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21.大罪の盟主、その名は

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 光の粒子と化して消えていく2体のスカルワイバーンを見ながらオレは安堵の息をはぁと吐く。
 そこへクリアのジングルとコングラチュレーションのの文字がフロアいっぱいに表示される。
 
 正直やばかった。
 
 たった2人のパーティーで、あんなのに挑むというのはマジ無理、もしくは無茶であったのだ。
 本来だったらパーティー何組かで合同のレイドを組んでやるもんだ。
 よくもまぁ、たった2人のパーティーで倒せたもんだと、オレ自身呆れつつも目の前に現れたホロウィンドウを確認していく。
 それなりの経験値とドロップアイテムを手に入れたので、正直ホクホク気分だ。
 オレが確認をしてると、フィアーナがやって来る。
 
「ピロさん、これからどーするんですか?」
 
 そう、スカルワイバーンといういわゆる中ボスを倒したのはいいのだが、このフロアに出口というか、次の階層に行くための入り口もしくは階段が見当たらないのだ。
 或いは何がしかのギミックがあるんじゃないかと推測は出来るのだが、今はちょっと精神的に疲れてやる気がおきない。
 気分を変える意味でも、オレはフィアーナへと提案をする。
 
「なぁ、ちょっと休憩しねぇか?オレもちょびっと疲れたしさ………」
「りょーかいですっピロさん!ゴハン食べていーですか?」
 
 相変わらずデフォルトな物言いにオレも首を縦に振り了承する。
 途端にホロウィンドウを出してメニューから食べ物を取り出す。おにぎりまだあったんかい。
 フィアーナのはぐはぐ食べる様子を見ながら、オレもHPとMPを回復させる為、メニューからポーションを取り出し使う。
 この鎧を装備したままだとポーションは使えるんだが、飲み食いが出来ないのが難点ではある。
 さりとて、ここで装備を替えるというのは愚の骨頂って話だ。
 
 どーにかこーにか気分を回復させてひと息ついて、オレはボス部屋の中を見渡す。
 広さはともかく、本当になんにも見当たらない。
 入り口はオレ達が入って来たところ以外はなく、他の3面はただの壁となっている。
 
 いや、等間隔に半分埋め込まれたような円柱が四隅と壁の面々に配置されている。飾り柱ってやつだろうか。
 怪しさ満載なので確認するのも兼ねてグルリと見て回ろうと思ったら、フィアーナが天井を指差して声を掛けて来た。
 
「ピロさーん!あれなんでしょう……。なんか矢印っぽいんですけど」
 
 なぬ?その言葉に上を仰ぎ見ると、確かに天井の中心部分にフィアーナの言う通りに、モザイクというか幾何学模様の様なものが矢印の形を成して、それぞれ反対側を指し示していた。
 そして指し示すその先には、例の飾り柱があった。
 
 もしかしてと思いながら、オレは片方の柱へと行ってみる。
 オレ達が入って来た入り口から見て左側の少し奥にあるその柱は何の変哲もないものだ。
 ツルツルの表面の下部分に彫刻が施されている。
 
「ピロさん。これだけ他となんかちょっと違いますね」
 
 オレについてきたフィアーナが左右の柱を見てそう言って来た。
 なる程。この柱だけ彫刻の部分が少しだけ―――10cm程上がっているのが分かる。
 オレは屈んでその彫刻部分を詳しく見てみる事にする。
 
「…………」
 
 ………ここってリミタイズダンジョンでいいんだよな!?通常は迷路状の通路をモンスターや宝箱を見つけたりして、下へと降りて行くものなんだ。
 2時間とかタイムアタックまがいのものんかもあることはありはするんだが………ここまでギミックに塗れてると、もう限定リミタイズもない気がする。
 
 確かにオレの視界の左下には残り6日と15時間何分何秒とカウントダウンを続けているのが分かるんだが………。
 はぁ。
 まぁここでグダグダ言ってても仕方ないし、やる事をやるだけだな。
 そう彫刻の中に隠されるようにこんな事が書かれてあったのだ。
 
 “ここにて同じように事を成しえば、さらなる道は拓かれん”
 
 少しだけ他の柱より上にある彫刻部分は上の部分が庇のように出っぱている。
 まるで下へおろせと言わんばかりに。

「おー、うごきました」
 
 動かしてみると、実際に移動したので当たりだろうな。
 
「フィアーナ、試してみたいことがあっから反対側の柱に行って貰えるか?」
「りょーかいです!ピロさん」
 
 オレが頼むと、フィアーナはびしっと敬礼をしてステテテと反対側の柱へと向かって行く。
 フィアーナが配置についたを見て、オレは簡単に説明をする。
 
「オレが合図をしたらそいつを下に下げてくれ。いいかぁ」
「はーい、わっかりましたぁ」
 
 離れているので大声でフィアーナに呼びかけると、返事をして来たので始めることにする。
 
「いっくぞぉ!3,2,1,ゼロぉ!」
 
 オレとフィアーナが同時に彫刻部分を下におろして行くとガキッと何かが嵌まるような音がする。
 やったかと思ったが、ブブーという音と共に彫刻部分が上へと戻ってしまう。
 ありゃ~………違っていたか?或いはタイミングがめっちゃシビアか。
 この後何度か声を合わせてやってみるものの、なかなか上手く行かなかった。
 解釈が違っていたのかと思い、もう1度だけと声を掛けてやってみる。

「3,2,1,ゼロぉ!」
 
 俺が横からフィアーナの様子を見ながらやってみると、どうにも互いのタイミングが違っていたことに気付いた。
 これはオレの説明が足りなかったせいもあるな。
 オレが0で一気に下へと下ろしてるのに対して、フィアーナは3からゆっくりと下ろしていたのだ。
 これじゃいくらやってもダメな訳だわ。
 
 オレが一気に下ろしてるのにフィアーナはゆっくり下ろしていたのだ。これじゃあタイミングなんである筈がない。
 じゃあ0で一気に下ろせと言えばいいんだろうが、何となくそうはやりたくない。
 フィアーなだと変に申し訳なく思って、力を抑えて出来なくなる畏れも出て来る。
 普通こういう時はそうやるよなと思わないでもない。
 まぁ互いの常識が違ってたって話なだけだ、別の手を考える方が建設的だ。
 オレは寸の間腕を組んで考え結論を出す。
 
「フィアーナぁ!合図変えてやってみるから“チャー”“シュー”“メン”で、“メン”の時に一気にそいつを下ろしてみてくれぇ」
「はぁ~い、分かりました~ぁ!とぉころでぇ、チャー、シュー、メンってぇなぁんですかぁ?」
 
 ん?チャーシューメン知らんのか?それはそれで今どき珍し………。まぁフィアーナだしな。
 
「ラぁ―メンって麺料理に、チャーチューって肉をいっぱいのっけたもんだよぉ~。知ぃらねえかぁ~?」
「知っりませ~~~ん!美味しいぃ~~ですかぁ~?そぉれぇ~」
 
 互いに結構離れているので、大声で話をしているのは仕方ないとしても、食いつき方がスゴイ。どんだけ飢えたんだ、こいつ………。
 オレは特に食い物に拘りはないが、食に溢れた現代では味に関して言えば普通という他ない。美味い店は美味いて感じだ。
 
「普通ぅじゃねぇかぁ~、いいからやるぞぉ~~っ!」
「後でぇ~食べさせてくださぁ~~い!きっとぉですぅよぉ~~っ!」
「はいはいぃ~~、分かったぁ~~っ!そんじゃぁあ、行くぞぉ~~っ!!」
 
 いきなりそんな要求を放って来たフィアーナへ了承して、彫刻部分に手を掛けて準備をする。ラーメンって作れたっけか?似たようなもんはあった気がするが、まぁそれは後回しだ。
 オレは息を吸い込み声を上げる。
 
「”チャー”」
「“ちゃー”?」
「「“シュー”」」
「「“メン”!!」」
 
 俺の掛け声にフィアーナが声を合わせてきて、メンで一斉に彫刻部分を下ろすと、ガコーンッ!!という音と共にピンポーンとチャイムが鳴り響く。
 成功か!?とオレが周囲を見回すと、ゴゴ………ッッと地面が震動を始めジリジリと動き始めた。
 安全確保の意味で一旦部屋の中央へと移動をする。オレの行動を見て、フィアーナもそれに倣うようにオレの元へとやって来る。
 
「ピロさ~ん、やりました?」
「どうだろうな。一応戦闘準備はしとこう」
「分かりました!あっ、あとチャーシュメンお願いしますねっ!」
「はいはい、分かった分かった」
 
 オレは盾を傍らに、フィアーナはメイスを構えて何が起きてもいいように備えをする。
 が、お約束は何も起こらず壁がせり上がっていくのを見ていると、いや?これは床が降りてるといった方がいいのか。
 
「あっピロさん、入り口がいっぱいです」
 
 床が降りるとともに壁の様相も変わっていき、それぞれに壁に扉が1つづつ出て来ているのをフィアーナがきょろきょろ周りを見て言ってくる。
 つーか、これ本当にリミタイズダンジョンなのかっ!?
 
 オレもそれなりにリミタイズダンジョンの攻略をやってたりするが、こんなのは初めてだ。
 やがてガコンと音が鳴り響いて床の振動が収まる。
 
「ふわ~………すごいですねぇ」
「まぁ………なぁ」
 
 床はワンフロア分降りて動きを止めた。
 こちらは飾り柱がない代わりに、4つの壁に木製の扉が1つづつついている。
 
「どうします?ピロさん」
「まぁ、行くしかねぇ花。どこにする?」
 
 フィアーナに次の行動を問われ、それに答えるように逆に訊ねる。
 
「じゃ、こっちからにします!」
「あっ」
  
 それてフィアーナはオレ等が来た入り口の反対側へとすてててと行ってあっさりと扉を開けてしまった。オレ歩くの遅いんで止める間もなかった。はぁ。
 
「ピロさ~ン!でっかい箱がありますっ!」
「でっかい箱?あぁ、宝箱か。ってフィアーナ急に開け………おー」
 
 オレがフィアーナに遅れてそこに入ると、フィアーナはすでに宝箱を開けてしまっていた。やれやれ。ミミックのおそれもあるから注意しようと思ったんだが遅かったようだ。
 
「なんでしょう?これ」
 
 その中には液体の入った多面処理の施されたガラス瓶が、一抱え以上もある宝箱の中にぽつんと置かれていた。
 鑑定しても???と表示されるばかりでさっぱり分からない。
 
「フィアーナが見つけてんだから持ってきな」
「いんえ、ピロさん持ってて下さい」
 
 オレがそう言うとフィアーナは譲るようなことを言ってきた。欲がないことだ。
 その後残りの扉を調べていくと、同じような通路が広がっていただけだ。
 ただ壁面は上層部とは違って大理石のようにつるつるで光源は見当たらないものの明るくなっていた。なんとなく病院の通路を思い出す。
 
「ピロさん、やっぱりありましたね」
「だな。んじゃこっちに進むか」
「了~解です!」

 そうやっぱりあったのだ。
 俺たちが入ってきた入り口の下の方向の通路の天井部分に文字が書かれていた。
 ここは今までのことを考えてあえてこっちに進むべきだろう。ぶっちゃけ楽したい。

