Another Dystopia

PIERO

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2033年 7月 残心(上)

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「佐夜!結婚おめでとう!」

「痛った!!
ちょっと!?嬉しいけどそこまではしゃがないでよ!というか、手はあまり叩かないで!
まだ筋肉痛でかなり痛いから!」

 小林一家の事件から一か月後、俺たちは自室で祝勝会兼小林佐夜の結婚祝いを行っていた。会社から参加しているのは俺を含め嘉祥寺、白橋、中田、アダムの五人だけだ。その様子を見て俺は楽しく見ている。そしてもう一人同じような楽しみ方で参加している人物がいた。

「元気か弁田」

「ああ、雪花さん。腕は大丈夫なんですか?」

「まあな。幸いFBIから入院費とかがっぽりもらったからな。痛みはもうない。
近日中に義手も作ってもらうつもりだ」

「そうですか。それは何よりです」

「最も、もう剣を握ることはできないがな。佐夜のボディーガードもあの戦いで終いだな。
まあ、必要ないがな」

 俺と雪花は軽く乾杯してワインを飲む。パーティーが始まる前に退院直後なのにお酒は飲んで大丈夫なのかと尋ねたが、黙っていれば大丈夫などという意味不明な理由を押し付けてきた。
 だが、本人が大丈夫というのであれば大丈夫だろうと俺は判断する。最悪何かあれば自慢の嫁さんに引き取ってもらえばいいだけの話だ。

「聞いていい話じゃないと思うが…足りないメンバーはどうなったんだ」

「…そうですね。少し長くなので飲みながら話してもいいですか」

「べつにいいさ。それに、聞いてほしいような面してたからな」

「ありがとうございます。それじゃあ、話しますね」

 俺は今この場にいないメンバー、堀田、アカネ、アスクレピオスそして聖先輩について語り始めた。
 堀田はあの一件以降、研究室の地下に引きこもってしまった。時間の経過で何とかなると思っていたが、白橋の話曰く自分が暴走した結果アカネにかばってことで命が助かったということと、自分のせいでアカネが失ったという自己嫌悪によって再起不応の状態らしい。
 最も、人間としての生活はちゃんとしてるし、仕事もしている。まだ完全に回復しているわけではないだろう。事実、今回のパーティーの不参加についても俺にだけ伝えてきた。
 その際、堀田の目を見たが少しずつ変わり始めている。今すぐ立ち直ることはできなくても、徐々に回復はしているのだろう。
 アカネに関しては語りことは少ない。
 切り刻まれたアカネを見て俺は中田に治せるかどうか確認した。しかし、ニューマンコアそのものが破壊されたため、再現は不可能であると結論を出した。
 何とかして蘇生するべきだという俺の考えに対して中田はすぐに却下した。
 理由はただ一つ。データを復元し、別の肉体に移したとしてもそれはアカネの記憶を復元した別の誰かという違和感を感じてしまうからというものだった。
 その言葉に俺は納得せざる得なかった。そう結論を出した俺と中田はアカネの残骸を研究室のとある場所に丁重に保管している。気持ちの切り替えができ次第、また材料として生まれ変わらせる予定だ。
 余談だが、雪花にはアカネはロボットだったことを告げると大層驚かれたがそれだけだった。
 アスクレピオスは文字通り、この世から消えてしまったらしい。いや、正確にいえば誕生していないという扱いになるのだろう。
 あの作戦が終わったあと、嘉祥寺からアスクレピオスが消えたことを初めて知った。しかし、驚くことに俺はアスクレピオスの存在を全く覚えていなかった。
 唯一違和感があったのは何かがいたという痕跡のみ。その痕跡から彼がいたことはある程度推測できたが、どんな性格で、どんなロボットだったのか知らない。
 嘉祥寺の考察では、記憶が残る条件があるのではないかと考察している。可能性の一つとして、存在が消える直前まで話していたことが大きな要因ではないかと考えているが、真相は謎である。

「なるほどね。堀田君が徐々に立ち直りそうで何よりだ。
アカネちゃんに関しては少ししか会わなかったからわからなかったけど…。まあ、ご冥福を祈るよ。
アスクレピオスに関しては俺は面識がないからノーコメントで。それで、聖さんだっけ?彼女はどうなったの?」

