Another Dystopia

PIERO

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2034年8月 布石(中)

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 聖を奪還し、アジトの崩壊を見送った後俺たちは全員病院にいた。
 理由は明白。全員大なり小なり怪我をしているからである。最前線で戦っていた傭兵たちと鮫島さんは打撲や切り傷が多く、怪我した場所によっては縫う必要があった。
 最も、その中で特にひどいのは聖だった。医師の診断によると、長期間の監禁と暴力により、全身がボロボロでかつ栄養失調になっていた。
 全身の骨の何ヵ所かは骨折や罅割れ、暴行によって所々に青あざが目立つらしい。綺麗だった顔も擦り傷や打撲で痛々しい。奇跡的だったのは内臓にはダメージが殆どなかったことぐらいだろう。

「無事ではないが、助けられてよかった」

「そうだな。
ところでだが兄弟、なぜ聖の部屋には入らない?
彼女が最も会いたいのは兄弟のはずだ」

「…ちょっとな。まあ、少し心の整理がついてから会うことにする」

 その言葉に嘉祥寺は疑問符を浮かべるような表情をするが、俺はそのまま病院を後にする。
 聖は助かり、先ほどアダムから連絡が入り、チープハッカーを撃退したことを聞いた。これで残った問題はFR創造派の宣戦布告による影響だけとなった。
 だが、それは全体の問題だ。俺個人としての問題として二つほど解決しなければいけないことがある。
 早速その問題を解決するために電話をかけ始めた。

『あれ?マスターどうしたの?』

「現状報告と、アダムに一つ確認をしたかったんだ。
今時間はあるか?」

『大丈夫だよ!あたしもマスターに伝えたいことが山ほどあるから!』

 その後、俺とアダムは情報の共有を開始する。こちらからの情報共有は聖の救出が成功したこと。FR改革派のリーダーを倒したこと。そして、チープハッカーが宣戦布告してきたこと。
 この三点を伝えた後、アダムは何が起きたのか情報を話し始めた。

「…そうか、アカネが復活したのか」

『そうなの!今はロボットだけど、ニューマンの肉体があればいつでもその肉体に戻れるらしいって堀田さんが言ってたよ!』

「予算はどうやって賄ったんだ?まあ、そのおかげで皆が助かったんだ。
全く仕方ないが、それは大目に見るとしようか。
白橋はどんな状態だ?」

『白橋さんは病院で治療している最中だね。でも、大きな怪我はないから心配しなくても大丈夫って小林さんが言ってたよ!』

 彼女の大怪我という基準が今一つわからないが、多分安心しても大丈夫だろうと判断した俺は、早速本題に移った。

「アダム、一つ質問がある。
アスクレピオスはどうなった?」

 その質問に突然アダムの声が止まる。だがそれは理解できない質問という意味ではない。おそらく驚愕その類の反応であった。

『なんでマスターがアスクレピオスのことを覚えているの?
堀田さんも白橋さんも覚えていなかったのに…』

「いや、覚えてはいない。厳密にいえばここ数日何かと関わり、話した記憶があるが、その何かが思い出せないという状態だ。
それに俺はアスクレピオスがいなくなって周囲の人間の記憶が消失した現象を見たことがある。
だから念のために確認したかったんだ」

 するとアダムは沈黙する。その反応からして俺はすぐにアスクレピオスがどうなったのか察した。

「消えたのか。アスクレピオスは」

『…うん。自分が存在する限り、悪い未来に進んでいるから消えることに関しては気にしなくていいって。そういってたけど…。
ねえ、マスター。本当にアスクレピオスは消えないといけなかったのかな?』

 その疑問に俺は沈黙する。アスクレピオスという存在はアダムにとって大きな存在なのだろう。そしてそれはアスクレピオスも同じだろう。現に、今回彼の記憶を覚えているのはアダムだけなのだから。
 この質問に正解はない。だからこそ俺が考えられる最良と思う考えをアダムに返す。

