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その後ウッカリ色を増やしてしまった事で、さらに頭を悩ませながらも、なんとか希望の色を決定させてみんなで一安心。
そして今度は、冬用のあったか毛布を取り出しテーブルに置いていく。
「エアちゃん、もしかしてこれも、グランデシープだったりして~?」
「うふふ~、しょうでしゅ♪ しゅきにゃ、いりょ、とっちぇくだしゃいにぇ~」
明日孤児院に行くドニ一家に、一緒に行くことを伝えて、グランデシープの作品紹介は終了。
頑張ったからお腹が空いたので夕食にしよ~! 今日は何かしら?
フワフワ玉子の他人丼と、茶わん蒸し、簡単浅漬け、野菜たっぷりスープで、お代わりはかつ丼でした。
マルセルさんもシモンさんも料理の腕を上げたわね~、丼の卵はフワフワトロトロで、茶わん蒸しも初めて二人で作った割にはすも立たず最高の出来でした!
食べ過ぎてさらにお腹が目立つような気がするけど……気のせいですね!
次の日、約束通りドニさん達と一緒に孤児院に着くと、今日も元気に子供達が仕事に出発していく。
残ったエアと従魔は院長先生に昨日作った作品を披露。まず最初は毛布からね♪
茶色とピンクの毛布を人数分より多く渡しておく。スラムから孤児院に来た子もいるし、今後もしかしたら増えるかも知れないもんね。
次は院長先生にも女性用の冬用装備を身に着けてもらうと、今までで一番素晴らしい物だと喜んでいたので、先生たちと子供達に、好きな色を選んでもらって作る予定にしている事を説明したんだけど……沢山の色を見て絶句!
「こ、この中から選ぶのですか? 沢山あって悩みますね……(多すぎではありませんか!?)」
子供用装備一式も院長先生に預けてバイバイ。時間はたっぷりあるのでぜひとも悩んでお気に入りを見つけて欲しい物だ♪
ギルドへの日課となった解体の追加とお肉の引き取り。今日はゲイルさんが忙しいらしく姿が見えなかったけど、他の職員さんにちゃんとお願いして来たよ。
新たにお肉が増えたので、また孤児院に持っていかないとね♪
ギルドを出て串肉のおじさんの屋台で、今日も美味しいサイコロステーキを購入。今日もなかなかの人気でお客さんの列が出来ていたよ。
やって来たのは魔道具のジョルジオさんのお店。イメージだけ伝えていた魔道具開発なんだけど、なんだかここ最近忙しくて確認できなかったんだよね~。
「じょりゅじおしゃん! まじょうぐは、どうでしゅか~?」
「お~! エア、来てくれたのか!? 魔道具か、ちょっと試作はしてみたんだが……これなんだがな~」
「ふむふむ……ちゅかっちぇみちぇいいでしゅか?」
ちゃんと許可をもらってから試運転……ドキドキですよ!?
バッグから野菜や果物を取り出し魔道具に投入からのスイッチオーン♪
ガガガゴォォォ~
稼働の初めは重たいような音だったけどすぐにスムーズな音に変わり、稼働中の様子を見ていても中身が漏れてくる心配はなさそうだ。
途中に一旦スイッチを止めてハチミツなどを追加してから再度稼働。
「しょりょしょりょいいかにゃ~?」
覗き続けている魔道具の中には、大きな塊がなくなりシャバシャバと水分だけが揺れている。スイッチを切り用意したグラスに注ぎ入れる。
たった今作った物それは野菜ジュース! 果物とハチミツで甘みを追加され飲みやすい味になっている……はず。
今回ジョルジオさんにお願いしていた魔道具は、もうお分かりだろうジューサーミキサーである!
最大の問題は繊維を細かく砕いて飲んだ時の口当たりが良いかどうかなのだが、見た感じは成功に見えるが……さて飲み心地は?
「美味い! 飲みやすいな、コレ!」
うむ、成功のようだ。これなら手軽に野菜を取ることが出来るので体にも良いし、美容にもいいんだよ?
