
緑小鬼の1匹が倒される前に鐘を鳴らしてしまった。
逃げない人達をどうしようか迷っているうちに魔物に囲まれてしまった。
麦畑側も包囲され、ニウがゆっくりと出てきた。
「Narg'uk Zog’rat kr’gha nar’gha!」
「ジェイド!?」
馬車ならぬ人間車……。
目隠しされた人間が6人、首輪で繋がれ、客車を引いている。
御者の緑小鬼に口輪と鞭で操られ、前に進んでいる。
その中にジェイドの姿があった。
人間車の客車部分に人間よりも体の大きな魔物が乗っている。
なにか喋っているように聞こえるが意味は理解できない。
肌は黒色で角が大きい。
客車のまわりを囲んでいるのは普通の魔物ではない。
赤い肌と青い肌の人間よりやや大きな魔物。
まるで、王を守る騎士のように振る舞っている。
「サオン……か? 俺に構わず逃げろ! あぐぁ」
「ジェイド! 今助けるから」
ジェイドが気が付き、口輪を吐いて警告してきた。
御者がそれに気づき、鞭でジェイドの背中を叩きつける。
助けるとは言ったものの、どうしよう?
数は100匹を超えている。
ただの緑小鬼だけならまだしも強そうな個体が厄介だ。
自分ひとりなら麦畑に飛び込んでしまえば逃げられる確率は高い。
だが、ニウを連れて無傷でここを切り抜けるのは不可能。
ましてやジェイドも捕らわれている。
ズドッと目の前に幅広剣が地面に突き刺さる。
客車の上から黒い魔物が投げて寄越してきた。
自分の手にある長剣は既に半分折れた状態。
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