「消えていいものなんてこの世にはいないんだ。だが、アスクレピオスは消える覚悟の上で過去にやってきて俺たちを支えた。その思いを俺たちは無駄にしてはいけない。
それに、アダムに残した言葉はそれだけじゃないだろう?」

『うん。未来を頼むって。言ってた』

「ならその言葉を実行するために、俺たちもやるべきことをやるんだ。
わかったか?」

 しばらく無言だったが、アダムは元気よく返答する。気持ちの割り切りはまだ難しいのだろう。だが、これでアダムの精神は一歩成長できた。この大きな経験がアダムの力になってほしいと願うばかりだ。

「それじゃあ、電話を切る。
何かあったらまた連絡してきてくれ」

 俺は電話を切り、再び病院へと向かおうとする。アダムがアスクレピオスを失い、託された思いを背負って戦いの準備を始める。ならば俺もその準備をしなければいけない。例えこの戦いの結末が見れないとしても。
 病院に戻った俺は覚悟を決め、聖がいる病室に向かう。途中、治療が終わった傭兵たちと軽く話しつつ、嘉祥寺がどこにいるか聖を治療した傭兵に聞く。

「嘉祥寺?あの変人。鮫島さんと話している」

「わかりました。ありがとうございます」

 要件が終わってからこれからのことを話そうと決めつつ、俺は再び聖がいる病室に向かう。しばらく歩くと、聖の名前が書かれた病室を発見する。扉は閉まっており、軽くノックをすると明るい返事が返ってくる。
 部屋に入るとそこには包帯を巻かれた痛々しい聖がいた。しかし、先ほどの明るい返事と反して少しだけ不機嫌そうな表情である。

「ようやく来たね。ちょっと遅いんじゃないかね?」

「日本でも襲撃があったのでその整理をしていたんだ。
聖は元気そう…じゃないな。体の調子は大丈夫ですか?」

「これが元気に見えるかい?って言いたいところだけど意外と元気だね。
まあ、体はボロボロだけどね」

 そういうと先ほどの不機嫌そうな表情から一変しいつも通りの明るい表情になる。どうやらさっきの表情は演技だったらしく、あえて不機嫌そうに見せていたようだった。
 その様子に少しだけ安堵すると俺は早速伝えるべきことを伝え始める。

「治すのにどれくらい時間がかかりそうか?」

「早くて二か月。日常生活に戻るのに四か月はかかるっていうのが医者の見込みだね」

「そうか…」

「…弁田くん。言いたいことは分かるね。
作戦に参加するな。そう言いたいんだね」

 その言葉に俺は黙って頷く。正直に言ってしまえば今の聖は足手まといだ。何か月も入院しなければいけないというハンデを背負った状態でこれからの戦いに挑むというのは自殺行為に他ならない。
 それを理解しているのか聖は諦めたような表情で大きく溜息をつく。

「わかっているね。私は戦えないね。
敵の情報ももう持っていない私は役に立つことができないね」

「…ああ」

「そこは否定してくれないかね?全く、弁田君は乙女心というのをわかっていないね」

「悪かったな。だけど事実だ。
悪いが聖はここで治療に専念してくれ」

「まあ、仕方ないね。私は勝利を祈っているね」

 聖の表情こそ笑ってはいたが、その手は強く握られていた。彼女の意思を尊重したいが、ここからの戦いは危険すぎる。だからこそ、こうして伝えなければいけなかった。
 結果はどうあれ、納得してくれた聖の様子を見てとりあえず一つ目の要件はこれで済ました。そして俺は大切な二つ目の要件を彼女に伝える。

「聖、もう一つ要件があるんだが…」

「ん?何かね?」

 きょとんとした聖の顔を俺はじっと見つめる。改めて彼女の顔を見るが、今は包帯を巻かれ痛々しい様子だ。しかし、彼女のその明るい顔つきと綺麗な目は俺を簡単に誘惑させられる。
 流石に距離が近すぎたのか聖の顔が徐々に赤くなっていき、最終的にはゆでだこのように真っ赤になってしまった。

「い、いきなり何をするんだね!?
まさか…本当に犯罪をするつもりかね?」

「断じてそんなことはしねぇよ!ったく。我ながらだめだな本当に」

 俺は少しだけ距離をとってベットの隅っこに座り、覚悟を決めて聖の顔を見ながら俺の胸の内を語り始める。

「聖。お前が攫われたと聞いて、俺は心配したんだ。
もしかしたらもう手遅れになっているんじゃないかって思ってた。でも奇跡的に助け出せた。それはよかった。だが、もしも間に合わなかったらと思うとこう…胸の奥が痛くなった」

 羞恥の限界を超えた俺は咄嗟に顔を明後日の方向に向きを変える。そしてそのまま俺は震える唇を御しながら続きを語り始める。

「もう二度と聖、お前を危険な目に遭わせない。
だから…その、なんだ。祈っていてくれ。俺が俺たちが無事に作戦を終わらせて帰還することを。
それだけで俺は勇気が出る」

「…はあ、ヘタレだね弁田君は」

 その言葉に俺は反論しようと咄嗟に聖に振り返る。直後、口元に何や柔らかい感触が伝わってきた。ふと視界に映っていたのは聖の顔だった。かなり近い。それこそキスができるほど近い距離に…。
 そう考えた直後、今俺がしているこの状況を理解し、頭の中に伝わってくる情報量によって俺自身の動きが止まってしまう。
 時間にして一瞬。だが、その時間が十秒と思ってしまうその濃密な時間に俺は理解が未だ追い付いていなかった。口元から伝わる感触が離れ、聖の顔が全て見えたと感じた直後、情報の波が一気に襲い掛かってきた。

「…エット…その…あれ?」

「そこまでショートするとは思わなかったね。
弁田君…はやめようかね。…いい加減に現実に戻ってくるね聡」

 こつんと頭に小さな衝撃が響き渡る。直後昔のテレビのように調子を取り戻した俺は先ほどのやり取りを改めて認識する。

「聖?さっきのは俺の勘違いか?」

「そろそろ怒るよ?」

「すみませんでした」

 そのやり取りで俺はようやく聖とキスしたこと認識をする。しかも前回の事故とは違う。明らかに好意を持って聖からキスしてきたのだ。すると聖は戸惑っている俺に対してさらに追い打ちを仕掛ける。

「聡。私は聡のことが好き。今までも、これからも。
だから死なないで。必ず私のところに戻ってきて。そしたら私の約束を今度こそ守ってね」

 その言葉に俺は胸の奥にチクリと刺さる。
 聖の思いはすごく嬉しい。俺も彼女のことが大好きだ。だがもしこの言葉を言ってしまえば俺と聖は後悔するかもしれない。
 だが、それでも俺は呪いともいえるこの言葉を彼女に伝える。

「わかった。必ず戻ってくる。
それと一つ言っておくが、俺はかなり愛が重いらしいぞ?」

「それは楽しみだね。まあ、アダムの様子を見れば大体わかっていたけどね」

 俺たちは軽く笑う。そして沈黙した後、今度は俺から聖にキスをする。
 あの言葉が本当ならば俺の幸せな時間はこれが最後となるだろう。だが、それでも俺は最期まであらがい続ける。俺はあの時、何者かに言われた…アスクレピオスに宣告された言葉を思い出す。



「弁田さん。大事なことを伝えなければならないです」

 アスクレピオスに呼び止められ、一度手を止める。大事なことというからには作戦に生じるものだろうかと考える。

「大事なこととは一体何だ?」

「これはマスターが必ず伝えるようにと言われた伝言です。
マスターが開発したとある未来計算予測によると、弁田聡さん。あなたは…
2034年のFRとの戦い中に意識不明になります。
そして、その運命はどの世界線でも回避することはできないです」
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