「いいでしゅね~。じぇみょ……まりゅごちょいりぇりゃりぇちゃりゃ、いいんでしゅけじょ……」
手間を省けば丸ごと投入で、汁と搾りかすに分かれた方が簡単だ。でも実際は手間(ほんのちょぴっとだし)を掛けて繊維も一緒に飲んだ方が良い……か?
「丸ごと!? そしたら、余分な皮や種はどうやって分けるんだ?」
「しゃあ?」
「おい~っ! ……はぁ、まぁいい、それはゆっくり考える事にして……これは成功で良いか?」
「はい、だいしぇ~こう♪ じょりゅじおしゃん、こりぇにぇ、だにゃしゃんにみょ、いいでしゅよ!」
「ダナに? そうか! エア、それなら今から商業ギルドに一緒に行ってくれないか? もし用事があるなら明日でもいいんだが……」
「? いいでしゅよ~?」
「そうか! じゃあ早速行って登録申請しないとな!」
「う? とうりょく……ちにゃいとらめでしゅか?」
「販売するには登録がいるからな! エアが使うだけなら問題はないが……これならダナだけじゃなく、街の連中にも知って欲しいしな~。
身体に良いんだろ? 俺もだがどうしても野菜には手が出にくいからな……でも、これなら食べられる!」
「それで? これが身体にも良く、美容にも良い飲み物ですか? そしてこの魔道具で作られたと……」
「ジョルジオさん、どう使うのかして見てもらえますか?」
「あ……。魔道具は持ってきたが、食材を……」
「ありましゅ♪ こりぇを~、こうちて~……オ~ン♪」
「はい、ど~じょ~♪」
「ありがとうございます。おや? これは大変飲みやすいですね!」
「エア、さっきと違う物を入れたのに、これも美味しいな」
「そうなんですか?」
実は試運転の時はキャロ・トマト・レンホウソウ・バナナ・アポル・ハチミツで作ったんだけど、今回はカボシュ・ミイカン・キャロ・レンホウソウ・ハチミツ・レモ汁なのです。
バナナがあるからか、ちょっとトロミがつくよね~。フルーツミックスジュースも飲みたいな~♪
「じょりゅじおしゃん、こりぇ、おおきくちてくだしゃい。いんちょーしぇんしぇーに、わたちたい」
試作品は小さくはないけど、最大容量で作ったとしても3~4人分くらい。孤児院には子供が多いからね~、これじゃあ全員分作るのに7回は使うでしょ?
せめて7~8人分が出来れば楽だからね♪
「これを大きく? それくらいならすぐに出来るが……それでも明日になるぞ、いいか?」
「おねがいちまちゅ♪ んちょ~、おおき~のふたちゅ、ふちゅ~にょ、はち、ほちいでしゅにぇ~」
孤児院と合同キッチン用、普通サイズはトマスさん達各家庭用で、もし食堂に置くなら又考えたら良いでしょ?
「エアさん、そんなに沢山どうするんですか?」
「ん? うちにょ、みんにゃに、くばりゅんでしゅ!」
「……ジョルジオさん、この魔道具ですが、いくらの値を付ける予定ですか?」
何故か金額の話し合いが始まったけど……まっいっか♪
ジューサーミキサーが出来たって事は、お願いしているハンドミキサーも、もうすぐ出来るって事でしょう? マルセルさん達には役に立つと思うんだよね~。
「エアさん、この魔道具ですが、作り上げたのはジョルジオさんですが、考えたのはエアさんですのでお二人の名前で登録となります。
売り上げの中から一部がエアさんの口座に入ります。その詳細は口座確認の際に分かるようになっていますのでご安心ください」
なんだか良く分からないことにナッテキマシタヨ!? 何でわたしにお金がハイルノサ!?