「聖先輩は…」

 続きを言おうとした時、ガチャリと玄関が開く。部屋に入ってきた人物は元気よく俺たちに挨拶をする。

「ごめんね!遅れてしまったね!」

「大丈夫ですよ。買い出しお疲れ様です」

「…別に素でもいいんだね。わたしとしてはそっちの方が親しみやすいね」

「あれは敵対してる時の態度ですから。それに、監視がある限り手を出すことはないですからもうあんな態度はとりませんよ」

 そういっても納得しない彼女、聖先輩は買い出しに行っていた食材を冷蔵庫に入れ、白橋との会話に混ざる。俺は雪花との談笑を続ける。

「聖先輩はまあ、見ての通りです。現状が現状ですのでFBIの組織下が監視するよりも俺たちのマンションで過ごしてもらった方が都合がいいそうです」

「都合ね。まあ、納得だな」

 彼女、聖先輩がこのマンションに帰ってきたのはつい先日のことだ。
 事件が解決し、聖先輩はFBI預かりとなったがFR創造派による宣戦布告、そしてデーモンコアの回収失敗、これからFR創造派がどう動くのかという調査と情報収集に人員が足りない状況になったらしい。
 既に有用な情報を吐いた後の聖先輩を監視する余裕も時間もないため、どうするべきかと悩んでいる中、鮫島さんが一つの案を出す。それがこのマンションで監視するというものだ。
 無論、ただでこのマンションに戻ったわけではない。聖先輩の首についているチョーカーはGPS機能が搭載されておりいつどこで何をしているのかバレバレだ。もし怪しい行動をとろうならばすぐさまFBIが突入するらしい。

「あいつも大変だな。まあ、顔色がスッキリしたようにみえるから気がある程度楽になったのかな?」

「確かに、そう見えますね。今まではどこか思いつめたりしてましたので…」

 俺はワインを口に含み、味と香りを味わう。普段ではなかなか飲まない代物のため、普段以上に大切に飲んでいる。
 ふと、俺は一種の疑問を浮かべる。おれはその疑問の答えをおそらく知っているであろう雪花に問いかける。

「そういえば、気になったんだがなんで赤沢は小林佐夜を当主にすることをしなかったのですか?
後から鮫島さんに聞いた話ですけど、小林さんを当主にすること反対どころかむしろ賛同していたそうじゃないですか」

 その質問をして、雪花は何か悩んだ。この表情は解答に困ったわけではない。答える必要があるかどうか。そういった点に関して悩んでいる様子だった。
 しかし、雪花は何か吹っ切れたのか悩んだ表情を辞め、俺の質問に答える。

「全部片付いたから言うが、今から聞く内容は佐夜には言わないでくれよ。多分、嫌われる。それを守ってくれるっていうなら話すさ」

「わかりました。少なくとも佐夜には言わないです」

「…佐夜は生まれながらあまりに当主という才能に恵まれすぎていた。所謂、カリスマってやつだな。
その鱗片を表したのが佐夜が小学生の頃だったけな。海外のマフィアとドンパチやりあって前当主が負傷した時に数日だけ小林一家を仕切ったことがあったんだよ。
その際にかな。前当主が佐夜の才能に気が付いたのは。的確な指示、容赦ない報復。全てが前当主を上回っていた」

 楽しそうに笑っている今の小林を見てそうとは思えなかった。だが、作戦中の小林の立ち振る舞いや部下に対する配慮、そしてその風格は間違いなく極道の当主としては最高傑作ともいえるだろう。
 そんな小林を見ながら日本酒を飲みつつ、雪花は話を続ける。

「当時の幹部たちはこれで組織も安泰だと思っていたんだ。でも前当主様と赤沢だけは考えが違っていた。未来ある愛娘にこんな極道の当主を継がせてもいいのか、と。だから前当主様はあえて佐夜を継がせないように立ち回り、赤沢は佐夜から嫌われるように振舞ったのさ。
だが、前当主が亡くなった直後、組織という形が保てなくなり、。結果的に小林一家は形だけで何とかやりくりしている状態になった。
赤沢もやむ得なかったんだろう。佐夜を前当主の遺言通り自由にさせるか、歴代当主が創り上げてきた小林一家を守るか。幸い、赤沢は小林一家の中でも相当嫌われている。その立場を利用して組織内の汚点を道連れ。あわよくば佐夜が当主になればいいなんて思っていたんだろう。
最も、真相は闇の中。死人に口なしだけど」

