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55話 アラスカ攻略
しおりを挟むハワイ時間 1941年12月8日 18:00
ハワイを上陸占領した海兵隊は、占領統治を陸軍に引継ぎし、補給終了後に丸一日を休養日に当てていた。
海兵隊部隊の後に来た陸軍部隊の艦隊には、娯楽艦と呼ばれる兵士のストレス解消を目的としたレジャー施設満載の艦船が同行し、中破総理がガブリエルからレンタルしてもらったメイド型セクスロイド5,000体が、施設従業員として勤務していた。
セクスロイドもメイド等の給仕や各従業員の仕事の他、風俗嬢(娼婦)としての役目もこなしていた。
コレは、占領した地域の現地女性を守るための有効な手段といえた。
つまり、戦争等の争い事は人間として生命の危険度が高まるに連れて、種の保存という生殖本能が高まり、性ホルモン等の分泌量が増加するため、兵士はセックス衝動に走る傾向が強くなるわけである。
このことは男性に限らず、女性もその傾向が強まる者も多く、生物の本能上仕方が無いことであった。
中破は過去自衛隊員であった時の経験則から、大規模戦闘や戦争時では本能的に性的欲求が高まるのは自然の摂理であり、コレを無理に抑えると精神的に異常を来すことがあり、最悪精神崩壊して犯罪者や精神異常者等を生み出す温床になり得るため、これらの解決のために娯楽艦を造り上げた訳である。
なお、セクスロイドを娼婦代わりに用意したのは、現地女性を守るためだけではなく、兵士達の性病防止と健康管理も兼ねていた。
因みにこのセクスロイドは女性型だけでなく男性型も用意されて、イケメンホストタイプが女性士官、兵士達の間には人気であった。
なお、兵士間での男女の恋愛は禁止しておらず、むしろ奨励していた。
但し、作戦に支障を伴う恋愛行動は自粛するとともに、妊娠を控えるように通達が出されていた。そのため女性兵士はピルを服用することを奨励され半ば義務化しており、各艦船の医療区画には常備薬のように避妊薬を備えていた。
当然ながら休養日での恋愛中の兵士達は、娯楽艦のラブホテルフロアが満室になるほど盛況であった。
丸一日の休息日には、2,000人の海兵隊員の他、同数の海軍兵士が一緒に娯楽艦を利用していた。
同じ軍兵士では、戦闘時は互いに協力関係にあるものの、非番や休日等では組織上考え方の違いから、互いにいがみ合うことや暴力沙汰に発展する可能性が高かった。
そのため、この娯楽艦は各所属間の争いやいざこざを防止するため、利用時の出入口とフロア各層が分離され、同時に利用しても互いの部隊が遭うことが無かった。
また、仲間同士での喧嘩沙汰は、娯楽艦内にいる隠密ロイドが密かに不良分子を排除し、隔離フロアに連行後に反省房代わりにして出発日まで軟禁状態に置くことで、無用のトラブルを起こさせないようにしていた。
場面を娯楽艦からアラスカ攻略に戻す。
ハワイ時間 12月10日 6:00
娯楽艦で鋭気を養った海兵隊員と海軍兵士は、空母1隻、艦載機F-18改70機、イージス艦2隻、強襲揚陸艦1隻、NF炉型潜水艦1隻、補給艦1隻でオアフ島を出航し、一路アラスカに向かった。
千島列島時間 12月14日 22:00
幌莚島 柏原空軍基地にて
柏原空軍基地から5機のB-1sが離陸した。
行き先はアラスカでアラスカ攻略部隊の先行支援爆撃が目的であり、爆撃の目標地点はアンカレジ、ジュノー、フェアバンクス等の軍事基地であった。
B-1sの爆撃は、約10分程度でアラスカ準州内の軍事基地施設、部隊等全てを破壊し、柏原空軍基地に帰還していた。
アラスカ時間 12月14日 6:00
日本軍海兵隊は、強襲揚陸艦のウェルドックからエアークッション艇3隻、オスプレイ改5機が上部甲板から飛び立ち、アンカレジ、州都ジュノー、フェアバンクス等の主要都市を制圧していた。
海兵隊制圧時、主要各都市の軍事拠点から黒煙が立ち上っており、B-1sの先行支援爆撃が既に終了した時点で敵軍で動ける者や兵器等は残っておらず、ほぼ戦闘を行わずに3日間でアラスカ準州全土を完全制圧占領した。
アラスカを占領した海兵隊は、海兵隊がオアフ島出発日の3日後に出発した
陸軍部隊に占領統治を引継ぎ、海兵隊は幌莚島柏原基地に向かった。
海兵隊の次の攻略地はカムチャツカ半島であり、陸軍の沿海州、極東地区進攻に合わせた支援的攻略であった。
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