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2nd  ワイ、都市マスターになったん?

暴君

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あの野郎、絶対にブッ殺してやる。
戸塚は自陣に戻った後、元部下の士郎に殴られたことに対する耐えがたい怒りで体が震えていた。

怒りを鎮めるために性奴隷の女を3人四つん這いにさせて、その白い尻に怒りのすべてをぶちまける。

「オラオラオラオラぁぁぁぁ!?」
「ひぃぐっ! 旦那さま、お許しをっ!」
「オラぁ! もっと泣き喚いてみろぉぉ!」
「ひぃぃ~~~っ!」

どんなに懇願しても手を緩めない。女たちがうつぶせで気を失うまで、戸塚は樫の木でできた棒を振り続けた。

「ハァハァ、こんな低級な女共じゃ満足できねー」

やっぱり俺様には極上の白髪の生娘が似合ってるよな~?
あの唇に無理やり舌をねじ込んで汚してやりたい。

華奢で白いカラダはきっと柔らかくて極上の味がするに違いない。今から自分の女にできると思うと興奮してきた。

「失礼します。攻撃の準備が整いました」
「あー? さっさと潰してこい。でも白髪の女は生け捕りにしろ」
「はっ、承知しました」

事前に諜報部隊が集めた情報によれば、都市を囲む防衛壁には特に仕掛けはなく、弓兵と歩兵がいるだけだという。こちらには多くの弩兵がいるため、高低差の不利を克服できる。昼夜問わず攻め続ければ、数で優位な都市031が有利であり、トドメに攻城兵器である破城槌と攻城塔を近づけて一気に攻め込めば、簡単に制圧し、旗を奪うことができる。

これを繰り返して経済力を削れば、完全に都市508を支配下に置くことができる。

戸塚は自陣の天幕から一歩も出ることなく、夜まで姦淫にふけっていた。

「報告します」
「遅かったな、今日で落とせたのか?」
「いえそれが、その……」
「早く言え、バカ野郎ぉぉ!」

陽が沈み、月が顔を出した頃、ようやく伝令の兵がやってきた。戸塚は報告をためらっている伝令の男の顔に木の棒を叩きつけた。元の世界でも無能なヤツは嫌いだった。だから容赦なくこいつ等も指導・・する。

「なっ、貴様ら……」

続く言葉が出ない。
今日だけで、相手の弓兵を減らすべく編成された弩隊が壊滅的な打撃を受けたとの報告だった。

報告によると、都市のまわりに深い霧が立ち込め、壁の上が見えない中で弩をメチャクチャに射った結果、逆に大量の矢が飛んできて被害が拡大したという。

「この無能がっ!」

いつも部下たちを叩いている樫の木の棒が手元にないため、拳で部下の頬を殴ったが、相手が下手に動いたため、こめかみのところに当たって部下は気絶して倒れた。

「くそっ! このゴミをつまみ出せ!」

殴り方が中途半端だったため、自分の拳から血が滲んでいる。まったく最近の連中は殴られるのに慣れてないから俺様が怪我をするんだ。

戸塚は翌朝、本隊である3,000人以上の兵を率いて防衛壁の近くまで進軍した。

「こうなったら無理やり突入しろ!」
「しかし我が隊に多大な犠牲が……」
「うるさい、黙れっ!?」

元々、都市031の管理者をしていたヤモトという男が戸塚に対して生意気に意見を述べたため、頬を数回叩いて黙らせた。

犠牲? 
そんなもん、いくら出ようがどうでもいい!

兵は俺のために命を捧げるのが当然だ。元の世界でも、下っ端は会社の使い捨ての道具に過ぎなかった。こんな底辺の連中のことなんて気にするだけ無駄ってもんだ。

「門を壊して住民を殺せ!」
「そっ、そんなことしたら王国から厳しい罰が……」
「ヤモトぉぉ~~、お前はホント間抜けだな~っ?」

都市508の住人なんていらん。あの白髪の少女だけは奴隷にするとして、他の連中なぞ、皆殺してしまえばいい。証人もいないのに誰が国に訴えると言うんだ? 俺様は小さな都市なんかに収まらないビッグな男。このマルセイユ王国もいずれ手に入れて、贅沢の限りを尽くしてやる。

「そ、そうですか、それなら」
「それはなりません、マスター」
「あん? 誰だおまえ?」

ヤモトの後ろに控えていた大柄な男が口を開いた。

「私はカシワル・イーゼ、都市031の騎士団長です」

ああ、そういえばそんな奴がいたな。それにしても……。

「おまえ、俺様に対してなんて口の利き方をしてやがる?」
「おい、カシワル。トツカ様に早く謝罪しろ!」
「主君の間違いを正すべく諫言するのも配下の務めです」
「いいから言うことを聞きやがれって……アイタタタっ」

