83 / 111
83
しおりを挟む
アーロンさんとカイルさんの事はよくわからないままに農場に移動。子供達もトマスさん達も良い人なので、今日来たばかりの皆も気後れすることなく、お互いに自己紹介し合って一緒にワイワイ楽しそう。
みんなでちょっと休憩することにして、収穫した果物を適当に広げパナプルジュースを配ると、食べた事があり自分達の好きな物を猛アピール!
勧められるがままに食べれば、驚きに固まるが反対から他の物をまた勧められ、再び固まる……
謎ループが展開してますね~。
孤児院の子供達が今日の仕事を終えて帰ったので、スラムから来たメンバーに新しい住居の案内をするため隣に移動し、部屋は相談して決めてもらう事にした。
そして人数がかなり多く、覚えられないので(だって12家族だからね!?)一応、配給した時の質問に答えてくれて既に代表っぽかったのでマルコさんという男性にお願いしちゃった。
マルコさんは奥さんと9歳の息子さん、そしておじいさんの4人家族。
「なあ、エア。カイルから聞いてたと思うんだけど……金額に合った物じゃないと……実際そこに暮らす者にとっては暮らし辛いんだぞ?」
適度に調整して完璧だと思っていたのに……ダメ出しを食らいました。
これ以上どうしろと!? と思うけど口にはしない。もし口にしたらどうなるか分からないからね!
空き部屋として決定した部屋を見学したザックさんの第一声だったけど、他のメンバーは
「すご~い、広くてきれいだし、明るくていいね~」
「……良い!」
「確かに金額には合ってないかもしれませんが、快適な環境ですね。部屋数があっていいです。
1人用の部屋も確かに広い……広すぎですが、どうしても荷物は増えますからね」
思う事はあるようだが、概ね高評価をいただきました~♪
まだ時間があったのでマルコさん達やって来た12組の家族(面倒だ、住宅メンバーと呼ぼう)から、代表で奥様を引っ張り出し街に買い物へレッツゴ~♪
緊急措置でライルさんに用意してもらった服は1組だけなので、奥様達なら家族の服をサイズも分かるし選べるだろうと判断したわけだが……さすが主婦! 少しでも安く、でも質の良い物を見極める目が搭載されているんだね……。
最初は"お金がないから今着ている服のままで良い、働いてから買う"と言っていたが、ここはオーナーの権力に物を言わせて従ってもらった。
必要数は服を最低4組と靴2足は絶対と厳命! 荷物はわたし達が持つからどんなに多くても平気だし。
服の他にも生活に必要な物を色々なお店を回って買っていく。その途中に"エアの店"に寄ってみると丁度お客さんの波が途切れて休憩中だったので、連れてきたのは奥様方だけだけど紹介を済ませ、このお店で取り扱っている商品などの説明を……ダニエルさん達にお任せ♪ えへっ♪
その間わたしはオーナーとしてちょこっとお仕事。
それはカバン! もちろんトマスさん達とは違うから悩んだんだけど、やっぱり各家庭に一つくらいカバンがあると便利だと思うんだよね。だから、あげるんじゃなくて、1家に1つ貸す事にしたのだ!
大きさは……トマスさん達大人は麻袋(大)3つ分にしたけど、今回は麻袋(大)2つ分にしようと思う。わたしだってちょっとは考えるし学習もするんですよ!
前回カバンを作った時は1人に1つだったけど、今回は1家に1つなので使用者登録人数は余裕を持って5人に変更。
後すべき事は、お薬キャンディーの箱詰めと、飴ちゃん箱詰めの用意
「⦅今日の夕飯は全員で食べようか? 孤児院のみんなは無理かな?⦆」
「いいね~、そうしようか~。声掛けに行くよ」
「だったら、合同キッチンに招待するか?」
「彼等なら大丈夫でしょう」
「……プリン」
「⦅よしそうしよう! みんなも手伝ってね♪ マルセルさん達にも言ってくる~⦆」
さて、夕食準備を始めます。消化が良く体にも良い料理……ってなに!?
