大嫌いな私、守りたい彼

カランコロン

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投獄

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「ん、うぅぅ」

「ひっ、起きたぞ」

「何をしている、捕らえろ!」

うーん、うるさい。

さっきから何騒いでんのさ。

せっかく人が気持ちよく寝てるってのに。

「おい、起きろ!!」

「っ、いっつぅぅ」

いきなり背中に強い衝撃をあたえられた私は、無理やり意識をはっきりとさせられた。

「いったいなぁ!何なのよ!?」

声の主に噛み付く勢いで抗議すると、帰って来たのは腕からの激痛だった。

「っ!」

この時、ようやく私は自分の置かれている状況に気づいた。

何人もの兵が私の周りを囲っている。

そして、今私は兵の1人に腕をひねり挙げられていた。

「え、何?この状況。っ!」

「とぼけるな!これをお前が全てやったんだろうが!」

「え?」

見覚えのある男(確か大臣だったはず)が顔を真っ赤にしてそう言った。

直後、兵の足の隙間からおびただしい量の血が見えた。
それに、何人もの貴族達が倒れている。
そしてその中には、ついさっきまで私に話しかけてきていた国王陛下の姿もあった。

「え、なんで陛下が・・・」

「だからとぼけるな!!お前が殺したんだろうが、この王殺しが!その剣と服の血が証拠だ」

見ると、ツルナが用意してくれた純白の服は赤く染まり、抜いてもいないはずの剣は鞘から抜けて真っ赤に染まっていた。

「な、違う!私は――」

「そのものを牢に繋いでおけ!」

私の声は最後まで発することも許されず、私は牢に繋がれた。
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