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✜17 冒険者ギルド設立

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 優しく人当たりの良さそうなスカウトの男が闇ギルドのメンバーとはね……。人間は見た目通りだと思っていたのに意外だった。

 冒険者の街でも数人ほど「殺人者」ってステータスウインドウに書いてあったひとがいた。殺人者の言葉の横には何人殺したか数字で表示されていて目の前のこの男は殺人者28って出ている。

 話しかけてきたので、こちらも聞きたいこともあったので会話に応じていたら、増援が10人以上やってきた。時間稼ぎだったのか……。まあ自分はいいとしても、街のNPCやヤコ、シュリ、あと宿屋に宿泊中の戦士と魔法使いの男女に危害が及んではいけないので、早めに処理・・するため、前のゴーレムを製作を始めた。

 ───────────────
 名前戦 185─225号機
 年齢         0年
 種族       ゴーレム  
 生命力       110
 筋力         56 
 敏捷性        28 
 知性            ─
 精神力           ─
 器用さ        31
 スタミナ       38
 幸運          ─
 ───────────────

 連中の平均ステータスは50を超えているので、ステータス的にはゴーレムが低いが倍くらいの数を作った。数の差で圧倒しようとしたが、いざ戦いが始まると相手はずいぶんと戦闘慣れしていて、ゴーレムの数が徐々に減り始める。

「ぐはぁ!」

 こちらのゴーレムが10体くらい壊されたところで、相手をようやく1人倒した。って、待てよ。創造ポイントが1,000ポイント近く増えた。

 これって、もしかして……。襲撃者を「敵」と認識して改めて彼らのステータスを見ると、下の方に経験値が新たに表示されていた。やっぱり、普通の魔物と比べると経験値が凄く多い。

 ──戦意を挫いて追い払うだけのつもりだったけど。

 自分のステータス「知性」を100伸ばして、もう一度ゴーレムを生成する。

 ───────────────
 名前 戦226─256号機
 年齢         0年
 種族       ゴーレム  
 生命力       130
 筋力         76 
 敏捷性        48 
 知性            ─
 精神力           ─
 器用さ        51
 スタミナ       58
 幸運          ─
 ───────────────

「ひ、ひぃ……!」

 さすがに刺激が強すぎたかな? 襲撃者の一部の足が止まった。先ほどから術者を倒そうと集中砲火を自分に加えているが、生命力が無限大なので逆にその分、他のゴーレムが自由に動けるので、うまくいっていたが、追加のゴーレムを見て、恐れをなしたみたい。

 結局、半分くらいは倒せたが、残りは逃げられてしまった。でも大丈夫。襲撃者を全員倒すか、ゴーレムたちが全部破壊されるか、のどちらかになるまで地の果てまで追うようコマンドでゴーレムへ指示を与えた。これで彼らは一生、ゴーレムの追っ手に怯えながら暮らすだろう。

 翌日、周辺の拠点化とダンジョンをクリアするため、早起きして準備をしていると戦士風の男と魔法使いの女性が川のそばにある自分の家へやってきた。

「ああ、その人なら昨日、ひとりで冒険者の街へ帰りましたよ」
「アイツ、ふざけやがって、俺たちだけでは帰れないっつーの」

 スカウト風の男がふたりをここまで連れてきたらしく、マッピング技術や方向感覚が乏しいので、帰れないと愚痴をこぼし始めた。

 まあ、本当の話をしてもよかったけど、自分が直接手を下したわけではないが、非合法の闇組織の一員とはいえ冒険者殺しだと思われてしまうため、少し嘘をついた。

「俺はテリヤキ、こっちはフィオレだ」
「アラタです」

 互いに自己紹介をしていなかったので、名乗り合った後、戦士風の男、テリヤキから相談を受けた。

「この街を拠点にしたいんだが、アンタの許可を取ってくれって街の人たちが口を揃えて言われたんだが、ちょっと気味悪くないか?」
「ああ、彼らは人間じゃないから」
「え? それってどういう……」

 事情を話した。NPCは魔法のようなもので作られた人造人間のようなものだと。魔法使いのフィオレは「そんな……こんな高度な魔法をひとりの人間が短期間で構築するには膨大な魔力と稀少な品物が山のように必要かつ魔法構造を細部まで知り尽くしていないと……」と延々とブツブツと何かつぶやいている。

「いいよ、でも条件付きだけど」
「そうか! ……で、条件って?」
「このクリエの街のギルドマスターと副ギルドマスターになってくれるなら」

 街道が完成するまではほとんど冒険者は来ないはずなので、それまでは好きに冒険したらいいと説明した。冒険者ギルドの建物もすでに準備してあったので、その場所へ案内する。

 冒険者のギルドの受付役の女性2人のNPCへ命令を加える。コマンドを【冒険者テリヤキとフィオレの命令を聞くこと】と入力した。ただ、上位権限はこちらにあるので、なにか問題が生じても大丈夫。

 あとは2階にいる本来ギルドマスター役のNPCをテリヤキとフィオレが不在の時に代理が務まるようフィオレと同じ副マスターへ書き換えておいた。

「2階に空きの寝室が2つあるからそこを寝所として使っていいよ」
「そうか、そりゃ助かるぜ」
「じゃあ、そろそろ出かけるので」
「ちょっと待った。どこへ行くんだ?」
「ああ、近くのダンジョンをクリアしてこようかと」
「そうか、俺たちもついて行っていいか?」

 そうか、なるほど。そういえば2人だけだと道がわからなくて迷子になるんだっけ? ただ、正直、彼らは奴隷化なんて嫌がるだろうし、一緒に行ってもステータスを上げられないし、彼らを守るのにひと手間増えてしまうので、互いにメリットがない。それなら……。

「一緒には行けないけど」

 ひと言前置きして、代わりに案内人シェルパというダンジョンやこの辺りを案内してくれるNPCを作った。この案内人は自分が経験した経路の他、放浪中の戦闘ゴーレムたちが移動した軌跡もマッピング情報として記憶されているので、かなり頼りになるはず。

 あと単純な戦力として、戦闘用ゴーレムを3体作って預けた。

 ゴーレムが稼いだ経験値は結局、自分の創造ポイントに還元されるシステムなので、彼らがどこかのダンジョンに潜るのなら、かなりの見返りが期待できる。




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