『私記』

篠崎俊樹

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第3話。

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 私は、幼稚園時から、一人で遊ぶのが好きで、いろんな複雑な思いをしていても、平気だった。自分が強く、自尊の心を持っていたからだ。近所の悪ガキは、もう手を出してこなくなった。母親はそれを知って、安心した。息子が窮屈な思いをしているのを知って、思いを新たにしたのだろう。私が六歳、ちょうど、小学校に入学したとき、妹が生まれた。私と違って、地元の町の産婦人科で生まれて、母親はあまり構わなかった。母親にとって、長男の私の方が可愛かったのだ。そして、父親も、あまり私に構わなくなった。互いに、距離ができてきたのだ。私の小学校の入学式の写真は、母親と私、それに、乳飲み子の妹の三人で、地元の小学校の校庭の桜の木の下で写った。記念写真だったが、侘しいものだった。私の一人遊びは、それからも、ずっと続いた。例えば、同級生が、校庭で野球をやろうと言っても、私は応じなかった。適当に言って、済ませた。私にとって、野球など、どうだってよかったのだ。そして、小学校でも、担任の教師から、目を付けられた。母親が呼び付けられ、散々、難詰された。手厳しく、だ。そのことがあって、私は、授業時間以外は、努めて、図書館に行くようになった。本が、友達になったのだ。
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