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小人族マカロニ編
Chapter 016 ちょっとリーダー?
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夕食を済ませ、装備の手入れをしていると、ロープと外套を組み合わせた二組の簡易ハンモックをマカロニが焚火の近くに設営してくれた。
夜の森は日中暑くても夜は意外と冷えるものなので、底冷え対策としてハンモックは適している。
やっぱり使える奴だな……。
見張りをヒルメイ、テラフ、マカロニの順で三交代にすることになり俺は先に床についた。
「……フさん、起きてください、テラフさん!」
ヒルメイに起こされ、交代の時間が来たことを思い出す。
ヒルメイは、夕方造った草木人形の二体は朝方まで、見張りとして残しているからゆっくりしてて大丈夫だよと俺に伝えて、入れ替わりでハンモックに潜った。
やっぱり夜は少し冷えるなぁ。
俺はマカロニがどこからか持ってきた生木じゃない水分の飛んだ木枝を焚火にくべながら少し身震いをした。
ヒルメイもそばで寝てるし……向こうに行くか……。
俺は小便のために少し離れたところに移動し、開放感に包まれていると。
「……ぁぁぁ……ぁ……」
若い女性のすすり泣くような声が微かに聞こえてきた。
俺はゆっくりと声のした方向に音を立てないように進み始める。
こんなところで女性の声が聞こえるなんて不自然だが、確認しないことには何とも言えない……。
周囲が少し霧がかってきたように感じる。
「誰か……私を助けて……」
途切れ途切れでどこか切なさそうな声が聞こえてきた。
進むにつれて霧がさらに濃くなってきており、先がはっきりとは見通せなくなってきている。
やがて、大きな大樹が見えてきた。
大樹の下に女性らしき姿の輪郭がぼやけて見え始め、さらに近づいてみると大樹の幹に若い女性が両手をあげる恰好のまま、両手に金属の杭が深々と刺さっているのが見えた。
両足は大樹の幹をぐるりと廻された随分と丈夫な鎖に繋がれている。
みると若い女性は薄く白いアンダードレスしか纏っておらず、滑らかな肢体の輪郭が露に見え、すらりと伸びた白い手足に豊麗に成熟した女性のツンとした胸が少し透けてみえる。
着ているアンダードレスは所々破け、肌が露わになっており、官能的な光景が俺の目の前に映しだされている。
『ゴクリッ』──無意識に唾を呑みこむ。
目の前の光景からどうしても目が外せない。
俺は、声が出せず意識が朦朧としはじめる……。
どうしようもなく抗い難い感情が心の底から衝き上がってくる。
どこか夢心地なまま、覚束ない足取りで女性にふらふらと近づいていく。
「どうか私を助けて……手が痛くて痛くて……杭を引き抜いて? お願い……」
テラフは言われた通りに、両手の手の平に突き刺さっている錆び付いた金属製の杭を力任せに引き抜いた。
手から黒い煙が噴き出し、女性は呻き苦しむも黒い煙の噴出が落ちついた時には、痛みが和らいだのか安堵の表情を浮かべ、次に目の前のテラフに向けて嫐る様な視線が滲み出る。
「有難うございます。助かりました」
若い女性はテラフを見定めるように全身を見渡しながら礼を述べる。
「あの、お礼がしたくて……あなたをこのまま『私のもの』にしていいかしら?」
両足に繋がれた鎖を引きちぎりながら女性は、魔性の笑みを浮かべながらテラフに問い掛けるがテラフの意識は、ほとんど喪失しているのか呆然とその場で立ち尽くしている。
「……テ~……ラ~~フゥゥーーッ、っとぉぉ!」
『ッツ、ドカァッ!』──いつの間にか、女性の下腹部が変形し蜘蛛の身体に変わっており、今まさに長く伸びた牙が喉元に届こうとした瞬間、マカロニジャンプキックが、横からテラフの側頭部を捉えて派手に吹き飛ばした。