戸塚がカシワルを殴ろうとしたが、逆に手首を掴まれて捻られてしまった。

「すでに多くの兵を失っています。ここは慎重に行動してください」
「わかった、わかったから手を放せ」

ようやく、掴まれていた手首を解放された戸塚だが、まだ痺れていて指をうまく動かせない。なんて馬鹿力なんだ、コイツ……。

「ご理解いただけて光栄です!」
「じゃあ、一点突破をやめて都市を包囲せよ」
「なるほど、数の利を活かして相手を損耗させるのですね」
「ああ、はやく命令を出してこい!」
「はっ!」

カシワルに命令すると、彼は何の疑いもなく戸塚に背を向けた。

くくくっ、この間抜けが!

「──っごふっ! ……こっこれは?」
「ばーか! 俺様に逆らった奴を生かしておくわけねーだろ!?」

スキル【邪悪なる掌】──熊を握れるほど大きな真っ黒な掌を出現させて対象を握りつぶすスキル。だがこのスキルを発動させるためには数秒間の予備動作が必要であるため、実戦には向いていない。

「そうだ、外にいる連中にも見せつけてやるか」

カシワルを公開処刑しようと思いついた。今後こんな歯向かってくるバカが現れないように徹底的に薄っぺらい脳に刻み付けてやる。

騎士団長を邪悪なる掌で、握りつぶしてしまわないように加減しながら天幕の外に出た。

「かっカシワル様!?」
「黙れ、愚兵ども!」

カシワルを上官への反逆罪でこの場で処刑することを宣言した。

「戸塚様、どうかカシワル様にお慈悲を!」
「知るか、ばーか!? 俺様に逆らう奴はこうだ!」

生卵を手で握りつぶすようにカシワルをあっさりと握りつぶした。こんな無能な奴らにこれ以上任せておけん。戸塚は肉塊になったゴミを見つめぼう然と突っ立っている兵たちを𠮟りつけ、隊列を再編成させた。








「くそっ、いったいなにが起きている?」
「おそらく、高度な武器の類が使われているのかと……」

破城槌1台と攻城塔3台を防壁に近づけようとしたところ、攻城塔1台を残してすべて爆破されてしまった。霧で防壁の様子は見えないが、ヤモトの言う通り、何か強力な飛び道具が存在するに違いない。

攻城塔が1台だけ無事だったため、どうにか防壁に近づけることに成功した。その後激しい戦闘音が聞こえてくる。防壁の上は依然として深い霧に覆われており、こちらからは戦況が見えないまま、時間だけが過ぎていった。

日が沈みかけて、あたりが薄暗くなりはじめた頃、ようやく霧が晴れた。

攻城塔から侵入した兵士たちが、都市508の銃兵たちに次々と撃たれて倒れていく。目を凝らしてよく見ると、元の世界でいう火縄銃に似ている。ただし、発砲音がしないのが違いだ。爆発で弾を飛ばすのではなく、何らかの力で弾丸を発射しているため、その危険性に気づかなかった。

ふと気づくと、3,000人いた兵士が500人を切っていた。

「降伏すれば命は保障します」

防壁の上には3門の巨大な大砲が設置されている。これで先ほど破城槌や攻城塔がやられてしまったのか。あの白髪の少女が防壁の上で高らかに宣言した。

くそっ、あの女、次に会ったら奴隷にしてメチャクチャにしてやる。

戸塚は自分だけ逃げようとまわりの兵に徹底抗戦の指示を出し、5人の部下だけを連れて、都市031へ馬で引き返した。

「地獄の入り口へいらっしゃーい」
「きっ、貴様は!」

途中の岩陰に士郎が潜んでいた。しかし、猫耳の女と長髪で剣を携えた黒髪の美女の3人しかいない……。

「お前ら、コイツらを斬り捨てろ!」
「ちょい待ち、そんなん守って死んだらアホらしくない?」
「早くアイツらを殺ってしまえ」
「今ならワイ、優しいから許してあげるよ?」
「ちっ、こいつのようになりたくなければ、言うことを聞け!」

武器を構えていた兵たちが、ゆっくりと武器を下したのを見た戸塚は激怒し、近くにいた兵士を【邪悪なる掌】で拘束して握りつぶした。

「カシワル様の仇!」
「ぐぅっ! きっ貴様ら……」

その間に他の兵たちの剣や槍が戸塚の背中や腹、首に突き刺さる。

「ぐぞぉぉ覚えてや・・」

最後まで言葉を発することなく、戸塚は倒れた。
それを見たクロは肩をすくめる。

「カシワルって誰なん? でも柏さんの時みたいに自業自得やな、きっと……」




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