悩んだ結果、脂っこい物は避ける事に。
かぶらとシロナ・ロック鳥肉の煮物、オオネと卵の煮物なら、柔らかくトロトロで消化にも良いし、ロック鳥のささみ肉でショガとねぎのスープ、ちょっとトロミつけて卵も流し入れたら良いよね~。
スープにはコメを入れて食べても美味しいよ。
でもこれだけじゃ満足しないメンバーがいるから、結構ガツンと来るかもしれないけど……
ロック鳥とシロナの味噌チーズ焼き、イビルバイパーの照り焼き、イビルバイパーとカボシュ・レンホウソウときのこ類の蒸し物、ポテイモのイモ餅、作り立てのベーコンも使ってチーズ入りコロッケ。
デザートには何度か食べたのと、ミューの濃厚ミルクと生クリームとコッコから貰った茶色の卵を使って超濃厚なプリンに決定♪ (食べ比べをしよう!)
ザックさん達4人とマルセルさん、シモンさんの合計6人に協力してもらうわけだけど……4人には切ったり混ぜたりをお願いして怒涛の勢いで料理を作り上げていく。
ザックさん達には黒の森からの帰り道で、応用魔法で調理が格段に楽になる事を知っているので切る混ぜるはプロ並みなんだよ♪
魔法での調理風景を見たマルセルさん達の方が逆にビックリしてるよ……ショガをすりおろしと千切りにしてもらったんだけど早いし綺麗だったからね~。
聞けば多少の魔法は出来るらしいので、今度教えることになった。出来る事が増えるのは良い事だよ。
「もうしゅぐできましゅ、らいりゅしゃ~ん、おにぇがい♪」
ライルさんに呼びに走ってもらって、残ったわたし達は作業を続行。
なぜなら今回呼んで一緒にご飯を食べるのは……孤児院の子供総数25人に、先生達は4人、トマスさん達は24人、住宅メンバーは40人、わたし達は5人と5匹の98人と5匹
とんでもないな!?普通の夕食で100人規模って……
出来上がった料理はウエストポーチに収納して、テーブルセッティングが完了したのと丁度同じ頃、みんながやって来たようだ。
急いで門に迎えに行ってみると、そこには初めて訪れた人なら必ず見せる反応をしている人たちの姿が。
「「「いんちょーせんせー、ここすごいね~」」」
「え、ええ……さすがはエアさんです」
「いりゃっちゃ~い! こっちでしゅよ~」
「「「エアちゃん!」」」
「お言葉に甘えてしまいましたが……立派なお家ですね~」
「あの、私達まで本当によかったんでしょうか!?」
院長先生以外の3人が……困惑してる? どうしたんだろう?
「もちりょんでしゅよ? いっちょ、たべよ~♪」
「食べやすく、消化に良い物を用意したつもりです。食べ過ぎてお腹を壊さない程度にいっぱい食べてください」
「「「ん~! どれもすっごくおいしい!!」」」
「これは、とても温まります。コメを入れて食べるとまた美味しい!」
良かった~、好評だよ~!
みんなの食べるスピードが落ち着いて来たので、そろそろお仕事の相談をしておこう。
実はこの人数になっても一緒に食事をしようと思ったのは、孤児院の子供が増えて25人になったのに先生が4人なのが気になったから。(絶対少ないもん!!)
そこで、掃除洗濯食事の用意等のお世話を仕事として4人ほどお願いが出来ないかと思ったんだよね~。
住宅メンバーは40人のうち男性はお爺さん1名を含め8人、女性は15人でそのうちお婆さんが5人。子供は上が10歳~下が5歳までの17人である。
相談をしてみると何ともあっさり簡単に、護衛のドニ家と一緒に4人の奥様が毎日孤児院に行き、お店には3人。力のある男性はトイレやレンガの作成と決まった。(お爺さんお婆さんは農場だよ!)
それはとても良い事なんだけど……なぜだろう? 住宅メンバーと新たに孤児院に入った子供達の様子がおかしいような気がする。
でも、みんな誰とでも仲良く話をして笑い合ってるし……今日から孤児院で生活する子は食事の時に"不安だったけど、みんなが優しいし、孤児院の中もすごくいいよ!"と報告に来てくれたので気のせいかな!
