『アリストテレスの生涯』

『アリストテレスの生涯』

　古代ギリシアの偉大なる哲学者、アリストテレスは、紀元前三百四十八年に、トラキア地方のスタゲイロスに生を受け、紀元前三百二十二年に、母方の故郷、エウボイア島のカルキスで、死没した。西洋哲学を説いた偉大なる哲学者で、逍遥学派、アリストテレス主義を詳述している。また、その生涯において、論理学や自然学、形而上学、倫理学、政治学なども雄弁に語った思想家だ。私は、この哲学者は、受難の時代を生きたと思っている。当時のギリシアは、様々な王国や王朝の攻防に巻き込まれ、大混乱をきたし、この哲学者も、難しい時代を生き抜いて、哲学を後世に伝え残した。実に難しい時代を生き抜いた選択肢だと言えるだろう。また、アリストテレス自体、著作等が多数あり、難解を極める書物が、圧倒的に多い。この哲学者の生涯が受難であり、なおかつ、難しい生き方を迫られ、そして、その思想が、王国や王朝の首領、いわゆる、皇帝などから絶えず睥睨され、迫害などを受けて、著作なども、発禁などとなったのは事実だろうと思われる。この哲学者に関して、短編小説で語るのは、ひときわ、難しいのだが、私は、今回、個人的に、この哲学者に興味を抱いて、ここに短編小説仕立てで、一作書き下ろしたいと思っている。この短編小説は、ここに結稿する。稿を結んでおく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(了)