日本国転生

北乃大空

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17話 閣下とサリーと妹達の微妙な関係 その2

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「いやー、流石にガイア様が惚れた男性ですね。
 私らも夢中になりましたが、3人掛かりでもアッサリ往かされましたね」

「サリ姉、蘭姉、私の働き口を紹介してくれて、ありがとう」

「フフフ、レミー。裸の格好でそんな挨拶しても、格好付かないから」

「それよりサリ姉、閣下は?」

「浜辺をジョギングしているわ」

「でも、素敵な人ですよ」

「貴女達と閣下を共有するのは、あくまで目的達成のためと貴女達のストレス捌け口になるのかな?」

「ハイハイ、分かっていますよ沙理江姉様。
 沙理江姉様が一番で、二番が私で、三番目が玲美ということね」


 3人姉妹が服を着て、寝室の片付けも終わり、一段落付いたところで3人が朝食準備をしたところで、ジョギングを終えた中破が帰って来た。


「「「閣下、お帰りなさいませ」」」

「お、おう。只今!」


 高田三姉妹は基本的に体型がほぼ一緒で、背丈が一番高いのが蘭子で166cm、後は沙理江が165cm、玲美が164cmとほぼ変わらず、スリーサイズもほぼ一緒で、しいて言えばバストカップのサイズが沙理江から順にG、F、Eという感じであろうか。
 顔立ちはもっと似ていて、沙理江がロングストレートヘアーで、一見清楚風OL、蘭子が三つ編み女子、玲美がショートカットで女子大ギャル風で、そのように髪型で区別しなければ、3人一緒の同じ格好をした場合、殆ど見分けが付かないからであった。

 中破と3人娘は、朝飯を食べた後、コーヒーを飲みながら今後の予定について話を始めた。

「さて、現在俺は国防大臣であるが、来年の次の総裁選で総裁に任命されて、2037年の総選挙で与党が大勝利し、総理大臣に就く予定を立てている。
 そこで君達3人を含めた力が必要なんだが、何か策を教えて欲しいな」

「蘭姉、ガブ姉様のセクスロイド隊を有効利用しては?」

「成る程ね、『英雄色を好む』と言うし。あ、勿論閣下の事も含めてですが」

「沙理江、蘭子を荒縄で簀巻きにして良いか?」

「どうぞ、御自由に」

「玲美、お前も手伝え!」

「了解、蘭姉様を縛る時は直接の銅線ワイヤーで縛った方が効果的かと」

「玲美!アンタ、覚えていなさい」

「それで、私が銅線に電流を流しますから」

「閣下、お許し下さいませ。閣下には二度と毒舌と冗談は言いませんから」

「私からもお願いします。
 玲美が全力で雷を落とすと、私が蘭子に蘇生術を使わざるを得ませんので」

「蘭子、大丈夫だ。傷付けないから少し実験をして良いか?
 小電流が流れている時に、君の得意な瞬間移動をして欲しいんだ」

「玲美、それじゃ100ボルト位で始めて」

「分かりました、閣下」

「大丈夫ですか?閣下。蘭子は雷電耐性はかなり低いですよ」

「その状態で蘭子、瞬間移動を」

「あああ、身体中ピリピリ痺れてますわ。
 もう、閣下の鬼!フン!え?あれ?瞬間移動が出来ません」

「玲美、電気を止めて銅線を外してあげて」

「沙理江、蘭子の痺れをヒーリングして頂戴」

「な、なぜ?コレ位の電気で転移出来なかったのかしら?」

 蘭子は痺れで苦しい思いで涙を流したのではなく、瞬間移動が思い通り出来なかったことに悔し涙を流していた。

「閣下、どうして私は瞬間移動出来なかったのでしょうか?」

 中破は以前観た映画で、一般人が瞬間移動能力を身に付けて、それらを退治する組織がその能力者を捕まえる策として、電流網を使って瞬間移動を制御していたことを思い出し、お仕置き兼実験代わりで蘭子に電流効果を試したわけだった。

「蘭子、君の弱点が分かった気がする」

「私の弱点は電気ですか?」

「その予想で間違いないな。
 もし、蘭子が瞬間移動前に敵勢力に電流網を被せられたら、多分身体が麻痺して捕らえられてしまうだろう」

「沙理江、この世界にはまだ電磁バリアは存在しないが、蘭子が過去地球以外の場所で、電磁バリアを持つ敵と対戦したことはあるのか?」

「ハイ。まだ直接の敵は存在しませんが、我らの宇宙船母船内に戦闘訓練場が存在し、そこには電磁バリアを張り巡らす装置も存在します」

「ふむ、我が国防装備庁の技術開発部も同様のモノを開発中なのだが、うまくバリアを空間展開出来ないんだ。
 超テクノロジーであることは分かっているが、ガイア様の許可を取ってその装置を国防装備庁に持って来て欲しいのだ」

「お安い御用です、閣下」

「私がテレパシーで、まずガイア様に伝えます。
 蘭子、先程の電撃ダメージはないかしら?」

「大丈夫です、沙理江姉様」

「それじゃガイア様とお話しを。
 フムフム、それでは先の件はOKです。閣下」

「了解、それじゃ頼むぞ」

「蘭子、それでは母船まで装置を取りに行って来て」

「了解、それでは行って来ます」

 それから5分後、蘭子は熱海の別荘に戻って来た。

「早!もう戻って来たの?一体母船まで何キロあるの?」

「月の裏側の40万kmの地点ですね。
 つい最近までは、ステルス素材と光学迷彩等で隠蔽していましたが、重力波異常検知器を開発した人類の科学発展について、神々の隠蔽技術に追い付き始め、人類が宇宙船を発見するのは時間の問題であることを、中央管理局にガイア様が嬉しそうに報告したそうです。

 そこで先日、中央管理局の科学技術部が新規開発した亜空間潜行装置を母船に取付し、隠蔽技術が向上したとのことです。
 コレで人類自身がワープ技術を自ら開発しない限りは、母船はしばらく発見されないとガイア様が言っていました」

「物凄い科学技術だな。まずは取りあえず我々を市ヶ谷まで運んでくれ」

「了解、閣下」


 中破一行は、国防装備庁に来ていた。
 国防装備庁ではここでは試験出来ないということで、某県の電子装備研究所に一行は再び瞬間移動した。

 蘭子は試験場内の屋外フィールド内の一角に例の電磁バリア発生装置一式を
亜空間から取り出して設置すると、少し離れた位置に移動した。

 機械関係の操作に得意な玲美が電磁バリア発生装置を操作し、中破一行全体を取り囲む形で電磁バリアを発生させた。

「それでは、蘭子。君のタイミングでコチラまで移動してくれないか?」

「了解、始めます」

 蘭子が言葉を終わるかどうかにその姿が消えた。

「キャッ!」

 だが、一瞬で消えたはずの蘭子は、電磁バリアを張り巡らした位置で姿を現した後、地面に落下していた。

「やはりそうか。蘭子、大丈夫か?まだ実験は続けられそうか?」

「ハイ、何とか大丈夫です」

「よし、次に蘭子の周囲に電磁バリアを張り巡らす。
 その状態で、我々の場所まで移動してくれ」

「了解、開始します」

「キャッ!」

 蘭子は前回と同様に転移したが、電磁バリアに阻まれて中破の場所まで移動出来なかった。

「やはりな、電磁的な部分が蘭子の神経系統を狂わせてる可能性が高い」

「閣下、やはり蘭子の雷電耐性の低さが関わっているわけですか」

「そのようだな。蘭子、試しに自分の皮膚の周りにエネルギーフィールドを張ることが出来るか?」

 蘭子はエネルギーフィールドで全身を覆うと白く光り始めた。

「よし、その状態で今の電磁バリアが展開している状況で瞬間移動を」

「了解、やってみます」

 蘭子は一瞬消えたかと思うと、光り輝いた蘭子が中破の前に立っていた。

「閣下、出来ました。電磁バリアを突破出来ました」

「やはりな、突破というよりも蘭子は亜空間転移系の瞬間移動だから、電磁バリア等の障壁は通り抜けるというよりは、亜空間を通した移動だから移動の間に何か障壁があっても関係ないはずなんだ」

 中破は全員に説明すると、電子装備研究所経由で先進技術推進センターから、調達してきたバトルスーツを蘭子に渡した。

「このバトルスーツは耐高圧電流、耐電磁波仕様になっている。
 蘭子、コレを装備してくれないか?」

「了解、閣下」

 蘭子は観測施設に設置されている更衣室を使用し、バトルスーツを装着して中破の前に現れた。

「コレって、ヘルメットとシールド、それにブーツとグローブも完全装着しないとダメなのですよね」

「そうだ、コレは電磁波や高圧電流等から全身を防御するのに作られたバトルスーツだからな」

「もう一度、元の場所に行きますね」

「よし、再び実験開始。電磁バリア展開!蘭子、そこから瞬間移動開始!」

「了解、移動!」

 蘭子は移動という言葉から、一気に中破のいる場所へ転移してバトルスーツの姿で現れた。

「やはりな」

「閣下、今回、エネルギーフィールドを展開した時の状況と同じ感じで転移が出来たのですが、どうしてですかね?」

「つまり、蘭子が極端に電磁波や静電気、電流系のモノに極端に敏感体質であるんだ。そのため、少しの電磁波や電流が発生する電磁界に脳細胞が反応し、転移先のイメージが出来なかったからじゃないかと思う」


『ハイ、ええ、分かりました』

「どうした?沙理江」

「今、ガイア様に実験結果を報告したところ、そのバトルスーツのまま母船に来て、遺伝子改造を行うって」
「了解、サリ姉。でも遺伝子改造ってどうするの?」

「蘭子にナノマシンカプセルを飲ませてOKよ。
 それより、閣下。今現在蘭子が装着しているバトルスーツにガイア様が興味があり、コレを1着もらえないかと。代わりにそこにある電磁バリア発生装置を進呈するとの話で、軍事利用や研究等に何でも使ってくれとのことでした」

「それじゃ、行って来ますサリ姉?、、、え、他に何か用なの?」

「ちょっと待って、蘭子。貴女の遺伝子改造は1分で終わるけど、今までの正史歴史分とPW地球の歴史分の両方を貴女の脳内に圧縮転送するそうよ」

「え?期間はどの位?」

「大したことないけど、丸1日位だそうです」

「とりあえず分かりました。それでは行って参ります」

 蘭子は電子装備研究所前から瞬間移動して姿を消した。

「さて、明日は出庁日だ。バカンス気分を止めて市ヶ谷の自宅に帰るぞ」

「「ハイ!」」

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