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圏ガクの夏休み!!
ホームシック
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「おう、大丈夫か……なら、こっちはいいから、婦人会の人らを手伝え。小吉を先に行かせてある」
誰とも話したくなくて、少々絡まれようが意識の外側に置ける残留一年に混ざって作業したかったのに、そうはいかないらしい。少し憂鬱になりながらも言われた通り、既に立ち上げられたテントの下に集まる婆さんたちの元へと走ると、作業中の小吉さんから手招きされてしまう。
「夷川、今から買い出しに行くんだ。それでな、自転車を頼みたいんだ!」
いつもそうだけど、今日は特別に活きがよくて、ちょっとウンザリする。買い出しなら一人で行ってくると申し出ると「お前、場所わからないだろ」と的確に返してきやがるので、つい舌打ちしてしまった。いつものように泣き出した小吉さんは、婆さんたちのオレへの視線を険しくさせる。
まるでオレが小吉さんをいじめているみたいじゃあないか……まあ、知らない人間が見れば、そう見えるのは仕方ないか。普段なら、ふざけんなって思えるんだろうが、今はどうでもよかった。ビビって泣き続ける小吉さんの腕を引いて、再び公民館に戻る。
「……買い出しって何が足らないの? てか、車持ってる奴に頼むだろ、普通は」
地元の学生ならともかく、普段山に籠もってる土地勘のない学生に買い出し行かせるって、どんな神経してんだよ。小吉さんは関係ないのに、つい責めるような口調で聞いてしまった。
「あぁ、それは、アレだよ。別に大したもんじゃないからさ。別にいいって言ってたんだけど、あるとちょっと便利なんだって言ってたから、それならひとっ走り行ってくるって手ぇ上げたんだ」
阿呆みたく嬉しそうにババァのパシリを買って出たらしい。もう溜め息しか出なかった。
「あっ! だ、だだ大丈夫だぞ。店の場所はおれが知ってるからな!」
「うんわかったはやくいこう」
面倒すぎて口から出る言葉が、丸ごと見事な棒読みになる。公民館の廊下をドタドタ走る小吉さんの後を早足で追って、また裏口へと向かい、鍵が付いたままの自転車で賑やかな祭り会場から脱出した。
小吉さんを何度か落としつつ自転車を漕いで、遠いとも近いとも言えない距離を走りたどり着いたのは、コンビニやスーパーマーケットではなく、タバコ屋の看板が上がった小さくてボロボロの雑貨店だった。
かろうじて読める程度にしか残っていない剥げた看板と、立て付けの悪い出入り口の引き戸、外から見る印象は最悪だったが、中に入ると色々な日用品が置かれ整然とはしていないが、商品に埃が被っている事も店内に蜘蛛の巣が張っている事もなく、地元の人が頻繁に利用しているのが窺える程度にはまともだった。
「おやぁ? 小吉ちゃんじゃないかい。いらっしゃい」
先に入店した小吉さんを見るや、レジの前に座っていた背中の曲がった婆さんが声をかけてきた。オレはそれにギョッとして、それ以上は店に入らず外で待つ事にした。
今は少し曇ってはいるが、夕方には晴れるらしい天気は、雲の切れ間から時折容赦ない日差しで照り付ける。買い出しが終わるまで、店の軒先で日差しを逃れ待とうとしたのだが、それを邪魔する壁際にデンと置かれた自販機に舌打ちした。
「こんなもん誰も買わねぇだろ」
随分と省エネが行き届いた自販機は、駅前で見た半壊した状態と比べればまともだったが、そこに並ぶ商品は大差なかった。面白くともなんともない、自販機に背中を向けようとしたが、その隣に古びた公衆電話を見つけ、吸い寄せられるように手を伸ばす。
