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キャンプ地に戻ってザックさん達はもちろん、今回留守番だったビャクとギンにも味見をしてもらったら、やはりおいしいとちょっと味が薄いとの感想をいただきました♪
ここで思い付いた加工法で1つ。
美味しいのに味が薄いのなら、味を凝縮させるために乾燥させてみたらどうでしょうか?
でもお試しをする前に採取した物を増やさないと、無くなっちゃったら困るのでキャンプ地で地属性魔法を使って強制的に増やしましょう!
みんなに手伝ってもらって一つずつ切り分けてもらい、一緒に持ち帰っていた群生地の土を深さ5cm位で広げた上に並べて成長促進……みるみる根を伸ばし始めたので薄っすらと土をかけさらに成長させると……
新しい葉を増やし始めたよ~。小っちゃい葉っぱ、かわいいね~♪ そのまま5分もかからずに1枚ずつにしていた葉っぱが大きな株になり沢山の葉っぱを付けていた。
もう一度同じように切り分けを行い、数を十分に増やした所で加工に挑戦!
約100度で60分、その後ひっくり返して30分。テント内キッチンにオーブンがあってホント良かった~!
でもオーブンって普通にあるのかな? わたしは神様からのプレゼントでどこに行ってもあるけど……炒ってみるのも試さなきゃねって事で、やってみよ~♪
大き目のフライパン、木べらで焦げないように……うう~ん、水分が多いから油断してたらすぐ出てくるな~、ちょっと強めの火でベチャベチャにならないように炒めて出来た~! 広げて冷ましましょう。
オーブンとフライパンそれぞれの出来をみんなで確認してみた……うっま! オーブンのは綺麗に乾いてて、フライパンで作ったのは、ちょっと焦げ目が付いちゃったけどそれがまた美味しい。
〔エア、これは不思議な食べ物だな〕
「⦅ん? 何が?⦆」
〔さっき食べた時は気付かなかったが、身体の疲れが取れるぞ?〕
なんですと~!? そんな事なかったはずなのに!?
⦅ドライ蜜花⦆
乾燥させたことにより、成分が凝縮されたもの。
傷等は治らないが、体力、魔力の回復に劇的な変化はないが効果的。
ポーションの材料にもなる。
「なりゅほじょ~⦅最初に食べた時、味が薄かったでしょ? それが水分を飛ばした事でギュ~! ってなって体力と魔力の回復に役立つんだって! 傷は治らないけど。
ポーションの材料にもなるんだ~、いい匂いだから搾って煮詰めて何か出来ないかな!?⦆」
「体力、魔力の回復か……依頼で出かける時とかにおやつで持つと良いかもな」
「そうだね~、どうしても疲れるからね~」
「ほんの少しでも回復の役に立つのなら、ポーションも勿体ないですからね」
「⦅ドライになってると、元々の状態より、長持ちするしね~⦆」
「……味色々、美味しい」
「⦅ソラとツキが見つけてくれたんだよ~⦆」
「「「「凄いな、ソラ、ツキありがとう」」」」
〔〔さすがソラとツキだな!!〕〕
〔私が見つけるよりも早かったものね、頑張ったわね〕
〔〔えへへ~、やった~、ほめられた~!〕〕
レダ達も問題なく食べられることが分かったので、今後お出掛けの時の良いおやつになるね♪
その日は夜まで思いつくままに、新しい素材を研究した。葉っぱ一つ一つの味が異なるせいで、なかなか困難を極めたけど搾り汁を煮詰めてみると精油のようになった。
今までに作ったポーションなどにほんの少量混ぜる事で、味も香りもグンとアップして飲みやすくなったし、塗り薬も香りだけじゃなく肌がしっとり潤いまでアップして最高の仕上がり♪
1つ不思議なのはなぜか味、香り共にその時々によって変わるんだよね~。
どういうことかって?
例えば、一つの瓶に入っているHP回復クリームに一滴まぜるでしょ? それを2人が手に塗って香りを確認すると……1人はアポル、もう1人はモモの香りって感じで、1つの瓶なのに使用のたびに違う香りを楽しめる不思議クリームに!
これはまだまだ研究のし甲斐があるね♪
翌日、この場所での用事も終わったので、今日からザーリアの街に向けて出発!
