32 / 49
✜32 マッチョ降臨!
しおりを挟む
創造ポイントの消費が10倍の100ポイントになった。
知性と幸運の上限は変わっていなかったので、筋力、敏捷性、器用さ、スタミナをMAXになるまでエンターキーを連打した。それでもエンシェントドラゴンと比べると話にならない。だけど少なくとも人族の限界を突破した自分の動きは、倍以上に速くなったので、エンシェントドラゴンの攻撃のバリエーションの中で最速の尻尾攻撃以外は、まったくもらわないほど高速で移動できるようになった。
エンシェントドラゴンの注意を逸らそうと、戦闘用ゴーレムとガーゴイルを5体ずつ生成した。あくまで多少の嫌がらせ程度で考えていたが、先ほどすぐにブレスに捕まり、消失したガーゴイルが5体とも意外な粘りを見せている。それと地上にいるゴーレムも簡単には壊れなくなっていた。
それぞれステータスのところに「硬化」と「高速フリッカー」と追記されていた。ゴーレムの硬化は文字通り硬くなる効果があり、もはや岩というより、この異世界に存在する最硬金剛石並みの硬さかもしれない。高速フリッカーというのは、視覚に入ってくる情報量のことで、フリッカー速度……正しくはフリッカー融合頻度が高ければ高いほど、目の前で動く人や物体がゆっくり見えてくるというもの。
ドラゴンは今、まさにハエのように動き回るガーゴイルと、叩いても踏みつけても壊れないゴーレムに戸惑っていることだろう。
身体能力が大幅に向上したので、攻撃にも余裕が生まれた。だけど、古龍の隙をつくことができない。どうしようかと悩んでいる時に頭のなかで、声が聞こえた。
「難儀しておるようじゃの?」
この声はサクラ? なんだろ……今、忙しいんだけど?
「いいことを教えてやろうと思うてな」
いいこと? うーんそう言われると気になる……。
「魔法のランプはどうしたのじゃ?」
魔法のランプ……あー、例のマッチョを語尾につけている魔人みたいなのが入っているランプのこと? あのランプならシュリに渡してある。
「マッチョ鈴木は、エンシェントドラゴンとの相性が良いと思うぞ」
ホント? じゃあ試してみるか……シュリへ大きな声でランプを求めた。
「貸しな、アタイが渡してやる」
ヤコがシュリからランプを受け取り、思いきり振り上げてこちらへ投げた。凄い速度で直線軌道の高速ストレートのランプを何とかキャッチした。
マッチョ鈴木……魔法は使えないが、たしか筋肉ですべて解決するとか、説明書に記されていたような気がする。本当に使えるのかな?
まあ、結果はどうなるかわからないけど、とりあえずランプを擦ってみる。
「お呼びですか、ご主人さマッチョ。モグモグッ」
食事中だったんだ。左手には鳥のささみ。右手にはプロテインドリンクを持っている。
「ふむ、わかりマッチョ。あのドラゴンの隙を作ればいいマッチョね?」
まあ、そうだけど。その語尾、無理やり過ぎん? 食事を終えて、プロテインドリンクも一瞬で飲み干した後、マッチョ鈴木が自分の役目を確認した。
おっと……そうこうしているうちにドラゴンの炎のブレスが目の前に迫ってきた。
え、消えた? 一瞬でマッチョ鈴木の姿を見失った。
「ミーはここマッチョよ」
いつの間にか、溶岩湖がある大空洞の天井に張り付いてるマッチョ鈴木がいた。
「右腕マッチョ~~、左腕マッチョ~~。ふたつ合わせて~~、マッチョパーンチ!?」
いやいや、ただ右手で殴ってるだけじゃん? 左腕のマッチョ……じゃなくて左腕は関係なくない?
っていうか、威力がエグい!? ドラゴンが初めてうつ伏せに地へ伏せた。
「……からのぉぉぉ、マッチョスープレックス!?」
マジか……ドラゴンの背中を抱えて、まさかのスープレックスを決めてしまった。ってか、質量と力のバランスはどこに行った? いや、自分はそもそもいったい何を見せられている?
おっと、ツッコミを入れている場合じゃなかった……。ドラゴンの弱点がある喉仏の部分に1点集中攻撃を仕掛ける。狙いは喉仏あたりの奥にある火炎袋。
右手に持つ金剛杵に力を込めて思いっきり放り投げた。
手から離れた瞬間……音の壁を割って、金剛杵の槍がドラゴンの喉元へ突き刺さった、かに見えた……。
惜しい! 多分、鱗に多少の亀裂は入ったと思うけど、貫くことはできなかった、もう一度試せば貫けるんじゃないだろうか?
「ゴァァァァァァッ!」
ドラゴンの長い咆哮……何かを呼んでいる?