「の前にちょっと確認しとくな」
「?」
 
 その前にアイテムの確認をしておくか。
 ポーション系はまだ余裕がある。けど状態異常系の奴がちょっと心許無いが………何とかなるといいなぁ……。うん。
 
「待たせ………たな。はぁ」
「んが、……ンぐぐ~……はぐぅ」
 
 いつの間にやらフィアーナはハンバーガーに齧り付いていた。
 何だか本気で心配になってきた。現実リアルでちゃんと食ってるんだろか、こいつ………。
 いやまぁここでの現実の話リアルのことはしなやらない知りませんってのがお約束なんだが、少しばかり気になってしまうのは仕方がないだろう。
 どのみち今はダンジョン攻略が優先だ。こっちを先にやらんとな。

「ほんじゃ、行くぞ!フィアーナ」
「ほーかいえす!」
 
 お前はリスかと言わんばかりに頬を膨らませたフィアーナを見て思わず突っ込みそうになるものの、溜め息を吐くことでそれを抑えて通路へと入って行く。
 そんでフィアーナもオレに続いて通路を進む。
 
 天井の文字を追いながら進むのはかなりのリスクを負うので、フィアーナが先頭でオレが後ろに続きながら天井の文字を記録していった。(盾が後衛って笑えないんだがなぁ)
 
「よぉ~くぞわれがつくりしものをげぇkぃはぁしたな。ほぉめ~てとらそう。何じゃそりゃっ!」
 
 つい思わず突っ込みしても仕方ないだろう。
 と同時に現れたスケルトンゴブリン―――スケゴブへフィアーナが一撃を与える。
 
「おぅりゃぁあっ!!」
 
▽フィアーナの攻撃!
 
 ガッツンとスケゴブへとメイスをかます。
 頭蓋を狙った攻撃はあっさりと吸い込まれるかのように命中し、すぐに光となって消えていく。あんれぇ?
 
「ピロさん、なんか弱くないですか?」
「き、気のせいじゃねぇ?」
 
 オレはフィアーナの疑問にあえて一般的な常識の範囲の答えをする。
 そうオレ自身もそうは思ったのだが、これはあくまでもゲームなのだ。
 つーかあの中ボスがおかし過ぎたのだ。もうここはそういう意味ではリミタイズダンジョンじゃなかったのだ。
 通常に戻ったとも言えないこともない?
 
 こうしてオレ達は人型のスケルトンを相手に天井の文字を追いながら下へと進んで行った。
 下の階層へと降りるに従って、スケルトンの大きさも変化していく。
 スケゴブに始まって、スケルトン、スケルトンソルジャー、スケルトンオーク、スケルトンリザードマンと大きくなっていった。
 
 ただ通路の広さは一緒なわけで、取り回しが利かない分オレ達の方が有利になっていったのは何だかなぁな感じである。
 なんせスケルトンオーガに至っては通路いっぱいの大きさゆえにただ移動することしか出来なくて、ろくに攻撃もやれないくなっているのだ。何とも本末転倒と言わざるを得ない。
 そして天井の文字―――ブラックモアイーの言葉はこんな感じで書かれていた。
 
“スケルトンゴブリン作成にあたっては――――“
“スケルトンに於いては特に留意したのは―――”
“倒せ倒せ倒せ”
“特に注意すべきはスケルトンリザードマンの場合――ー”
“殺せ殺せ殺せ”
”貴様の糧も我等の贄に”
 
 とまぁこんな感じで、なんでかモンスターの作成記録をズラズラと書いてあったのだ。その中にはモンスターの弱点や攻略法なんかも書かれていたのだ。ナンノコッチャ、こいつは。
 そして極めつけはこいつだ。
 
”我が造りしものは全てあの方―――大いなる罪あらかたなる強欲たらん我等が盟主―――エィヴァリィヴァール様の力と糧へとなる。ああ我が盟主よ”
 
「なんとまぁ、掲板案件だな、こりゃ………」
 
 そうブラックモアイーの主たる大罪の盟主の、その名前が書かれてあった。
 強欲の大罪ダンジョンって確か無かったと思うだが、ヤな予感がオレの胸の内にヒシヒシと染み出してきた。
 
 
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