「よっし、買い出し完了だ! 帰ろ……夷川? 電話中か?」
受話器に手が触れる前に、小吉さんの声が聞こえ、慌てて振り返り「違う」と誤魔化した。すると突然、小吉さんは人の口に何かを突っ込んで来やがった。
「そっか、じゃあ、これ食いながら帰ろう。タバコ屋のばあちゃんがくれたんだ」
口の中も握った手もひんやり冷たい。見た事のない食べ物だったが、どうやら手で掴んで食べられる氷菓子のようで、小吉さんに倣って穴の空いた先に吸い付くと、少しずつ氷が溶けて甘さが舌に広がった。
両手に荷物を抱えた小吉さんを自転車に乗せて走るのは至難のわざだった。手ぶらだった行きの時すら何度か落ちる人間が、両手塞がった状態で落ちない理由がまずない。幸い、交通事情は前に走った時と大差なく、ゆっくり運転すれば通行人との接触事故は回避出来ると、買い出しの荷物はオレが抱える事にした。
納得出来ないと文句を言っていた小吉さんは、それでも自転車から落ち後輪に足を巻き込んだ後は、恐らく痛みからではない涙を流して大人しくオレの背中にくっついてくれた。
「小吉さん、オレ、ちょっと外していい?」
無事に公民館へ戻り、少し遅くなった事に焦り、広場に走り出そうとする小吉さんの背中に声をかけた。荷物を抱えてバッと振り返る小吉さんは「どうした!」とこちらに駆け寄って来た。
「また腹が痛いのか? あぁあああ、あれか、冷たいの食べたせいでか? せせせせ、先生呼んで来るか?」
「そんな心配しなくて大丈夫だから。すぐに戻るから、小吉さん先に戻ってて」
オロオロしている小吉さんを宥めつつ、オレの視線は公民館のロビーにある公衆電話に向いていた。「ダメだったら大声で誰か呼ぶんだぞ」と何度も振り返る小吉さんを見送り、静かにその前に立つ。一つ息を吐いて、受話器に手を伸ばすと、まるで咎めるように、誰かがオレの肩を叩いた。
「ごめんなさい、その公衆電話、随分前から故障しているの。使うのなら、事務所にある電話を使ってちょうだい」
自分の事ながら何を警戒しているのか分からないが、一瞬ビビったオレの後ろに立っていたのは、公民館で働いている事務員のおばさんだった。申し訳なさそうに事務所へ誘導してくれようとしたが「大丈夫です」と断り、便所に行く振りをしながら裏口へと足早に向かう。
そして迷う事なく自転車に跨がり、タバコ屋までの道を全力で漕いだ。
小吉さんと一緒の時とは比べものにならない速度で、タバコ屋に舞い戻ったオレは、人通りの全くない道端で自転車を止めて、公衆電話の前に立った。
この電話も故障していたら諦めよう。そう心で唱えて、受話器を持ち上げる。恐る恐る耳に近づけると、なんの音も聞こえず呆然としてしまった。
「あ、先に金を入れないと駄目なのか。そりゃそうだよな」
小銭の投入口を見つけ、当たり前な事に思い当たり慌てて財布を取り出す。けれど、確かめるまでもなく、オレの財布に小銭の持ち合わせなどなかった。あるのは一万円札一枚のみ。
隣に都合良く置かれてある自販機で両替しようと試みたが、万札は受け付けないらしく、何度試しに飲み込ませても吐き出されてしまう。
冷静にタバコ屋で怪しまれず、両替をしてもらえる方法を考えながらも、地べたに這いつくばって十円でも転がっていないか必死で探すが見つからない。
咎められるのを覚悟で店に向かおうと財布を睨み付けていたら、その中に見慣れぬ何かが挟まっている事に気が付いた。
藁にも縋る思いでそれを取り出してみると、半裸の幼女が練乳に塗れて半泣きになっている絵が目に飛び込んで来た。
