『今すぐ、会いたい』

篠崎俊樹

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第8話。

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     8
 俺が、アルコールに関して、一言言っておくと、ちょうど二十五歳の時に止めて、一滴も飲まなくなった。それでいいと思えた。当時、大学を除籍になり、実家に帰って、パソコンを使って、小説を書くようになった。俺にとって、黄金期で、一日で、原稿を二十枚以上書いたこともあった。俺にとって、アルコールは、差し障りになる。一滴も飲まない。俺が、睡眠導入剤を服用しても、頑張りが利くのは、夜でも、小説のことを考えると、おちおち、寝付けないからだ。今の俺にとって、妻と義理の娘、孫たち、そして、次に大事なのが、自身の小説なのであって、ほかのことはどうだっていい。実際、俺にとって、他人との繋がりなど、別にあろうが、なかろうが、関係ない。単に、妻の家族とは、今すぐにでも、会いたいという気持ちがあって、別に、買い物に出かけるダイレックス朝倉店の店員なども、どうだっていいのだった。正直なところ。(以下次号)
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