実はスラムでの配給の時から夕食中の今現在まで、行く先々で周りにいる大人や子供達から"信じられない程の好待遇で仕事をもらいお金も貰っている"のに、まだ足りないとばかりに心を砕くエアの行動のすべてが伝えられていて"そういえば自分達もだ!!"と感動しているのだが、本人は気付いていない。
食事も仕事の振り分けも終わり、住宅メンバーにカバンの受け渡しと飴の説明もしたら、安心したのかビャクに寄りかかって寝落ち……くぅぅ! 3歳の幼女だから仕方ないとはいえ……
ちなみにプリンはとんでもない大興奮で、特に濃厚プリンは院長先生までお代わりに殺到したほどであったと報告しておこう。
「うにゅ~、てんごくじゃ~」
顔に何かがぶつかって目が覚めた……その何かとは……ソラとツキの肉球~♡ これ以上の幸せってあるだろうか、いや、ない。
「うふふふふ~、ぷにゅぷにゅ~、か~いいね~♡ まわりみょふわふわ~♪」
〔〔くすぐったい~〕〕
〔起きたか、今日はどうする?〕
「おはよ~、にゃにちようか~? まじゅ、しゃんぴょいこ~!」
「おお~! たくしゃん!」
メープルの森に連れて来てもらったら今日もたっぷり溜まってる♪ 木々に開けた穴に一旦栓をして
『沢山の樹液をありがとう。しばらく休んでまたよろしくね♪』
それぞれの木に抱き着いて感謝を伝え、同時に少しでも癒しになればと《ヒール》を掛けておく。そして今度はどの木が良いか鑑定さんの指示に従い器具の設置と木々にお願いを。
「エア、実は昨日聞いたんだが、孤児院の件。今日くらい逮捕されるらしいぞ」
朝食中にザックさんから聞いた大ニュース!
「ちゅいにでしゅにぇ! でみょ、しょうにゃりゅちょ~……こじいん、どうにゃりゅ?」
「ん? どうなるって~?」
「もしかして、ちゃんと予算が出るようになったらって事ですか?」
ウンウンと頷いて返事すると
「……たぶん……断る」
??? どういう事だ? 断るって誰が何を?
「あ~、そうですね。おそらく院長先生をはじめ全員が街の予算を断るでしょうね。
今、エアさんのお陰で全員が仕事をしてお金を得ているんですよ? その方が子供達も自信につながりますしね」
「それに貰うお金より絶対今の方が多いよ~」
え!? ホントに補助を断るとしたら、それで良かったのかと心配になるが、ザックさん達の説明を聞く限りではとても良い事らしいので、心配はあるけど結果を待つことにしよう。
気分転換に今日は練乳とメープルシロップ、両方のアイスクリームを作ろうかな?
そういえば~! バイシロップがそろそろ飲み頃なんだよね~
カンロ杓子を地属性魔法(超便利~♡)でサイズ色々作りだし、ガラスのコップにシロップを注ぎ、様子を見ながらお水も入れて……人数分用意してみんなにも味見をしてもらおう。
「おいしい!! これがバイのシロップですか!?」
「確か、メープルシロップをエアさんが魔法で何か変えてから、バイと一緒に入れただけでしたよね!?」
「最初と全然違って、液がチャプチャプしてるね~」
作った時と全然違うし、甘いけどバイの味が出てるから、驚いてるね~! 30本あるから2本孤児院に持って行こ~っと♪ 気に入ってくれたら良いんだけど。
みんなでちょっと休憩することにして、収穫した果物を適当に広げパナプルジュースを配ると、食べた事があり自分達の好きな物を猛アピール!
勧められるがままに食べれば、驚きに固まるが反対から他の物をまた勧められ、再び固まる……
謎ループが展開してますね~。
孤児院の子供達が今日の仕事を終えて帰ったので、スラムから来たメンバーに新しい住居の案内をするため隣に移動し、部屋は相談して決めてもらう事にした。
そして人数がかなり多く、覚えられないので(だって12家族だからね!?)一応、配給した時の質問に答えてくれて既に代表っぽかったのでマルコさんという男性にお願いしちゃった。
マルコさんは奥さんと9歳の息子さん、そしておじいさんの4人家族。
「なあ、エア。カイルから聞いてたと思うんだけど……金額に合った物じゃないと……実際そこに暮らす者にとっては暮らし辛いんだぞ?」
適度に調整して完璧だと思っていたのに……ダメ出しを食らいました。
これ以上どうしろと!? と思うけど口にはしない。もし口にしたらどうなるか分からないからね!