なんかもう条件反射で思い切り投げ捨ててやった。冗談に付き合える精神状態になく、投げ捨てたソレを思い切り踏み付けながら、ハッと我に返ったオレは、慌てて足をどけ半裸の幼女を恭しく手に取った。
「これ……使えるんじゃね?」
踏み付けたせいで、たくさん傷が付いたカードを服で拭きながら、恐る恐る公衆電話に近づく。受話器を持ち上げ、半裸の幼女をカードの挿入口にグッと押しやると勢いよく吸い込まれ、その上にあった液晶に50と数字が表示された。
耳元に受話器を押し当てると、しっかりと通話可能を示す音が聞こえてきた。「やった」と口元が緩むが、これで逃げ道はないんだと思うと、顔だけでなく全身が強ばった。
深呼吸を一つして、ポケットからスマホを取り出す。番号を呼び出す為にロックを外そうとして、自然と乾いた笑いが漏れる。オレはスマホを公衆電話の上に置き、静かにダイヤルへ指を伸ばした。
物心がついた時から、何度も何度も押した番号は、今でもこうやって電話の前に立つと頭に浮かんでくる。
中学に上がるまでは、携帯電話を持たせて貰えなかったから、迎えを呼ぶ為に毎日塾の前にあった公衆電話で電話をかけた。溢れ出した記憶をなぞるように、ゆっくりとダイヤルを押していく。
オレは何がしたいんだろう。
勝手に解約しやがった事に腹が立って文句の一つも言いたいんだろうか。
オレの意思なんて関係なく、こんな掃き溜めにブチ込んでくれた事の恨み言でも言う気だろうか。
そうだ。一言でもいい。一瞬でもいいから不快にさせる罵声を浴びせてやる。
言う事は決まったのに、いい言葉が出て来ない。圏ガクでの生活は罵詈雑言の応酬で、自分の中にあったそれらを使い果たしてしまったのか、浮かんでくる言葉はどれも場違いなモノばかりで焦る。
そんな焦りとは逆に、全くペースを乱されずにダイヤルを押す指は、淡々とその仕事を終えた。耳元で呼び出し音が聞こえると、歯が小さくカチカチと鳴り出して、ダラダラと汗が噴き出してくるようだった。
誰とも話したくなくて、少々絡まれようが意識の外側に置ける残留一年に混ざって作業したかったのに、そうはいかないらしい。少し憂鬱になりながらも言われた通り、既に立ち上げられたテントの下に集まる婆さんたちの元へと走ると、作業中の小吉さんから手招きされてしまう。
「夷川、今から買い出しに行くんだ。それでな、自転車を頼みたいんだ!」
いつもそうだけど、今日は特別に活きがよくて、ちょっとウンザリする。買い出しなら一人で行ってくると申し出ると「お前、場所わからないだろ」と的確に返してきやがるので、つい舌打ちしてしまった。いつものように泣き出した小吉さんは、婆さんたちのオレへの視線を険しくさせる。
まるでオレが小吉さんをいじめているみたいじゃあないか……まあ、知らない人間が見れば、そう見えるのは仕方ないか。普段なら、ふざけんなって思えるんだろうが、今はどうでもよかった。ビビって泣き続ける小吉さんの腕を引いて、再び公民館に戻る。
「……買い出しって何が足らないの? てか、車持ってる奴に頼むだろ、普通は」
地元の学生ならともかく、普段山に籠もってる土地勘のない学生に買い出し行かせるって、どんな神経してんだよ。小吉さんは関係ないのに、つい責めるような口調で聞いてしまった。
「あぁ、それは、アレだよ。別に大したもんじゃないからさ。別にいいって言ってたんだけど、あるとちょっと便利なんだって言ってたから、それならひとっ走り行ってくるって手ぇ上げたんだ」
阿呆みたく嬉しそうにババァのパシリを買って出たらしい。もう溜め息しか出なかった。
「あっ! だ、だだ大丈夫だぞ。店の場所はおれが知ってるからな!」
「うんわかったはやくいこう」