「もう、テラフはお馬鹿だね~、ひとりでこんなとこ来ちゃだめだよ?」
目が覚めた。
助かった……。
だがしかし、アイツは後で絶対ぶん殴ってやる……。
みると、後方でヒルメイが周囲の妖精と交信し、魔法を発動させ霧を消し飛ばしているところだった。
マカロニは、すでに目の前の上半身が女性型の蜘蛛の魔物と戦闘を始めている。
俺はマカロニに加勢しようと立ち上がったが、すぐにできないことを悟った
マカロニと女性型の蜘蛛の魔物は「互いに糸を出し合い」木々に結んだ糸の上で戦闘を繰り広げており、糸から糸へと上下左右、縦横無尽に移動しつつマカロニの細剣がしなり瞬き、女性型の蜘蛛の魔物の長く伸びた爪が前面を切り裂いている。
力量はほぼ互角、見守るしかない自分に歯がゆさを感じる
俺が突っ立って傍観してる間にヒルメイは次の行動に移っていた。
周囲の妖精の力を借り、木々から蔦が伸び、女性型の蜘蛛の移動を妨害し追い詰める。
そこにすかさず、マカロニが追撃を掛け、蔦が蜘蛛を捕捉して動きを封じたところで、マカロニが上半身を切り裂き、女性型の蜘蛛は断末魔を上げ黒い塵となり霧散し、握り拳大の丸い紫色の石が地面に落ちて転がった。
「ヒルメイさん、ナイスサポート!」
マカロニが、ヒルメイに礼を言うと俺に向き直ると『やれやれ』という顔と手つきをした。
くっ、屈辱っ。
迷惑をかけた挙句、救出され、足手まといになるとは……。
俺は何も言えず、顔をうつむかせる。
「テラフ、戦いの方はしょうがないよ~、でもこんな所にひとりで来ちゃダメだよ?」
マカロニは戦闘の事ではなく、女性の声音にまんまと騙された俺の浅はかさに注意をしてくれている。
「魔物にもそれぞれ相性があるからねー、悔やんでもしょうがないよ~。気にしない、気にしない」
「あっ、でも私は、いやらしく不潔なテラフさんをこれからちょっと軽蔑しまーす」
マカロニの底抜けのおおらかさに少し心が軽くなったところで、ヒルメイの言葉で止めをさされた。
はい、すみません反省してます……。
夜の森は日中暑くても夜は意外と冷えるものなので、底冷え対策としてハンモックは適している。
やっぱり使える奴だな……。
見張りをヒルメイ、テラフ、マカロニの順で三交代にすることになり俺は先に床についた。
「……フさん、起きてください、テラフさん!」
ヒルメイに起こされ、交代の時間が来たことを思い出す。
ヒルメイは、夕方造った草木人形の二体は朝方まで、見張りとして残しているからゆっくりしてて大丈夫だよと俺に伝えて、入れ替わりでハンモックに潜った。
やっぱり夜は少し冷えるなぁ。
俺はマカロニがどこからか持ってきた生木じゃない水分の飛んだ木枝を焚火にくべながら少し身震いをした。
ヒルメイもそばで寝てるし……向こうに行くか……。
俺は小便のために少し離れたところに移動し、開放感に包まれていると。
「……ぁぁぁ……ぁ……」
若い女性のすすり泣くような声が微かに聞こえてきた。
俺はゆっくりと声のした方向に音を立てないように進み始める。
こんなところで女性の声が聞こえるなんて不自然だが、確認しないことには何とも言えない……。
周囲が少し霧がかってきたように感じる。
「誰か……私を助けて……」
途切れ途切れでどこか切なさそうな声が聞こえてきた。
進むにつれて霧がさらに濃くなってきており、先がはっきりとは見通せなくなってきている。
やがて、大きな大樹が見えてきた。
大樹の下に女性らしき姿の輪郭がぼやけて見え始め、さらに近づいてみると大樹の幹に若い女性が両手をあげる恰好のまま、両手に金属の杭が深々と刺さっているのが見えた。
両足は大樹の幹をぐるりと廻された随分と丈夫な鎖に繋がれている。