「⦅ザックさん達~!! なるべく急いで商業ギルドに来て~! 3歳のわたしには理解不能ですよ~!⦆」
「⦅今度は何だ!? 商業ギルド?⦆」
「⦅今冒険者ギルドです、すぐ行きますね⦆」
大急ぎでザックさん達に連絡したら、なんとすぐ側にいました! これで一安心ですね~。
「じゃっくしゃんたち、きましゅ。しぇちゅめ~、おにぇがいちまちゅ」
ザックさん達に丸投げ出来る事が確定したので、のんびり待つことにして野菜ジュースをしっかり味わいましょうかね~♪
まったく3歳の幼女相手に難しい話をするなんて……ふぅ~、やれやれ、困ったものですよ。
「ジョルジオと一緒に来てたのか?」
「あれ~? それって、もしかしてエアちゃんの希望してたやつ~?」
本当にすぐ来てくれて、エアと一緒にいるのがジョルジオだと気付き驚いていた。ただその組み合わせですぐに理由にたどり着くことが出来たようで、説明が省けたよ~。楽ちんですな~♪
そんな都合の良い事を考えている事なんてお見通しなんだろう……ザックさんの目が怖いような気がするけど、気付かなかった事にして、ニコニコとコップを差し出す。
「しょうでしゅ~、はい、ど~じょ~♪」
「……ありがとう……すごい色」
「ありがとうございます。おや? 色はすごいですけど美味しいですね」
色は緑だしちょっとトロミもあって、初めて見たら普通の人なら警戒しそうなのに、まったく何の躊躇いもなく口を付けた4人……勇気あるな~。
「それで? 魔道具が出来て商業ギルドにいるって事は、登録するんだろ?」
「もしかして……連名登録ですか? そうなると、一部収入として支払われるんでしたか?」
「⦅え!? カイルさん知ってたの!? それって断れる!?⦆」
「⦅無理だね~⦆」
アーロンさんカル~イ! カル過ぎるよ~!? でも断れないのか……
「⦅じゃあ、孤児院やスラムのために使うって事にしようかな~⦆」
〔⦅孤児院は分かるが、スラムの場合はどうするんだ?⦆〕
「⦅使用法は後で考えよう。今回の一部収入は規定で決まっている事だからな⦆」
「⦅は~い。……ふぅ、しかたないですね~⦆」
説明と説得を受けて、了承したわたしをライルさんが良い子良い子と頭を撫でてくれる。にへへぇ~♪
ジョルジオさんには、明日大きなジューサーミキサーを受け取りに行く約束をして広場でお別れして、今日は他に用事もないので、初めてこの街に着いてからあまり行動範囲が広がっていない事もあり、街の散歩をみんなでする事に決まった。
何か良いもの(美味しそうなもの)があれば食べよ~っと♪
「⦅美味しい食べ物は~? ライルさんは何が好き?⦆」
「……ボアのシチュー」
「あ~! "鍋の底"!? あそこは美味しいよね~」
「⦅ボアシチュー? 食べてみたい!!⦆」
「美味しいですけど、エアさんの料理を知ってしまうと、少し物足りません」
え? なんで? 食べたらわかるかな? 楽しみだ。
「⦅ザックさん! なんだかとってもいい匂いがする!⦆」
「焼き立てのパンだな。確かにいい匂いだ、ちょっと買っていくか?」
おお~! すばらしいアイデアです。ウンウンと首を振り賛成♪ その必死な様子に笑われてしまいました……。
お店に入ってみると、この世界のパンが堅い事は知っているんだけど、焼き立ての匂いがするからか、なんとも食欲を刺激してくる。
「いいにお~い♪ (くぅぅぅ~)……えへへ」
お腹が鳴っちゃった……絶対聞かれた! 恥ずかしい!
「いらっしゃい。焼き立てだから少しは柔らかいよ! はい、これ。良かったら食べておくれ。美味しいよ」
「いいのか? ありがとう悪いな」
「あいがちょう♪ (はむっ)!? おいち~!!」
冷めたら固くなるだろうことを考えても、今まで食べたこの世界のパンの中で断トツ柔らかくて、小麦の香りがふんわりと!
この技術があれば、酵母で焼くパンも絶品になる!
交渉したいけど、勝手にはダメだし……ううう~! そうだ!
「うぷ!? なんだ、どうし……? 美味い」
無理やりザックさんの口にパンを突っ込んでみたら、美味しさに何か感じる物があったんだろう、あとの3人の口にも同じように突っ込みだした!?