「⦅結構な日にちが経ったから、レンガの話とか進んだかな?⦆」
「領主様が戻っておられなくても、レンガなどは決定事項ですからね、両ギルドが何かしら指示を受けているかもしれませんね」
「⦅王都にいるのに連絡が取れるの?⦆」
「伝達の魔法もあるし~、貴族なんかだと伝達用に鳥を育ててるはずだよ~」
鳥? 伝書鳩か!? この世界に伝書鳩……魔法や魔道具があるのに伝書鳩……。
「⦅伝達の魔法って、どんなの?⦆」
「たしか……専用の紙に書いた文字が……なんだった?」
「はあ。専用の紙が高額で売られているんです。それに書くと鳥に姿を変え相手の元に届き、元の紙に戻るんです」
「魔法付与されてる紙だからすっごく高いんだよ~」
「⦅へ~。他には魔道具とか無いの?⦆」
「聞いたことないな。だからこのイヤーカフも知られたら大変なんだぞ!? 遠くにいる人に声を届けるなんて、便利で助かるがな~」
「……エアが作れば?」
「「……それいいかも?」」
「ライル……考えましたね。エアさん、街に戻ったらジョルジオと魔道具を研究してはどうでしょう!?」
なんだか街に戻ってからの仕事が出来たようですね……でも一家に1台くらいあっても良いよね~? ちょっと真剣に考えてみよ!
鞍がない状態でレダ達に騎乗するのは出来ない事はないけど、乗る方も乗られる方も可哀想な気がするので、鞍を手に入れたらすぐにでもつけられるようにゲルマットを準備したいんだけど、なかなか難しい……。
前回作り出したおもちゃのスライム、水分を抜いてみたらちょっとボソボソになったんだよ~。中途半端に出来上がったものを改良しようとしたから?
〔エア、向こうに何か気配がある〕
「⦅は~い。ザックさんすぐ戻るね~⦆」
「こまめに報告な!」
「⦅何でこんな森の奥にゴブリン? あれゴブリンだよね!? 初めて見たけど……⦆」
「⦅ゴブリンだと!? 今そっちに行く、手を出さず、気付かれるなよ!⦆」
なんだ? ザックさんが酷く慌ててる?
「⦅あ~、ホントにゴブリンだ。こりゃ集落があるな……この深さに集落となるとキングか?⦆」
「⦅どういうこと?⦆」
何で急にキングの話になるのさ? 森の深さと関係があるのかい?
「⦅前にも話したが、黒の森は強い魔物が多いだろ? 本来ゴブリンは弱いのにここにいるって事はだ、普通とは違う何かがあるって事だろ?
ゴブリンは群れる。その中にリーダーとして群れを率いる存在が居れば生存確率は高くなり、街への危険度も高くなる。⦆」
「⦅集落探して潰さないとね~⦆」
「⦅それよりも、何かを攻撃……嫌がらせ? してませんか?⦆」
「⦅そうだった! なんかね、綺麗な色の蜘蛛が見えてたんだった!
ザックさん、あのゴブリン倒していいでしょ!?⦆」
蜘蛛は苦手だったはずなのに、どうしても気になって仕方がない。
ザックさんから許可をもらうと同時にゴブリンを魔法で退治して、囲まれていた蜘蛛の様子を確認すると……数本の足を失い逃げる事も出来ずにもがいている姿……前世で見たことがある蜘蛛とは違い、かわいらしくデフォルメされた蜘蛛。
「けがちてましゅ、じっちょちてて? 《ヒール》」
蜘蛛さんの身体を一瞬光が包み消えていく……と、あとに残ったのは失っていた脚が元通りになった虹色の体毛に覆われた蜘蛛で、3歳幼女の手では両手じゃないと乗らないくらい、まあまあ大きいよね……。
デフォルメされてるから見られるけど、前世と一緒だったら間違いなく絶叫だわ!
「これ、レインボースパイダーだ」
レインボースパイダー? 虹、蜘蛛。そのままか!
「かなり珍しい魔物で、そうは見えませんけどかなり危険なんですよ」
「この蜘蛛の出す糸が強力で巻き付けられたら切れないんだよ~」
「……巻き付けて、木の上に引き上げれば……見つからない」
証拠隠滅なのか!? 可愛いなりして中々すごいね君。
〔エア、こやつ従魔を望んでいるようだぞ?〕
「「「「はあ?」」」」
〔あら、そのようですね……怪我を直してもらったからでしょうか?〕
あれ、もしかして今、頷いた?