「ふぅ、マッチョ切れになったマッチョ、次のご利用は1日後にお願いするマッチョ」
そうか、マッチョ切れになったんだったら仕方ない……。って、マッチョ切れってなんやねんッ!? とノリツッコミしたところで、マッチョ鈴木はランプの中へと帰っていった。
マッチョ鈴木がいなくなった大空洞では、左手の通路から大量のリザードマンが、この溶岩湖の広間に雪崩れ込んできた。
「雑魚はアタイに任せな!」
リザードマンのところにヤコが飛ぶように移動していく。リザードマンの群れと衝突すると、見る見るうちにリザードマンがヤコの手により駆逐されていく様が見えた。向こうはヤコに任せておけば大丈夫だと思う。
知性と幸運の上限は変わっていなかったので、筋力、敏捷性、器用さ、スタミナをMAXになるまでエンターキーを連打した。それでもエンシェントドラゴンと比べると話にならない。だけど少なくとも人族の限界を突破した自分の動きは、倍以上に速くなったので、エンシェントドラゴンの攻撃のバリエーションの中で最速の尻尾攻撃以外は、まったくもらわないほど高速で移動できるようになった。
エンシェントドラゴンの注意を逸らそうと、戦闘用ゴーレムとガーゴイルを5体ずつ生成した。あくまで多少の嫌がらせ程度で考えていたが、先ほどすぐにブレスに捕まり、消失したガーゴイルが5体とも意外な粘りを見せている。それと地上にいるゴーレムも簡単には壊れなくなっていた。
それぞれステータスのところに「硬化」と「高速フリッカー」と追記されていた。ゴーレムの硬化は文字通り硬くなる効果があり、もはや岩というより、この異世界に存在する最硬金剛石並みの硬さかもしれない。高速フリッカーというのは、視覚に入ってくる情報量のことで、フリッカー速度……正しくはフリッカー融合頻度が高ければ高いほど、目の前で動く人や物体がゆっくり見えてくるというもの。
ドラゴンは今、まさにハエのように動き回るガーゴイルと、叩いても踏みつけても壊れないゴーレムに戸惑っていることだろう。
身体能力が大幅に向上したので、攻撃にも余裕が生まれた。だけど、古龍の隙をつくことができない。どうしようかと悩んでいる時に頭のなかで、声が聞こえた。
「難儀しておるようじゃの?」
この声はサクラ? なんだろ……今、忙しいんだけど?
「いいことを教えてやろうと思うてな」
いいこと? うーんそう言われると気になる……。
「魔法のランプはどうしたのじゃ?」
魔法のランプ……あー、例のマッチョを語尾につけている魔人みたいなのが入っているランプのこと? あのランプならシュリに渡してある。
「マッチョ鈴木は、エンシェントドラゴンとの相性が良いと思うぞ」
ホント? じゃあ試してみるか……シュリへ大きな声でランプを求めた。
「貸しな、アタイが渡してやる」
ヤコがシュリからランプを受け取り、思いきり振り上げてこちらへ投げた。凄い速度で直線軌道の高速ストレートのランプを何とかキャッチした。
マッチョ鈴木……魔法は使えないが、たしか筋肉ですべて解決するとか、説明書に記されていたような気がする。本当に使えるのかな?
まあ、結果はどうなるかわからないけど、とりあえずランプを擦ってみる。
「お呼びですか、ご主人さマッチョ。モグモグッ」
食事中だったんだ。左手には鳥のささみ。右手にはプロテインドリンクを持っている。
「ふむ、わかりマッチョ。あのドラゴンの隙を作ればいいマッチョね?」
まあ、そうだけど。その語尾、無理やり過ぎん? 食事を終えて、プロテインドリンクも一瞬で飲み干した後、マッチョ鈴木が自分の役目を確認した。
おっと……そうこうしているうちにドラゴンの炎のブレスが目の前に迫ってきた。
え、消えた? 一瞬でマッチョ鈴木の姿を見失った。
「ミーはここマッチョよ」
いつの間にか、溶岩湖がある大空洞の天井に張り付いてるマッチョ鈴木がいた。
「右腕マッチョ~~、左腕マッチョ~~。ふたつ合わせて~~、マッチョパーンチ!?」
いやいや、ただ右手で殴ってるだけじゃん? 左腕のマッチョ……じゃなくて左腕は関係なくない?
っていうか、威力がエグい!? ドラゴンが初めてうつ伏せに地へ伏せた。
「……からのぉぉぉ、マッチョスープレックス!?」
マジか……ドラゴンの背中を抱えて、まさかのスープレックスを決めてしまった。ってか、質量と力のバランスはどこに行った? いや、自分はそもそもいったい何を見せられている?
おっと、ツッコミを入れている場合じゃなかった……。ドラゴンの弱点がある喉仏の部分に1点集中攻撃を仕掛ける。狙いは喉仏あたりの奥にある火炎袋。
右手に持つ金剛杵に力を込めて思いっきり放り投げた。
手から離れた瞬間……音の壁を割って、金剛杵の槍がドラゴンの喉元へ突き刺さった、かに見えた……。
惜しい! 多分、鱗に多少の亀裂は入ったと思うけど、貫くことはできなかった、もう一度試せば貫けるんじゃないだろうか?
「ゴァァァァァァッ!」
ドラゴンの長い咆哮……何かを呼んでいる?
「ふぅ、マッチョ切れになったマッチョ、次のご利用は1日後にお願いするマッチョ」
そうか、マッチョ切れになったんだったら仕方ない……。って、マッチョ切れってなんやねんッ!? とノリツッコミしたところで、マッチョ鈴木はランプの中へと帰っていった。
マッチョ鈴木がいなくなった大空洞では、左手の通路から大量のリザードマンが、この溶岩湖の広間に雪崩れ込んできた。
「雑魚はアタイに任せな!」
リザードマンのところにヤコが飛ぶように移動していく。リザードマンの群れと衝突すると、見る見るうちにリザードマンがヤコの手により駆逐されていく様が見えた。向こうはヤコに任せておけば大丈夫だと思う。
43
お気に入りに追加
502
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる