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✜36 影の部隊
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さて、と……。
そろそろ例の侵略者……サーバー「S016」の人たちをボコボコにしてこようかな?
残り時間は、あと1日と5時間弱ってところ。
もうね、たぶんその気になれば簡単に制圧できると思うんだよね? 攻めてきた時に彼らの能力値を見たのでだいたいの戦力は把握できている。
ステータスは個人差はあるが、こちらの世界の上級冒険者相当の能力値くらい。ただ一人ひとりの動きがとてもいいので、能力値がほぼ互角だとダンジョン島の冒険者はあっさりと敗れ去るほど対人戦に特化している。
数も限られている。最初32人いたらしいが、今は25人に減っている。ゲームのような原理で出来ているので、デスペナの類で一度、このサーバー対抗戦が始まると、復活……死に戻りはできなくなっているのかもしれない。
どうしようかな? ゴーレムとガーゴイルを大量に送り込んで、数の暴力を見せてもいいし、自分やヤコ、シュリが直接、圧倒的なステータス差による蹂躙を味わせてやってもいい。
でも、せっかくだから、筋肉に物を言わせてみるか。
✜
「おはようセバスチャン、トニーもご機嫌そうで良かったマッチョ」
「なんだアイツ?」
まあ確かにそうなるよな。そんな変なヤツが目の前に現れたら、警戒するより呆気に取られるよ、そりゃ……。
空間干渉ってすごく便利だった。ダンジョン島から沖合に浮かぶ門を超えて、異空間「S016」の島へと上陸した。すばやく岩陰に隠れたので、まだ前方の入江そばにある砦の連中には気づかれていない。
ここで、マッチョ鈴木をランプから喚び出し、あの砦を筋肉でなんとかするように話したら「了解しマッチョ」とひと言返事をして、岩陰から出たと思ったら、そのままスタスタと砦の方へ歩いて行ってしまった。
砦の防壁のすぐそばまで到着したマッチョ鈴木は、自分の右と左の上腕二頭筋と会話をしている。いや、返事しないだろ!? と心の中でツッコミを入れておく。
「おい、そこの怪しいケンタウロス。壁から離れろ」
唖然としていたが、さすがにおかしいと気が付いたか、砦の上から見張りが警告をした。
「魅せるマッチョは強くない? ノンノン……」
「なに言ってるんだコイツ……いいから後ろに下がれ!」
「すべてのマッチョに幸あれぇぇぇ!」
前にやってた右のマッチョ、左のマッチョっていう呪文みたいなのを唱えていたけど、要らないのかな? ぜんぜん違うことを叫びながら、ただの右ストレートで砦を殴った。
爆発して消えたね。それはもう跡形もなく……。
マッチョ鈴木って、筋肉しか無いけど、筋肉って偉大なんだ。本当に筋肉は世界を救えるのかもしれない。
はっ、ダメだ! 危うく筋肉に洗脳されるところだった。筋肉は所詮、筋肉でしかない。筋肉に怠惰は大敵。常に脂肪という魔の手に脅かされ、一生、戦い続けなければならない。
やっぱりバランスの取れたカラダが一番。運動は適度にやるくらいじゃないと長続きしない。
この筋肉の塊……マッチョ鈴木っていったい何者なんだろうね? マッチョ切れさえ起こさなければ暴走したエンシェントドラゴンにも勝てそうだけど。
その後予想通り、勝手に帰っていったが別にいい。自分達のダンジョン島で派手に魔法をぶっ放されたお返しはできた。ここからは自分で直接叩く。
───────────────
サーバー「S016」の吸収状況 38%
プレイヤー数:18/32
達成条件:全プレイヤーの殲滅および全拠点の吸収
制限時間:1日4時間48分05秒
───────────────
先ほどまであった砦って結構、大事なところだったんだろうな、吸収状況が一気に30パーセント以上も増えた。
ぞろぞろと自分達の出迎えがやってきた。ゴーレム、アンデッド、スケルトン、木の人形みたいなのもいる。それと操られている系の魔物が数種類混じっている。狼、角の生えたウサギ、背中にトゲがある熊やキノコの変な魔物など多彩だ。
まあ別になにが来ても構わない。全部まとめて大量のゴーレムとガーゴイルを生成して蹴散らしていく。
こちらのゴーレムやガーゴイルのトータルステータスは自分の知性999を割り振った値なので、合計ステが200にも満たない相手なんて話にならない。数を若干抑えても、こちらのゴーレムたちが無双して戦線を大きく押し込んでいる。
お、なんだあれ?