「こちょば、わかりゅ?」
精一杯の頷き……かわいい~! 必死だ~!
〔ほう? 言葉が分かるとは……上位種……いや、進化前か?〕
ビャクがなんか言ってるけど、わたしはそれよりも蜘蛛さんに夢中。だって、シュルシュル糸を出して見せてくれるんだけどとってもキレイなの!
「きりぇ~にぇ~」
言葉が分かるからだろう、褒めるとテレテレと恥ずかしそう……かわいい。
詳しく話を聞いて(こちらからの質問に頷きと首振りで答えるだけ)分かったのは、この子は女の子。親は亡くなっていて、兄弟がいるので出来ればその子も一緒に従魔希望との事らしい。
でも本来危険な魔物なので、ザックさん達は心配していた。まったく敵意が無かったから見守ってたんだけど……実はちょっと前からすぐ近くに気配があったんだよね~。
姿を見せてくれたのは3匹の蜘蛛。日差しが当たるとキラキラしてキレイ♪ どうやらお父さんは最初からいなくて、お母さんは怪我か病気で亡くなった。
子供だけになったけど、協力し合って今日まで来たが他の魔物に襲われ負傷してしまったらしい。
「うぅぅっ、かわいしょうでしゅ~。もうだいじょうびゅでしゅよ!」
従魔契約をする前に、街で暮らす事や人を傷つけてはいけないなどの説明をしてもらっている間に、何よりも大切な名前を考えないと!
何が良いかな? レインボースパイダー、虹蜘蛛……にじ、こう、いーりす、あるかんしえる、この中から選ぶとしたら、男の子と女の子2匹ずつだからね~。
男の子はニジとコウで、女の子はイリスとシエルにしようかな? どうでしょうか!?
〔〔〔〔うれしい、ありがと~!〕〕〕〕
「「「「「ん!?」」」」」
〔〔〔〔〔あっ、進化した……〕〕〕〕〕
なんですと~!? いきなりの進化! もしかして……名付けが原因か?
ここで思い付いた加工法で1つ。
美味しいのに味が薄いのなら、味を凝縮させるために乾燥させてみたらどうでしょうか?
でもお試しをする前に採取した物を増やさないと、無くなっちゃったら困るのでキャンプ地で地属性魔法を使って強制的に増やしましょう!
みんなに手伝ってもらって一つずつ切り分けてもらい、一緒に持ち帰っていた群生地の土を深さ5cm位で広げた上に並べて成長促進……みるみる根を伸ばし始めたので薄っすらと土をかけさらに成長させると……
新しい葉を増やし始めたよ~。小っちゃい葉っぱ、かわいいね~♪ そのまま5分もかからずに1枚ずつにしていた葉っぱが大きな株になり沢山の葉っぱを付けていた。
もう一度同じように切り分けを行い、数を十分に増やした所で加工に挑戦!
約100度で60分、その後ひっくり返して30分。テント内キッチンにオーブンがあってホント良かった~!
でもオーブンって普通にあるのかな? わたしは神様からのプレゼントでどこに行ってもあるけど……炒ってみるのも試さなきゃねって事で、やってみよ~♪
大き目のフライパン、木べらで焦げないように……うう~ん、水分が多いから油断してたらすぐ出てくるな~、ちょっと強めの火でベチャベチャにならないように炒めて出来た~! 広げて冷ましましょう。
オーブンとフライパンそれぞれの出来をみんなで確認してみた……うっま! オーブンのは綺麗に乾いてて、フライパンで作ったのは、ちょっと焦げ目が付いちゃったけどそれがまた美味しい。
〔エア、これは不思議な食べ物だな〕
「⦅ん? 何が?⦆」
〔さっき食べた時は気付かなかったが、身体の疲れが取れるぞ?〕
なんですと~!? そんな事なかったはずなのに!?
