ウェイストランド・ジャパンに異状なし、報告すべき件なし

寸陳ハウスのオカア・ハン

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Note 4 やりたいこと

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 やりたいこと(順不同)。

 ①銃戦闘
 ➁処刑
 ③セックス
 ④〈BATiS〉実験都市外の探索
 ⑤人体爆破

 「生きていくには希望が必要だ。だから何でもいいからやりたいことを決めておくように」とA.I.R.に言われた。なので日記にも書いてみた。

 やりたいこと……。たぶんたくさんあるんだろうが、改めて人に訊かれると悩む。殺人もやりたいことリストに入るが、これはこの前やった。すでにやっていることは意外と多い。

 A.I.R.には「何でやりたいのか」と理由を訊かれた。訊かれたときはうまく答えられなかった。だって理由なんて後付けでしかないだろう? 例えば、おいしいものを食べたいとか、セックスして気持ちよくなりたいとか、ダルいから寝たいとか、人の三大欲求に理由なんてないだろう? それと同じだ。理由なんてない。ただやりたいと思ったんだ。

 強いて理由付けをするなら、社会が正常に機能していたころだったらできないことではある。かつてはゲームや映画などで疑似体験しかできなかったものが実際にできるようになったという点では、自由度は大きく増したと言える。
 ゲーム、映画、音楽、漫画、アイドル、セックスなどのエンタメは、コンテンツを物理的に収録したバックアップ媒体と、電源とA.I.R.システムへのダウンロード用アダプタがあればまだ遊べるが、そもそも転生以前から世界中のあらゆるエンタメが規制規制で終わっていたし、この世界ではさらにそれが加速しているようなので今さらヤル気も起きなかった。過去に面白いものもあるにはあったが、大抵は旧世代の遺物レベルで古いものであり、それらはヴァーチャルシステムとの親和性が薄く独自規格の独自ハードウェアが必要になるという点で、文明崩壊後に再び体験できるとは思えなかった。

 ネガティブに捉えれば、過去の多くのことができなくなった。しかしポジティブに捉えれば、世界の崩壊はあらゆるものの自由度を増したと言える。それはつまり、やれることの可能性が広がったということだ。

 やりたいことはたくさんある。それらをやるためには力が必要である。金の力でも権力でもない、純粋な暴力が。

 現状、手持ちの武器は国民総武装化計画で支給されたらしい国民拳銃と、初めて人を殺したネイルハンマーしかない。錆びたカッターナイフもあるがこんな物は武器にもならないので除く。

 もっと武器が欲しい。まずはアサルトライフルが欲しい。それも国民総武装化計画で支給されたような鉄パイプの銃もどきではなく、国防軍が持つ最新式か、あるいは中国軍の主力型が欲しい。
 銃の取り扱いや撃ち方については、中国との緊張が高まった時点で学校の授業で必修となったため、多少のブランクはあるが問題ない。A.I.R.も「射撃管制アプリケーションによる戦闘サポート、戦闘履歴の学習とフィードバック、スキルアップ訓練プログラムなどで協力する」と言ってくれた。

 やりたいこと……。最初は困ってしまったが、書いているうちにちょっとした目標もできた。また明日からが楽しみだ。
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