奥の方から、銃弾やミサイルのようなものが飛んできて、ゴーレムたちの進撃にブレーキをかけた。一番後ろで戦況を眺めていた自分のところまで1発ミサイルが飛んできたが、ピコンが結界で防いでくれた。
「なかなかやるじゃねぇか、だが俺様のシャドウ・レギオンには歯が立つまい」
プレイヤーのひとりが先の方で腕を組んでいる。その周りには真っ黒な姿の兵士たちがいるが人ではない。何かの能力かな? ひとりで相手をしようと考えているあたり、かなり自信がありそう。
どれどれステータスはどうなっている?
───────────────
名前 ダイハチロウ
年齢 23
種族 魔族
生命力 65
魔力 177
筋力 38
敏捷性 58
知性 148
精神力 73
器用さ 38
スタミナ 35
幸運 6
キル数 25
タワーディフェンスモード
能力:シャドウ・レギオン
自身の影を「部隊」に変換する
戦車、歩兵、砲撃兵、狙撃兵の4種類
部隊を作り出すためには、光が必要
部隊は物理的なダメージを受けると消滅する
───────────────
「ダイハチロウって本名?」
「うるせー、親から貰った名だ!」
「それはスマン」
そこは本当に余計だった。素直に謝ろう。だが、今は戦闘中、名前の件以外は容赦をしない。
「シュリ」
「はい」
すでにスタンバイしていたシュリが頭上に巨大な火球を数個浮かべていて、ダイハチロウ諸共、影の部隊を吹き飛ばした。
そろそろ例の侵略者……サーバー「S016」の人たちをボコボコにしてこようかな?
残り時間は、あと1日と5時間弱ってところ。
もうね、たぶんその気になれば簡単に制圧できると思うんだよね? 攻めてきた時に彼らの能力値を見たのでだいたいの戦力は把握できている。
ステータスは個人差はあるが、こちらの世界の上級冒険者相当の能力値くらい。ただ一人ひとりの動きがとてもいいので、能力値がほぼ互角だとダンジョン島の冒険者はあっさりと敗れ去るほど対人戦に特化している。
数も限られている。最初32人いたらしいが、今は25人に減っている。ゲームのような原理で出来ているので、デスペナの類で一度、このサーバー対抗戦が始まると、復活……死に戻りはできなくなっているのかもしれない。
どうしようかな? ゴーレムとガーゴイルを大量に送り込んで、数の暴力を見せてもいいし、自分やヤコ、シュリが直接、圧倒的なステータス差による蹂躙を味わせてやってもいい。
でも、せっかくだから、筋肉に物を言わせてみるか。
✜
「おはようセバスチャン、トニーもご機嫌そうで良かったマッチョ」
「なんだアイツ?」
まあ確かにそうなるよな。そんな変なヤツが目の前に現れたら、警戒するより呆気に取られるよ、そりゃ……。
空間干渉ってすごく便利だった。ダンジョン島から沖合に浮かぶ門を超えて、異空間「S016」の島へと上陸した。すばやく岩陰に隠れたので、まだ前方の入江そばにある砦の連中には気づかれていない。
ここで、マッチョ鈴木をランプから喚び出し、あの砦を筋肉でなんとかするように話したら「了解しマッチョ」とひと言返事をして、岩陰から出たと思ったら、そのままスタスタと砦の方へ歩いて行ってしまった。
砦の防壁のすぐそばまで到着したマッチョ鈴木は、自分の右と左の上腕二頭筋と会話をしている。いや、返事しないだろ!? と心の中でツッコミを入れておく。
「おい、そこの怪しいケンタウロス。壁から離れろ」
唖然としていたが、さすがにおかしいと気が付いたか、砦の上から見張りが警告をした。
「魅せるマッチョは強くない? ノンノン……」
「なに言ってるんだコイツ……いいから後ろに下がれ!」
「すべてのマッチョに幸あれぇぇぇ!」
