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逃走
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そうして、今に至る。
「そっか・・・私、陛下を」
考えると、ことのヤバさがありありと伝わって来て、私は顔面蒼白になった。
そんな時。
「いや、お前はやってねーと思うぜ?」
「誰っ?」
「お前は眠らされていた。そして目が覚めた時、既に王は死んでいた。そうだろ?」
「あなたは・・・」
目の前には、旅人の出で立ちをした男が。
それも、同じサフィラの金の毛色を持った男が立っていた。
「俺か?俺はロイ。ここで王室騎士団長を勤めてたもんだよ」
「騎士団長!?貴方が?」
「ああ。そこでだ、お嬢さん。俺と逃避行に出ないか?」
「はい?」
私はあまりにもな言葉に絶句した。
「それとも、ここに残って無実の罪を被ったまま処刑されるか。さぁ、どうする?」
「・・・」
確かにここに残ってただ黙って処刑されるのはありえない。
でも、この男を信用してもいいの?
騎士団の中でミズキにまともな扱いをしてくれていたのは唯一チガヤだけだった。
優しく、そして気安く接せられるうちにミズキ自身、少しずつチガヤに気を許し始めていたのは感じていた。
でも、この男は別だ。
今が初対面の上、いきなり逃亡の手助けを申し出てきた。
信用できるわけがない。
「俺が信用できないって顔だな」
「!?」
「わかるさ、それくらい。俺が信用できないってなら、あの子を信じてやってくれよ。確か、ツルナって言ったか?」
「ツルナ?なんでツルナが今出てくるの!?」
するとロイは、マントから荷物を出した。
「それは?」
「ツルナって子に託された。お前の荷物だよ、ミズキ。俺はあの子に頼まれてお前を助けに来たんだ」
「そっか・・・私、陛下を」
考えると、ことのヤバさがありありと伝わって来て、私は顔面蒼白になった。
そんな時。
「いや、お前はやってねーと思うぜ?」
「誰っ?」
「お前は眠らされていた。そして目が覚めた時、既に王は死んでいた。そうだろ?」
「あなたは・・・」
目の前には、旅人の出で立ちをした男が。
それも、同じサフィラの金の毛色を持った男が立っていた。
「俺か?俺はロイ。ここで王室騎士団長を勤めてたもんだよ」
「騎士団長!?貴方が?」
「ああ。そこでだ、お嬢さん。俺と逃避行に出ないか?」
「はい?」
私はあまりにもな言葉に絶句した。
「それとも、ここに残って無実の罪を被ったまま処刑されるか。さぁ、どうする?」
「・・・」
確かにここに残ってただ黙って処刑されるのはありえない。
でも、この男を信用してもいいの?
騎士団の中でミズキにまともな扱いをしてくれていたのは唯一チガヤだけだった。
優しく、そして気安く接せられるうちにミズキ自身、少しずつチガヤに気を許し始めていたのは感じていた。
でも、この男は別だ。
今が初対面の上、いきなり逃亡の手助けを申し出てきた。
信用できるわけがない。
「俺が信用できないって顔だな」
「!?」
「わかるさ、それくらい。俺が信用できないってなら、あの子を信じてやってくれよ。確か、ツルナって言ったか?」
「ツルナ?なんでツルナが今出てくるの!?」
するとロイは、マントから荷物を出した。
「それは?」
「ツルナって子に託された。お前の荷物だよ、ミズキ。俺はあの子に頼まれてお前を助けに来たんだ」
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