面倒すぎて口から出る言葉が、丸ごと見事な棒読みになる。公民館の廊下をドタドタ走る小吉さんの後を早足で追って、また裏口へと向かい、鍵が付いたままの自転車で賑やかな祭り会場から脱出した。
小吉さんを何度か落としつつ自転車を漕いで、遠いとも近いとも言えない距離を走りたどり着いたのは、コンビニやスーパーマーケットではなく、タバコ屋の看板が上がった小さくてボロボロの雑貨店だった。
かろうじて読める程度にしか残っていない剥げた看板と、立て付けの悪い出入り口の引き戸、外から見る印象は最悪だったが、中に入ると色々な日用品が置かれ整然とはしていないが、商品に埃が被っている事も店内に蜘蛛の巣が張っている事もなく、地元の人が頻繁に利用しているのが窺える程度にはまともだった。
「おやぁ? 小吉ちゃんじゃないかい。いらっしゃい」
先に入店した小吉さんを見るや、レジの前に座っていた背中の曲がった婆さんが声をかけてきた。オレはそれにギョッとして、それ以上は店に入らず外で待つ事にした。
今は少し曇ってはいるが、夕方には晴れるらしい天気は、雲の切れ間から時折容赦ない日差しで照り付ける。買い出しが終わるまで、店の軒先で日差しを逃れ待とうとしたのだが、それを邪魔する壁際にデンと置かれた自販機に舌打ちした。
「こんなもん誰も買わねぇだろ」
随分と省エネが行き届いた自販機は、駅前で見た半壊した状態と比べればまともだったが、そこに並ぶ商品は大差なかった。面白くともなんともない、自販機に背中を向けようとしたが、その隣に古びた公衆電話を見つけ、吸い寄せられるように手を伸ばす。
「よっし、買い出し完了だ! 帰ろ……夷川? 電話中か?」
受話器に手が触れる前に、小吉さんの声が聞こえ、慌てて振り返り「違う」と誤魔化した。すると突然、小吉さんは人の口に何かを突っ込んで来やがった。
「そっか、じゃあ、これ食いながら帰ろう。タバコ屋のばあちゃんがくれたんだ」
口の中も握った手もひんやり冷たい。見た事のない食べ物だったが、どうやら手で掴んで食べられる氷菓子のようで、小吉さんに倣って穴の空いた先に吸い付くと、少しずつ氷が溶けて甘さが舌に広がった。
両手に荷物を抱えた小吉さんを自転車に乗せて走るのは至難のわざだった。手ぶらだった行きの時すら何度か落ちる人間が、両手塞がった状態で落ちない理由がまずない。幸い、交通事情は前に走った時と大差なく、ゆっくり運転すれば通行人との接触事故は回避出来ると、買い出しの荷物はオレが抱える事にした。
納得出来ないと文句を言っていた小吉さんは、それでも自転車から落ち後輪に足を巻き込んだ後は、恐らく痛みからではない涙を流して大人しくオレの背中にくっついてくれた。
「小吉さん、オレ、ちょっと外していい?」
無事に公民館へ戻り、少し遅くなった事に焦り、広場に走り出そうとする小吉さんの背中に声をかけた。荷物を抱えてバッと振り返る小吉さんは「どうした!」とこちらに駆け寄って来た。
「また腹が痛いのか? あぁあああ、あれか、冷たいの食べたせいでか? せせせせ、先生呼んで来るか?」
「そんな心配しなくて大丈夫だから。すぐに戻るから、小吉さん先に戻ってて」
オロオロしている小吉さんを宥めつつ、オレの視線は公民館のロビーにある公衆電話に向いていた。「ダメだったら大声で誰か呼ぶんだぞ」と何度も振り返る小吉さんを見送り、静かにその前に立つ。一つ息を吐いて、受話器に手を伸ばすと、まるで咎めるように、誰かがオレの肩を叩いた。
「ごめんなさい、その公衆電話、随分前から故障しているの。使うのなら、事務所にある電話を使ってちょうだい」
