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第7話。

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 極楽の川は、渓谷から、更に北方向に1キロメートルほど行った場所にあった。大きな川で、さすがに、水が満々と湧き出、大量に水嵩がある。俺はどっぷりと浸かって、ゆっくりと浸った。ここで行水すれば、もっと長い寿命が得られ、文句なしに生きられる。そう思い、着ていた服を脱いで、全裸になって、川に潜り込んだ。ゆっくりと息を吐きながら、水を浴びる。幾分ひんやりとはするものの、疲れが癒えた。疲労は癒え始め、また、心機一転、頑張ろうという気になれた。ここは、まさに、一時的にではあるものの、心を癒す場所だ。俺にはそう思えた。
 やがて、極楽の川から出て、服を元通りに着、走り出す。天国と言えども、蒸し暑く、気候は悪い。俺はさすがに暑くて、死にそうだった。でも、いい。俺自身、多少、分が悪くても、ここで踏ん張るつもりだ。ずっと走っていくと、やがて、砂漠地帯のようなものが見え始めた。ここは、天国における砂漠で、下手に長居すると、水分などを取られ、きつくなる。俺にはそう思えた。いったん砂漠に入り、休憩した。さすがに、休んだほうがいい。俺にはそう思え、休み始める。まあ、俺は地上で散々苦しみを味わったから、今こうして、休憩できることが一番の幸いだ。長い時間は取られないにしても……。(以下次号)
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