 真相を聞き、俺は少しだけ理解した。全ては小林佐夜という人間のために立ち振る舞い、命を懸け、そして守り抜いた。印象こそ最悪だったが、赤沢という男に少しだけ敬意を払う。
 ふと雪花が何か気になったのか質問する。

「そういえば話が変わるけどさ、弁田くんと聖さんって付き合っているのか?」

 その言葉を聞き、俺はワインを少し吹き出し、ゴホゴホとむせる。どうやら気管にワインが入ってしまったらしくかなり苦しい。雪花はスッとハンカチを手渡し、俺は軽く礼を言う。

「ありがとうございます…。
別に付き合ってませんよ。聖先輩はあくまで研究仲間です。それだけですよ」

「ええ?そうかぁ?
俺から見ればなかなかにお似合いだと思うが?」

「このスイーツ脳が…。っと失礼。
お世辞は結構ですよ」

 俺はその話題を打ち切るため無理やり話題を変えようとする。だが、いい話題が思いつかない。どうしたものかと悩んでいると雪花が真面目な声色で話始めた。

「ありがとうな。弁田くんたちがこうやって行動してなかったら俺たちは死んでいた。
こうして輝かしい未来を手に入れることができなかった」

「…いきなり真面目に話さないでくださいよ」

「だからこそだ。これはスイーツ脳とかそういうのは別にしての話だ。
俺の勘違いかもしれないが、弁田くん。君には命を捨てる覚悟が出来すぎている。
まるでこの世界に何も未練がないように…そう、みんなのためじゃなくて弁田くん個人のためにという願望がまるでないように感じる」

 その言葉を聞き、俺は胸の奥にチクリと刺さる。
 俺自身のため。確かに今まで戦ってきたのはあの未来を変えるため。それだけのために生き、戦い、そして勝利してきた。
 だが、それは全て俺がなすべきことであり、願望ではない。改めて俺は考える。この世界に来た時の俺の願望とは一体何か。
 その様子を見て雪花は日本酒を飲み、俺の肩をポンポンと叩く。

「まあ、すぐには答えは出ないと思うさ。
だが、前線を引く大人のアドバイスと思って聞いてくれ。おそらく、ここからの戦いは正義と正義の戦いだ。敵のボス、教授の考えは理解できないが教授なりの信念や思い、願望があって戦っている。
だからこそ世界を敵に回す覚悟があった。その覚悟を上回るお前自身の信念や願望がない限り勝てない。
些細なことでいい。お前にとって大切なものを見つけろ。それが最後に支えになる」

 その言葉を言ったと喋りすぎたと愚痴を零す。だが、その言葉に俺はなんとなく共感を感じる。
 時崎教授と過ごした時間は俺からすれば十数年前だが、あの時過ごした時間に偽りの感情はなかった。教授は心の奥から笑っていた。事実、時崎教授が開発したチープハッカーのからくりを理解した時はその時の感情をわずかに表していた。
 一体何があってここまで変わったのか。そしてそれを決心するに至るまで何があったのか。俺はそれを理解する必要があると結論を出す。

「わかりました。俺も何か大切なものを見つけてみます」

「いや、絶対わかってないでしょ。はあ、こりゃあ聖さんも大変だ」

 雪花は新しい日本酒を補充するため、冷蔵庫へと向かって行く。足取りが怪しいことに気づき、近くにいた小林は困った様子で雪花に寄り添い、お酒ではなく水を渡す。
 二人の様子はまさに夫婦だけあって仲はかなり良かった。その様子を見ているだけで俺は自然と癒される。今はこの安らぎを楽しもうと考える。

「だいぶ楽しそうだね。みんなと話に言ったらどうかね?」

「今はいいです。それに、あの状態で絡みに行くのはちょっと躊躇いがありますから」

 俺はワインをグラスに注ぎながら聖先輩と話をしつつ視線を嘉祥寺たちに向ける。案の定、お酒をかなり飲んだのか、嘉祥寺は顔を真っ赤にして一升瓶をもってはしゃいでいる。その嘉祥寺と一緒に肩を組んでいる中田も同様で、彼はワインを片手にげらげらと笑っている。あの場に混ざれば間違いなく気を失うほど飲む羽目になるだろう。