自分の事ながら何を警戒しているのか分からないが、一瞬ビビったオレの後ろに立っていたのは、公民館で働いている事務員のおばさんだった。申し訳なさそうに事務所へ誘導してくれようとしたが「大丈夫です」と断り、便所に行く振りをしながら裏口へと足早に向かう。
そして迷う事なく自転車に跨がり、タバコ屋までの道を全力で漕いだ。
小吉さんと一緒の時とは比べものにならない速度で、タバコ屋に舞い戻ったオレは、人通りの全くない道端で自転車を止めて、公衆電話の前に立った。
この電話も故障していたら諦めよう。そう心で唱えて、受話器を持ち上げる。恐る恐る耳に近づけると、なんの音も聞こえず呆然としてしまった。
「あ、先に金を入れないと駄目なのか。そりゃそうだよな」
小銭の投入口を見つけ、当たり前な事に思い当たり慌てて財布を取り出す。けれど、確かめるまでもなく、オレの財布に小銭の持ち合わせなどなかった。あるのは一万円札一枚のみ。
隣に都合良く置かれてある自販機で両替しようと試みたが、万札は受け付けないらしく、何度試しに飲み込ませても吐き出されてしまう。
冷静にタバコ屋で怪しまれず、両替をしてもらえる方法を考えながらも、地べたに這いつくばって十円でも転がっていないか必死で探すが見つからない。
咎められるのを覚悟で店に向かおうと財布を睨み付けていたら、その中に見慣れぬ何かが挟まっている事に気が付いた。
藁にも縋る思いでそれを取り出してみると、半裸の幼女が練乳に塗れて半泣きになっている絵が目に飛び込んで来た。
なんかもう条件反射で思い切り投げ捨ててやった。冗談に付き合える精神状態になく、投げ捨てたソレを思い切り踏み付けながら、ハッと我に返ったオレは、慌てて足をどけ半裸の幼女を恭しく手に取った。
「これ……使えるんじゃね?」
踏み付けたせいで、たくさん傷が付いたカードを服で拭きながら、恐る恐る公衆電話に近づく。受話器を持ち上げ、半裸の幼女をカードの挿入口にグッと押しやると勢いよく吸い込まれ、その上にあった液晶に50と数字が表示された。
耳元に受話器を押し当てると、しっかりと通話可能を示す音が聞こえてきた。「やった」と口元が緩むが、これで逃げ道はないんだと思うと、顔だけでなく全身が強ばった。
深呼吸を一つして、ポケットからスマホを取り出す。番号を呼び出す為にロックを外そうとして、自然と乾いた笑いが漏れる。オレはスマホを公衆電話の上に置き、静かにダイヤルへ指を伸ばした。
物心がついた時から、何度も何度も押した番号は、今でもこうやって電話の前に立つと頭に浮かんでくる。
中学に上がるまでは、携帯電話を持たせて貰えなかったから、迎えを呼ぶ為に毎日塾の前にあった公衆電話で電話をかけた。溢れ出した記憶をなぞるように、ゆっくりとダイヤルを押していく。
オレは何がしたいんだろう。
勝手に解約しやがった事に腹が立って文句の一つも言いたいんだろうか。
オレの意思なんて関係なく、こんな掃き溜めにブチ込んでくれた事の恨み言でも言う気だろうか。
そうだ。一言でもいい。一瞬でもいいから不快にさせる罵声を浴びせてやる。
言う事は決まったのに、いい言葉が出て来ない。圏ガクでの生活は罵詈雑言の応酬で、自分の中にあったそれらを使い果たしてしまったのか、浮かんでくる言葉はどれも場違いなモノばかりで焦る。
そんな焦りとは逆に、全くペースを乱されずにダイヤルを押す指は、淡々とその仕事を終えた。耳元で呼び出し音が聞こえると、歯が小さくカチカチと鳴り出して、ダラダラと汗が噴き出してくるようだった。
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