「今までで一番おいしい~!! これがエアちゃんのパンに変わったら……」
「……この世の物じゃない!?」
「うぅぅ~、ぜひ、食べてみたいですね……ですが、難しいでしょうし……」
「そうだよな、こればかりは……残念だ」
5人とも無理だとわかっているのに、それでも"はぁ~、ふぅ~"と悩み苦しんでいると……。
そして今度は、冬用のあったか毛布を取り出しテーブルに置いていく。
「エアちゃん、もしかしてこれも、グランデシープだったりして~?」
「うふふ~、しょうでしゅ♪ しゅきにゃ、いりょ、とっちぇくだしゃいにぇ~」
明日孤児院に行くドニ一家に、一緒に行くことを伝えて、グランデシープの作品紹介は終了。
頑張ったからお腹が空いたので夕食にしよ~! 今日は何かしら?
フワフワ玉子の他人丼と、茶わん蒸し、簡単浅漬け、野菜たっぷりスープで、お代わりはかつ丼でした。
マルセルさんもシモンさんも料理の腕を上げたわね~、丼の卵はフワフワトロトロで、茶わん蒸しも初めて二人で作った割にはすも立たず最高の出来でした!
食べ過ぎてさらにお腹が目立つような気がするけど……気のせいですね!
次の日、約束通りドニさん達と一緒に孤児院に着くと、今日も元気に子供達が仕事に出発していく。
残ったエアと従魔は院長先生に昨日作った作品を披露。まず最初は毛布からね♪
茶色とピンクの毛布を人数分より多く渡しておく。スラムから孤児院に来た子もいるし、今後もしかしたら増えるかも知れないもんね。
次は院長先生にも女性用の冬用装備を身に着けてもらうと、今までで一番素晴らしい物だと喜んでいたので、先生たちと子供達に、好きな色を選んでもらって作る予定にしている事を説明したんだけど……沢山の色を見て絶句!
「こ、この中から選ぶのですか? 沢山あって悩みますね……(多すぎではありませんか!?)」
子供用装備一式も院長先生に預けてバイバイ。時間はたっぷりあるのでぜひとも悩んでお気に入りを見つけて欲しい物だ♪
ギルドへの日課となった解体の追加とお肉の引き取り。今日はゲイルさんが忙しいらしく姿が見えなかったけど、他の職員さんにちゃんとお願いして来たよ。
新たにお肉が増えたので、また孤児院に持っていかないとね♪
ギルドを出て串肉のおじさんの屋台で、今日も美味しいサイコロステーキを購入。今日もなかなかの人気でお客さんの列が出来ていたよ。
やって来たのは魔道具のジョルジオさんのお店。イメージだけ伝えていた魔道具開発なんだけど、なんだかここ最近忙しくて確認できなかったんだよね~。
「じょりゅじおしゃん! まじょうぐは、どうでしゅか~?」
「お~! エア、来てくれたのか!? 魔道具か、ちょっと試作はしてみたんだが……これなんだがな~」
「ふむふむ……ちゅかっちぇみちぇいいでしゅか?」
ちゃんと許可をもらってから試運転……ドキドキですよ!?
バッグから野菜や果物を取り出し魔道具に投入からのスイッチオーン♪
ガガガゴォォォ~
稼働の初めは重たいような音だったけどすぐにスムーズな音に変わり、稼働中の様子を見ていても中身が漏れてくる心配はなさそうだ。
途中に一旦スイッチを止めてハチミツなどを追加してから再度稼働。
「しょりょしょりょいいかにゃ~?」
覗き続けている魔道具の中には、大きな塊がなくなりシャバシャバと水分だけが揺れている。スイッチを切り用意したグラスに注ぎ入れる。
たった今作った物それは野菜ジュース! 果物とハチミツで甘みを追加され飲みやすい味になっている……はず。
今回ジョルジオさんにお願いしていた魔道具は、もうお分かりだろうジューサーミキサーである!
最大の問題は繊維を細かく砕いて飲んだ時の口当たりが良いかどうかなのだが、見た感じは成功に見えるが……さて飲み心地は?
「美味い! 飲みやすいな、コレ!」
うむ、成功のようだ。これなら手軽に野菜を取ることが出来るので体にも良いし、美容にもいいんだよ?
「いいでしゅね~。じぇみょ……まりゅごちょいりぇりゃりぇちゃりゃ、いいんでしゅけじょ……」
手間を省けば丸ごと投入で、汁と搾りかすに分かれた方が簡単だ。でも実際は手間(ほんのちょぴっとだし)を掛けて繊維も一緒に飲んだ方が良い……か?