「まあ、あれはちょっと飲みすぎだからね。にしても、白橋さんは本当に強いね」

「あいつは蟒蛇ですから。酔った姿なんて一度も見たことありませんよ」

 そして沈黙。俺は視線を聖先輩に向ける。お酒が入っているからか。あるいは作戦が一段落して心の余裕ができたからか、普段と違った感覚で彼女を見ているような気がする。
 入社した時は先輩という目でしか見れなかったが、今は違う。あの一件があったからこそ聖先輩を別の視点で見てしまう。いや、正確に言えばそれを意識してしまう。
 タイムリープする前でもこの感情は知らない。だからこそ俺は考えてしまう。これは俗にいう…。

「ねえ、弁田くん。ずっと気になっていたんだけど、何でこの会社に入社した後にも『先輩』って呼ぶのかね?というか、もうその呼び方はやめてほしいね」

「いや…癖というかなんというか。俺にとって聖先輩に学んだことが本当色々あったので。そういう意味も込めて呼んでるだけです」

「じゃあ、先輩命令としてこれからはわたしのことは『先輩』ってよばないでね」

 その言葉に俺は若干戸惑いを覚える。今まで先輩と敬称をつけて呼んでいたのだ。それがいきなり別の呼び方にするというのは少し慣れないというか、小恥ずかしく感じてしまう。

(いや、何で小恥ずかしいと思う。普通に苗字を呼べばいいだけのはなしじゃあ…)

「それと、追加で苗字で呼ぶのもやめてね」

 万事休す。俺は周囲にヘルプを求め比較的まともなアダムと白橋に視線を向ける。視線に最初に気が付いたのはアダムだった。しかし、アダムはにこにこと笑っているだけで何も助けない。白橋に視線を向けるが、全て把握しているのかにやにやと俺の様子を観察している。
 その様子を俺は図られたことを悟った。どうしようかと考えると聖先輩が服の袖を引っ張られかなり顔が近いところまで引き寄せられる。

「それとも…わたしのことは呼べないのかね」

「いや…その…」

 俺は思考回路を回し、この状況をどうやって打破するか考える。だが、このような例は人生において一度もない。データがないということに気が付き、俺は軽いパニックが起きそうになる。
 だが、それはすぐに瓦解する。突然聖先輩が笑い始めたのだ。その様子に呆気に取られた俺は茫然とする。

「い、いくら何でも…ここまでショートするかね!?
こんな弁田くんを見るのは初めてだね!」

「まさか…からかっていたんですか?」

「まあ、どんなリアクションするかなっていうのは気になっていたけど…。
まさかここまで不具合が起きるとは思ってもいなかったね!」

 笑いが止まらない聖先輩の様子に俺は逃げるようにワインを飲む。どうせ、そんなことだと思っていた。そう自身に言い聞かせすぐ空になったグラスにワインを注ごうとした時、耳元で聖先輩は話し始める。

「でも、今まで言っていたことは本当だね?」

 そのささやきに俺は飛び上がる。改めて聖先輩の顔を見るが瞬間、俺の心臓がおかしくなる。
 よく見慣れた白い肌と碧眼の目。プラチナブラウンの髪。整った容姿。明るく、安らぎを与えるような声。その一つ一つが俺を魅了する。
 聖先輩の目が合う。俺は戸惑いを隠せないが聖先輩は話を続ける。

「もしかして弁田くんにはまだやることがあって気持ちの余裕がないかもしれないね。
でも、この二つは覚えておいてね。一つはわたしは弁田くんとの今の関係を変えたいと思っている。でも少しづつでいいね。わたしは弁田くんのペースに合わせてでいいね。
それともう一つ。わたしを止めた際に言ったあの言葉、忘れないでね」

 あの時の言葉。俺はあの時の出来事を思い出す。

「もちろんです。最後まで戦う。全ての決着がつくまで。それが聖を救った時の約束ですから」

「そうだね。…って、今なんて」

「さあ、俺もあの団体さんに混ざってきます!」

 俺は逃げるように聖先輩…聖から離れ泥酔組に参加する。一瞬、聖の顔を見たが少しだけ嬉しそうな表情を見て俺も嬉しくなったのはここだけの秘密だ。 
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