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障碍者施設のお姉さん

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 ボクは、普段、週二日、在住している市から、送迎車で一時間半ほど行った場所にある、障碍者施設で働いている。労働時間は、一日当たり、六時間で会って、それ以上はない。ボクは、担当医から統合失調症と診断されていて、今の施設に、もう半年近く通っている。はっきり言って、モチベーションは低い。ろくな人間がいないからだ。ボクにとって、施設内での労働というのは、退屈だった。
 その施設に、増田さんというお姉さんがいる。可愛い人で、年は三十歳ジャストぐらい。いつも、茶髪にお洒落な、ミストのようなものを付けて、整えてから、施設に来ている。派手好きで、お喋り好きだ。ボクは、増田さんが可愛い人だと思ったいるし、実際、ボクより若いので、働きながら、日々見ている。何と言うか、ボクも障害はあっても、目はいいので、増田さんの様子は、施設内での労働時間中、ずっと見ていて、実際、飽きない。
 ボクにとって、女性というのは、今、実家で一緒に暮らしている妻か、妻の連れ子で、今年中学生になる娘、もしくは、高校時代に、剣道部の遠征で行った、公立高校の女子高生ぐらいなものだ。後はいない。ボクは結構、寂しい学生時代を送ってきていて、実際、増田さんのような女性は羨ましい。そう思える。ボクは普段、障碍者施設に通所しながら、夜は、帰宅したら、お風呂に入って、睡眠導入剤を服用してから、気持ちを安定させて、パソコンに向かい、ネット小説を書いて、サイトに投稿していた。いわゆる、二足の草鞋を履く人間だ。父はいても、認知症で難しい。ボクにとって、障碍者施設の増田さんは、妻や娘に次ぐ、第三の女性であり、目の保養であることはもちろん、いい存在だと思っている。現に、増田さんは親切で、邪気などない。ボクにとって、変に高圧的に出る、若い女などよりも、増田さんのような優しい女性のほうが、よほどいいのだった。あと、妻や娘も、目に入れても、痛くない存在だ。そう思えてならない。この短編小説では、増田さんのことを書き綴ったけど、話も尽きてきたし、このあたりで、ピリオドを打ちたいと思っている。ボクは、小説を書く以外にも、忙しくしている。暇なんかないけど、また、似た話があれば、書きたいと思っている。
                           (了)
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