⦅ドライ蜜花⦆
乾燥させたことにより、成分が凝縮されたもの。
傷等は治らないが、体力、魔力の回復に劇的な変化はないが効果的。
ポーションの材料にもなる。
「なりゅほじょ~⦅最初に食べた時、味が薄かったでしょ? それが水分を飛ばした事でギュ~! ってなって体力と魔力の回復に役立つんだって! 傷は治らないけど。
ポーションの材料にもなるんだ~、いい匂いだから搾って煮詰めて何か出来ないかな!?⦆」
「体力、魔力の回復か……依頼で出かける時とかにおやつで持つと良いかもな」
「そうだね~、どうしても疲れるからね~」
「ほんの少しでも回復の役に立つのなら、ポーションも勿体ないですからね」
「⦅ドライになってると、元々の状態より、長持ちするしね~⦆」
「……味色々、美味しい」
「⦅ソラとツキが見つけてくれたんだよ~⦆」
「「「「凄いな、ソラ、ツキありがとう」」」」
〔〔さすがソラとツキだな!!〕〕
〔私が見つけるよりも早かったものね、頑張ったわね〕
〔〔えへへ~、やった~、ほめられた~!〕〕
レダ達も問題なく食べられることが分かったので、今後お出掛けの時の良いおやつになるね♪
その日は夜まで思いつくままに、新しい素材を研究した。葉っぱ一つ一つの味が異なるせいで、なかなか困難を極めたけど搾り汁を煮詰めてみると精油のようになった。
今までに作ったポーションなどにほんの少量混ぜる事で、味も香りもグンとアップして飲みやすくなったし、塗り薬も香りだけじゃなく肌がしっとり潤いまでアップして最高の仕上がり♪
1つ不思議なのはなぜか味、香り共にその時々によって変わるんだよね~。
どういうことかって?
例えば、一つの瓶に入っているHP回復クリームに一滴まぜるでしょ? それを2人が手に塗って香りを確認すると……1人はアポル、もう1人はモモの香りって感じで、1つの瓶なのに使用のたびに違う香りを楽しめる不思議クリームに!
これはまだまだ研究のし甲斐があるね♪
翌日、この場所での用事も終わったので、今日からザーリアの街に向けて出発!
「⦅結構な日にちが経ったから、レンガの話とか進んだかな?⦆」
「領主様が戻っておられなくても、レンガなどは決定事項ですからね、両ギルドが何かしら指示を受けているかもしれませんね」
「⦅王都にいるのに連絡が取れるの?⦆」
「伝達の魔法もあるし~、貴族なんかだと伝達用に鳥を育ててるはずだよ~」
鳥? 伝書鳩か!? この世界に伝書鳩……魔法や魔道具があるのに伝書鳩……。
「⦅伝達の魔法って、どんなの?⦆」
「たしか……専用の紙に書いた文字が……なんだった?」
「はあ。専用の紙が高額で売られているんです。それに書くと鳥に姿を変え相手の元に届き、元の紙に戻るんです」
「魔法付与されてる紙だからすっごく高いんだよ~」
「⦅へ~。他には魔道具とか無いの?⦆」
「聞いたことないな。だからこのイヤーカフも知られたら大変なんだぞ!? 遠くにいる人に声を届けるなんて、便利で助かるがな~」
「……エアが作れば?」
「「……それいいかも?」」
「ライル……考えましたね。エアさん、街に戻ったらジョルジオと魔道具を研究してはどうでしょう!?」
なんだか街に戻ってからの仕事が出来たようですね……でも一家に1台くらいあっても良いよね~? ちょっと真剣に考えてみよ!
鞍がない状態でレダ達に騎乗するのは出来ない事はないけど、乗る方も乗られる方も可哀想な気がするので、鞍を手に入れたらすぐにでもつけられるようにゲルマットを準備したいんだけど、なかなか難しい……。
前回作り出したおもちゃのスライム、水分を抜いてみたらちょっとボソボソになったんだよ~。中途半端に出来上がったものを改良しようとしたから?
〔エア、向こうに何か気配がある〕
「⦅は~い。ザックさんすぐ戻るね~⦆」
「こまめに報告な!」
「⦅何でこんな森の奥にゴブリン? あれゴブリンだよね!? 初めて見たけど……⦆」
「⦅ゴブリンだと!? 今そっちに行く、手を出さず、気付かれるなよ!⦆」
なんだ? ザックさんが酷く慌ててる?
