ダンジョン島へようこそ! 創造スキル持ちの転生者、ダンジョン島を改造し、ほのぼのライフを満喫したい! 

あ・まん@田中子樹

文字の大きさ
上 下
5 / 49

✜05 試練

しおりを挟む
「能力ですか? アラタ様にお任せします」

 大量の経験値が入ったので、割り振りポイントというものが増えた。これをステータスに振っていけるみたい。自分は999も創造ポイントが入ったが、シュリには9ポイントしか入っていない。

 試しに筋力を1伸ばしてみる。すると割り振りポイントが1減った。結局、筋力、敏捷性、スタミナに3ずつ割り振った。ちなみに幸運が1しかなかったので少し振ろうとしたが、エラーと表示された。原因として考えられるのは呪いを受けているからかもしれない。

 続いて、自分のステータスを伸ばす。
 低ステに一律10増やした。ただ幸運がステを1増やすのに50ポイントも創造ポイントを消費したので、5だけ伸ばすことにした。創造ポイントは食料や飲み物確保のために必要だし、今後、大量のポイントを使う場面に遭遇するかもしれない。なので少し余裕を持つ。

 今まで使っていた葉っぱで包んで腰に巻くのも金貨なので落としたらもったいないので小ぶりの背負うリュックを作った。これぐらいならシュリでも楽々と運べるはず。彼女に背負ってもらい、今後、荷物はその中に収納していくと決めた。

 当初の計画通り、川のあるゴブリンの集落へ行き、川で風呂に入る予定。

 数日前にこの集落へ訪れた際、管理下においたゴブリンにお願いして膝下くらいの浅いところへ目隠しのある浴場を造るようお願いしていた。不格好ながら頑張ってくれたらしく、それっっぽいのが完成していた。浴場と言っても、足場を掘って石を積み上げで固めて太い木の枝を支柱にしただけの簡単な造り。川の水の流れを遮らない高さのところで横方向に木の枝を這わせ、中を覗けないよう工夫もしてある。まあ壁のすぐ近くでよく見ると中が見えてしまう程度のものだが、なにもないよりはマシ。さっそくシュリに話して彼女から風呂に入ってもらう。

 とりあえずシャンプーと石鹸だけをクエリティブで作って、シュリに手渡すと困惑していたので使い方を軽く教えた。

「あ、アラタ様、これは……ひゃ!」

 中でいったいなにが起きているんだろう……浴場の中から「ひゃ!」とか「きゅうぅぅん!」など変な声が聞こえる。

 ふたりともサッパリしたところで、まだ拠点化しないゴブリンの集落がありそうな場所へ向かう。

「ピッ!」

 ピコンが急に肩から羽ばたいて飛び上がると、クルクルと斜め方向の上空で旋回を始めた。

 ついてこいって意味かな?

 そのまま放置もできないのでピコンがいる方向へ進路を変えると、どんどん先の方へ誘導していく。

 なにもない開けた場所へ出た。ちょうど中央のところでピコンが上空から降りると、そこに何もないはずなのに立木で羽を休めるように止まった。

 一見、浮いているように見えるピコンの元へ慎重に近づくと透明な「なにか」に触れた。手触りは石みたいなもの。丸みを帯びていて、ベタベタと触っているうちに穴を見つけた。手を伸ばしてその穴のなかへと手を突っ込んでみると奥に丸い輪っかに手が触れたので掴んで引っ張る。

 ズズズっと地鳴りが始まり、地面に階段が出現した。

 隠しダンジョン……ピコンは再び羽ばたき自分の肩へ乗った。中に入れってことかな?

 魔法の灯具なのか、階段を下りきると通路の左右にあるランタンが明るくなる。

 人工的な天井や壁で素材は石だと思うが、触ってみると冷たくも暖かくもない不思議な手触り。

 通路の行き止まりにある両開きの扉を開けると、丸い何もない部屋があった。行き止まりになっていて、中央にある石板以外はなにもない。

 石板の近くへ行って文字を読もうとした。予想はしていたが、象形文字に似た文字で書かれていて読めない。どうしようかと悩んでいたら自分の頭上にあるスタータスウインドウの端っこに矢印が点滅しているのに気が付いた。

 ステータスウインドウを目線の高さまで下ろして、矢印をタップするとカギマークが四隅にある画面に切り替わった。その枠のなかに石板の文字を収めると、象形文字のような文字が日本語へと変換された。

『ダイヤルを右に11回、左3回まわす。間違えた場合は左へ5回以上まわすとリセットされる』

 ダイヤルとは石板の上にある小さな突起のことだと思う。近づいてよく見ると、たしかにダイヤルの上部がすこし尖っているのでここを起点にしてダイヤルを一度リセットして、書かれているとおりに回してみた。

 いきなりだったので、対応が遅れた。立っている場所の床がいきなり抜けて落下が始まる。

 すごく長い。1分以上落下したあと、フワリと底へ着地した。

「ヴァールギュントの第1試練を開始します」

 ボカロの合成音声のような声が鳴り響く。四角い部屋で扉が1つだけあって他に何もない。

 試練のクリア条件は地下2階へ辿りつくこと。声の主へ質問してみたが、返事はなく、一方的に用件を伝えて終わりだった。








【05話時点のステータス】
 ───────────────
 名前       アラタ
 年齢       15
 種族       人間
 生命力       ∞
 創造ポイント  384
 筋力       28(+10)
 敏捷性      20(+10) 
 知性      130
 精神力       ∞
 器用さ      19(+10)
 スタミナ     20(+10)
 幸運       15(+5)
 拠点:5
 クリエイティブモード
 クロスボウ、大型ナイフ
 ───────────────
 ───────────────
 名前       シュリ
 年齢       12
 種族       羊人族
 生命力       9
 筋力        5(+3)
 敏捷性       6(+3) 
 知性       58
 精神力      12
 器用さ      17
 スタミナ      7(+3)
 幸運        1
 ジェマの呪い:魔法をいっさい使えない。ステータスダウンを受ける(常時)
 呪いの解放条件:1000匹のモンスターを倒すこと。現在 38/1,000
 魔法        8
 小型クロスボウ×2、皮鎧、リュック
 ───────────────



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい! だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

処理中です...