前にやってた右のマッチョ、左のマッチョっていう呪文みたいなのを唱えていたけど、要らないのかな? ぜんぜん違うことを叫びながら、ただの右ストレートで砦を殴った。
爆発して消えたね。それはもう跡形もなく……。
マッチョ鈴木って、筋肉しか無いけど、筋肉って偉大なんだ。本当に筋肉は世界を救えるのかもしれない。
はっ、ダメだ! 危うく筋肉に洗脳されるところだった。筋肉は所詮、筋肉でしかない。筋肉に怠惰は大敵。常に脂肪という魔の手に脅かされ、一生、戦い続けなければならない。
やっぱりバランスの取れたカラダが一番。運動は適度にやるくらいじゃないと長続きしない。
この筋肉の塊……マッチョ鈴木っていったい何者なんだろうね? マッチョ切れさえ起こさなければ暴走したエンシェントドラゴンにも勝てそうだけど。
その後予想通り、勝手に帰っていったが別にいい。自分達のダンジョン島で派手に魔法をぶっ放されたお返しはできた。ここからは自分で直接叩く。
───────────────
サーバー「S016」の吸収状況 38%
プレイヤー数:18/32
達成条件:全プレイヤーの殲滅および全拠点の吸収
制限時間:1日4時間48分05秒
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先ほどまであった砦って結構、大事なところだったんだろうな、吸収状況が一気に30パーセント以上も増えた。
ぞろぞろと自分達の出迎えがやってきた。ゴーレム、アンデッド、スケルトン、木の人形みたいなのもいる。それと操られている系の魔物が数種類混じっている。狼、角の生えたウサギ、背中にトゲがある熊やキノコの変な魔物など多彩だ。
まあ別になにが来ても構わない。全部まとめて大量のゴーレムとガーゴイルを生成して蹴散らしていく。
こちらのゴーレムやガーゴイルのトータルステータスは自分の知性999を割り振った値なので、合計ステが200にも満たない相手なんて話にならない。数を若干抑えても、こちらのゴーレムたちが無双して戦線を大きく押し込んでいる。
お、なんだあれ?
奥の方から、銃弾やミサイルのようなものが飛んできて、ゴーレムたちの進撃にブレーキをかけた。一番後ろで戦況を眺めていた自分のところまで1発ミサイルが飛んできたが、ピコンが結界で防いでくれた。
「なかなかやるじゃねぇか、だが俺様のシャドウ・レギオンには歯が立つまい」
プレイヤーのひとりが先の方で腕を組んでいる。その周りには真っ黒な姿の兵士たちがいるが人ではない。何かの能力かな? ひとりで相手をしようと考えているあたり、かなり自信がありそう。
どれどれステータスはどうなっている?
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名前 ダイハチロウ
年齢 23
種族 魔族
生命力 65
魔力 177
筋力 38
敏捷性 58
知性 148
精神力 73
器用さ 38
スタミナ 35
幸運 6
キル数 25
タワーディフェンスモード
能力:シャドウ・レギオン
自身の影を「部隊」に変換する
戦車、歩兵、砲撃兵、狙撃兵の4種類
部隊を作り出すためには、光が必要
部隊は物理的なダメージを受けると消滅する
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「ダイハチロウって本名?」
「うるせー、親から貰った名だ!」
「それはスマン」
そこは本当に余計だった。素直に謝ろう。だが、今は戦闘中、名前の件以外は容赦をしない。
「シュリ」
「はい」
すでにスタンバイしていたシュリが頭上に巨大な火球を数個浮かべていて、ダイハチロウ諸共、影の部隊を吹き飛ばした。
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