「⦅あ~、ホントにゴブリンだ。こりゃ集落があるな……この深さに集落となるとキングか?⦆」
「⦅どういうこと?⦆」
何で急にキングの話になるのさ? 森の深さと関係があるのかい?
「⦅前にも話したが、黒の森は強い魔物が多いだろ? 本来ゴブリンは弱いのにここにいるって事はだ、普通とは違う何かがあるって事だろ?
ゴブリンは群れる。その中にリーダーとして群れを率いる存在が居れば生存確率は高くなり、街への危険度も高くなる。⦆」
「⦅集落探して潰さないとね~⦆」
「⦅それよりも、何かを攻撃……嫌がらせ? してませんか?⦆」
「⦅そうだった! なんかね、綺麗な色の蜘蛛が見えてたんだった!
ザックさん、あのゴブリン倒していいでしょ!?⦆」
蜘蛛は苦手だったはずなのに、どうしても気になって仕方がない。
ザックさんから許可をもらうと同時にゴブリンを魔法で退治して、囲まれていた蜘蛛の様子を確認すると……数本の足を失い逃げる事も出来ずにもがいている姿……前世で見たことがある蜘蛛とは違い、かわいらしくデフォルメされた蜘蛛。
「けがちてましゅ、じっちょちてて? 《ヒール》」
蜘蛛さんの身体を一瞬光が包み消えていく……と、あとに残ったのは失っていた脚が元通りになった虹色の体毛に覆われた蜘蛛で、3歳幼女の手では両手じゃないと乗らないくらい、まあまあ大きいよね……。
デフォルメされてるから見られるけど、前世と一緒だったら間違いなく絶叫だわ!
「これ、レインボースパイダーだ」
レインボースパイダー? 虹、蜘蛛。そのままか!
「かなり珍しい魔物で、そうは見えませんけどかなり危険なんですよ」
「この蜘蛛の出す糸が強力で巻き付けられたら切れないんだよ~」
「……巻き付けて、木の上に引き上げれば……見つからない」
証拠隠滅なのか!? 可愛いなりして中々すごいね君。
〔エア、こやつ従魔を望んでいるようだぞ?〕
「「「「はあ?」」」」
〔あら、そのようですね……怪我を直してもらったからでしょうか?〕
あれ、もしかして今、頷いた?
「こちょば、わかりゅ?」
精一杯の頷き……かわいい~! 必死だ~!
〔ほう? 言葉が分かるとは……上位種……いや、進化前か?〕
ビャクがなんか言ってるけど、わたしはそれよりも蜘蛛さんに夢中。だって、シュルシュル糸を出して見せてくれるんだけどとってもキレイなの!
「きりぇ~にぇ~」
言葉が分かるからだろう、褒めるとテレテレと恥ずかしそう……かわいい。
詳しく話を聞いて(こちらからの質問に頷きと首振りで答えるだけ)分かったのは、この子は女の子。親は亡くなっていて、兄弟がいるので出来ればその子も一緒に従魔希望との事らしい。
でも本来危険な魔物なので、ザックさん達は心配していた。まったく敵意が無かったから見守ってたんだけど……実はちょっと前からすぐ近くに気配があったんだよね~。
姿を見せてくれたのは3匹の蜘蛛。日差しが当たるとキラキラしてキレイ♪ どうやらお父さんは最初からいなくて、お母さんは怪我か病気で亡くなった。
子供だけになったけど、協力し合って今日まで来たが他の魔物に襲われ負傷してしまったらしい。
「うぅぅっ、かわいしょうでしゅ~。もうだいじょうびゅでしゅよ!」
従魔契約をする前に、街で暮らす事や人を傷つけてはいけないなどの説明をしてもらっている間に、何よりも大切な名前を考えないと!
何が良いかな? レインボースパイダー、虹蜘蛛……にじ、こう、いーりす、あるかんしえる、この中から選ぶとしたら、男の子と女の子2匹ずつだからね~。
男の子はニジとコウで、女の子はイリスとシエルにしようかな? どうでしょうか!?
〔〔〔〔うれしい、ありがと~!〕〕〕〕
「「「「「ん!?」」」」」
〔〔〔〔〔あっ、進化した……〕〕〕〕〕
なんですと~!? いきなりの進化! もしかして……名付けが原因か?
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