みると若い女性は薄く白いアンダードレスしか纏っておらず、滑らかな肢体の輪郭が露に見え、すらりと伸びた白い手足に豊麗に成熟した女性のツンとした胸が少し透けてみえる。
着ているアンダードレスは所々破け、肌が露わになっており、官能的な光景が俺の目の前に映しだされている。
『ゴクリッ』──無意識に唾を呑みこむ。
目の前の光景からどうしても目が外せない。
俺は、声が出せず意識が朦朧としはじめる……。
どうしようもなく抗い難い感情が心の底から衝き上がってくる。
どこか夢心地なまま、覚束ない足取りで女性にふらふらと近づいていく。
「どうか私を助けて……手が痛くて痛くて……杭を引き抜いて? お願い……」
テラフは言われた通りに、両手の手の平に突き刺さっている錆び付いた金属製の杭を力任せに引き抜いた。
手から黒い煙が噴き出し、女性は呻き苦しむも黒い煙の噴出が落ちついた時には、痛みが和らいだのか安堵の表情を浮かべ、次に目の前のテラフに向けて嫐る様な視線が滲み出る。
「有難うございます。助かりました」
若い女性はテラフを見定めるように全身を見渡しながら礼を述べる。
「あの、お礼がしたくて……あなたをこのまま『私のもの』にしていいかしら?」
両足に繋がれた鎖を引きちぎりながら女性は、魔性の笑みを浮かべながらテラフに問い掛けるがテラフの意識は、ほとんど喪失しているのか呆然とその場で立ち尽くしている。
「……テ~……ラ~~フゥゥーーッ、っとぉぉ!」
『ッツ、ドカァッ!』──いつの間にか、女性の下腹部が変形し蜘蛛の身体に変わっており、今まさに長く伸びた牙が喉元に届こうとした瞬間、マカロニジャンプキックが、横からテラフの側頭部を捉えて派手に吹き飛ばした。
「もう、テラフはお馬鹿だね~、ひとりでこんなとこ来ちゃだめだよ?」
目が覚めた。
助かった……。
だがしかし、アイツは後で絶対ぶん殴ってやる……。
みると、後方でヒルメイが周囲の妖精と交信し、魔法を発動させ霧を消し飛ばしているところだった。
マカロニは、すでに目の前の上半身が女性型の蜘蛛の魔物と戦闘を始めている。
俺はマカロニに加勢しようと立ち上がったが、すぐにできないことを悟った
マカロニと女性型の蜘蛛の魔物は「互いに糸を出し合い」木々に結んだ糸の上で戦闘を繰り広げており、糸から糸へと上下左右、縦横無尽に移動しつつマカロニの細剣がしなり瞬き、女性型の蜘蛛の魔物の長く伸びた爪が前面を切り裂いている。
力量はほぼ互角、見守るしかない自分に歯がゆさを感じる
俺が突っ立って傍観してる間にヒルメイは次の行動に移っていた。
周囲の妖精の力を借り、木々から蔦が伸び、女性型の蜘蛛の移動を妨害し追い詰める。
そこにすかさず、マカロニが追撃を掛け、蔦が蜘蛛を捕捉して動きを封じたところで、マカロニが上半身を切り裂き、女性型の蜘蛛は断末魔を上げ黒い塵となり霧散し、握り拳大の丸い紫色の石が地面に落ちて転がった。
「ヒルメイさん、ナイスサポート!」
マカロニが、ヒルメイに礼を言うと俺に向き直ると『やれやれ』という顔と手つきをした。
くっ、屈辱っ。
迷惑をかけた挙句、救出され、足手まといになるとは……。
俺は何も言えず、顔をうつむかせる。
「テラフ、戦いの方はしょうがないよ~、でもこんな所にひとりで来ちゃダメだよ?」
マカロニは戦闘の事ではなく、女性の声音にまんまと騙された俺の浅はかさに注意をしてくれている。
「魔物にもそれぞれ相性があるからねー、悔やんでもしょうがないよ~。気にしない、気にしない」
「あっ、でも私は、いやらしく不潔なテラフさんをこれからちょっと軽蔑しまーす」
マカロニの底抜けのおおらかさに少し心が軽くなったところで、ヒルメイの言葉で止めをさされた。
はい、すみません反省してます……。
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