「丸ごと!? そしたら、余分な皮や種はどうやって分けるんだ?」
「しゃあ?」
「おい~っ! ……はぁ、まぁいい、それはゆっくり考える事にして……これは成功で良いか?」
「はい、だいしぇ~こう♪ じょりゅじおしゃん、こりぇにぇ、だにゃしゃんにみょ、いいでしゅよ!」
「ダナに? そうか! エア、それなら今から商業ギルドに一緒に行ってくれないか? もし用事があるなら明日でもいいんだが……」
「? いいでしゅよ~?」
「そうか! じゃあ早速行って登録申請しないとな!」
「う? とうりょく……ちにゃいとらめでしゅか?」
「販売するには登録がいるからな! エアが使うだけなら問題はないが……これならダナだけじゃなく、街の連中にも知って欲しいしな~。
身体に良いんだろ? 俺もだがどうしても野菜には手が出にくいからな……でも、これなら食べられる!」
「それで? これが身体にも良く、美容にも良い飲み物ですか? そしてこの魔道具で作られたと……」
「ジョルジオさん、どう使うのかして見てもらえますか?」
「あ……。魔道具は持ってきたが、食材を……」
「ありましゅ♪ こりぇを~、こうちて~……オ~ン♪」
「はい、ど~じょ~♪」
「ありがとうございます。おや? これは大変飲みやすいですね!」
「エア、さっきと違う物を入れたのに、これも美味しいな」
「そうなんですか?」
実は試運転の時はキャロ・トマト・レンホウソウ・バナナ・アポル・ハチミツで作ったんだけど、今回はカボシュ・ミイカン・キャロ・レンホウソウ・ハチミツ・レモ汁なのです。
バナナがあるからか、ちょっとトロミがつくよね~。フルーツミックスジュースも飲みたいな~♪
「じょりゅじおしゃん、こりぇ、おおきくちてくだしゃい。いんちょーしぇんしぇーに、わたちたい」
試作品は小さくはないけど、最大容量で作ったとしても3~4人分くらい。孤児院には子供が多いからね~、これじゃあ全員分作るのに7回は使うでしょ?
せめて7~8人分が出来れば楽だからね♪
「これを大きく? それくらいならすぐに出来るが……それでも明日になるぞ、いいか?」
「おねがいちまちゅ♪ んちょ~、おおき~のふたちゅ、ふちゅ~にょ、はち、ほちいでしゅにぇ~」
孤児院と合同キッチン用、普通サイズはトマスさん達各家庭用で、もし食堂に置くなら又考えたら良いでしょ?
「エアさん、そんなに沢山どうするんですか?」
「ん? うちにょ、みんにゃに、くばりゅんでしゅ!」
「……ジョルジオさん、この魔道具ですが、いくらの値を付ける予定ですか?」
何故か金額の話し合いが始まったけど……まっいっか♪
ジューサーミキサーが出来たって事は、お願いしているハンドミキサーも、もうすぐ出来るって事でしょう? マルセルさん達には役に立つと思うんだよね~。
「エアさん、この魔道具ですが、作り上げたのはジョルジオさんですが、考えたのはエアさんですのでお二人の名前で登録となります。
売り上げの中から一部がエアさんの口座に入ります。その詳細は口座確認の際に分かるようになっていますのでご安心ください」
なんだか良く分からないことにナッテキマシタヨ!? 何でわたしにお金がハイルノサ!?
「⦅ザックさん達~!! なるべく急いで商業ギルドに来て~! 3歳のわたしには理解不能ですよ~!⦆」
「⦅今度は何だ!? 商業ギルド?⦆」
「⦅今冒険者ギルドです、すぐ行きますね⦆」
大急ぎでザックさん達に連絡したら、なんとすぐ側にいました! これで一安心ですね~。
「じゃっくしゃんたち、きましゅ。しぇちゅめ~、おにぇがいちまちゅ」
ザックさん達に丸投げ出来る事が確定したので、のんびり待つことにして野菜ジュースをしっかり味わいましょうかね~♪
まったく3歳の幼女相手に難しい話をするなんて……ふぅ~、やれやれ、困ったものですよ。
「ジョルジオと一緒に来てたのか?」
「あれ~? それって、もしかしてエアちゃんの希望してたやつ~?」
本当にすぐ来てくれて、エアと一緒にいるのがジョルジオだと気付き驚いていた。ただその組み合わせですぐに理由にたどり着くことが出来たようで、説明が省けたよ~。楽ちんですな~♪
そんな都合の良い事を考えている事なんてお見通しなんだろう……ザックさんの目が怖いような気がするけど、気付かなかった事にして、ニコニコとコップを差し出す。
「しょうでしゅ~、はい、ど~じょ~♪」
「……ありがとう……すごい色」
「ありがとうございます。おや? 色はすごいですけど美味しいですね」
色は緑だしちょっとトロミもあって、初めて見たら普通の人なら警戒しそうなのに、まったく何の躊躇いもなく口を付けた4人……勇気あるな~。
「それで? 魔道具が出来て商業ギルドにいるって事は、登録するんだろ?」
「もしかして……連名登録ですか? そうなると、一部収入として支払われるんでしたか?」
「⦅え!? カイルさん知ってたの!? それって断れる!?⦆」
「⦅無理だね~⦆」
アーロンさんカル~イ! カル過ぎるよ~!? でも断れないのか……
「⦅じゃあ、孤児院やスラムのために使うって事にしようかな~⦆」
〔⦅孤児院は分かるが、スラムの場合はどうするんだ?⦆〕
「⦅使用法は後で考えよう。今回の一部収入は規定で決まっている事だからな⦆」
「⦅は~い。……ふぅ、しかたないですね~⦆」
説明と説得を受けて、了承したわたしをライルさんが良い子良い子と頭を撫でてくれる。にへへぇ~♪
ジョルジオさんには、明日大きなジューサーミキサーを受け取りに行く約束をして広場でお別れして、今日は他に用事もないので、初めてこの街に着いてからあまり行動範囲が広がっていない事もあり、街の散歩をみんなでする事に決まった。
何か良いもの(美味しそうなもの)があれば食べよ~っと♪
「⦅美味しい食べ物は~? ライルさんは何が好き?⦆」
「……ボアのシチュー」
「あ~! "鍋の底"!? あそこは美味しいよね~」
「⦅ボアシチュー? 食べてみたい!!⦆」
「美味しいですけど、エアさんの料理を知ってしまうと、少し物足りません」
え? なんで? 食べたらわかるかな? 楽しみだ。
「⦅ザックさん! なんだかとってもいい匂いがする!⦆」
「焼き立てのパンだな。確かにいい匂いだ、ちょっと買っていくか?」
おお~! すばらしいアイデアです。ウンウンと首を振り賛成♪ その必死な様子に笑われてしまいました……。
お店に入ってみると、この世界のパンが堅い事は知っているんだけど、焼き立ての匂いがするからか、なんとも食欲を刺激してくる。
「いいにお~い♪ (くぅぅぅ~)……えへへ」
お腹が鳴っちゃった……絶対聞かれた! 恥ずかしい!
「いらっしゃい。焼き立てだから少しは柔らかいよ! はい、これ。良かったら食べておくれ。美味しいよ」
「いいのか? ありがとう悪いな」
「あいがちょう♪ (はむっ)!? おいち~!!」
冷めたら固くなるだろうことを考えても、今まで食べたこの世界のパンの中で断トツ柔らかくて、小麦の香りがふんわりと!
この技術があれば、酵母で焼くパンも絶品になる!
交渉したいけど、勝手にはダメだし……ううう~! そうだ!
「うぷ!? なんだ、どうし……? 美味い」
無理やりザックさんの口にパンを突っ込んでみたら、美味しさに何か感じる物があったんだろう、あとの3人の口にも同じように突っ込みだした!?
「今までで一番おいしい~!! これがエアちゃんのパンに変わったら……」
「……この世の物じゃない!?」
「うぅぅ~、ぜひ、食べてみたいですね……ですが、難しいでしょうし……」
「そうだよな、こればかりは……残念だ」
5人とも無理だとわかっているのに、それでも"はぁ~、ふぅ~"と悩み苦しんでいると……。
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