空き部屋として決定した部屋を見学したザックさんの第一声だったけど、他のメンバーは
「すご~い、広くてきれいだし、明るくていいね~」
「……良い!」
「確かに金額には合ってないかもしれませんが、快適な環境ですね。部屋数があっていいです。
1人用の部屋も確かに広い……広すぎですが、どうしても荷物は増えますからね」
思う事はあるようだが、概ね高評価をいただきました~♪
まだ時間があったのでマルコさん達やって来た12組の家族(面倒だ、住宅メンバーと呼ぼう)から、代表で奥様を引っ張り出し街に買い物へレッツゴ~♪
緊急措置でライルさんに用意してもらった服は1組だけなので、奥様達なら家族の服をサイズも分かるし選べるだろうと判断したわけだが……さすが主婦! 少しでも安く、でも質の良い物を見極める目が搭載されているんだね……。
最初は"お金がないから今着ている服のままで良い、働いてから買う"と言っていたが、ここはオーナーの権力に物を言わせて従ってもらった。
必要数は服を最低4組と靴2足は絶対と厳命! 荷物はわたし達が持つからどんなに多くても平気だし。
服の他にも生活に必要な物を色々なお店を回って買っていく。その途中に"エアの店"に寄ってみると丁度お客さんの波が途切れて休憩中だったので、連れてきたのは奥様方だけだけど紹介を済ませ、このお店で取り扱っている商品などの説明を……ダニエルさん達にお任せ♪ えへっ♪
その間わたしはオーナーとしてちょこっとお仕事。
それはカバン! もちろんトマスさん達とは違うから悩んだんだけど、やっぱり各家庭に一つくらいカバンがあると便利だと思うんだよね。だから、あげるんじゃなくて、1家に1つ貸す事にしたのだ!
大きさは……トマスさん達大人は麻袋(大)3つ分にしたけど、今回は麻袋(大)2つ分にしようと思う。わたしだってちょっとは考えるし学習もするんですよ!
前回カバンを作った時は1人に1つだったけど、今回は1家に1つなので使用者登録人数は余裕を持って5人に変更。
後すべき事は、お薬キャンディーの箱詰めと、飴ちゃん箱詰めの用意
「⦅今日の夕飯は全員で食べようか? 孤児院のみんなは無理かな?⦆」
「いいね~、そうしようか~。声掛けに行くよ」
「だったら、合同キッチンに招待するか?」
「彼等なら大丈夫でしょう」
「……プリン」
「⦅よしそうしよう! みんなも手伝ってね♪ マルセルさん達にも言ってくる~⦆」
さて、夕食準備を始めます。消化が良く体にも良い料理……ってなに!?
悩んだ結果、脂っこい物は避ける事に。
かぶらとシロナ・ロック鳥肉の煮物、オオネと卵の煮物なら、柔らかくトロトロで消化にも良いし、ロック鳥のささみ肉でショガとねぎのスープ、ちょっとトロミつけて卵も流し入れたら良いよね~。
スープにはコメを入れて食べても美味しいよ。
でもこれだけじゃ満足しないメンバーがいるから、結構ガツンと来るかもしれないけど……
ロック鳥とシロナの味噌チーズ焼き、イビルバイパーの照り焼き、イビルバイパーとカボシュ・レンホウソウときのこ類の蒸し物、ポテイモのイモ餅、作り立てのベーコンも使ってチーズ入りコロッケ。
デザートには何度か食べたのと、ミューの濃厚ミルクと生クリームとコッコから貰った茶色の卵を使って超濃厚なプリンに決定♪ (食べ比べをしよう!)
ザックさん達4人とマルセルさん、シモンさんの合計6人に協力してもらうわけだけど……4人には切ったり混ぜたりをお願いして怒涛の勢いで料理を作り上げていく。
ザックさん達には黒の森からの帰り道で、応用魔法で調理が格段に楽になる事を知っているので切る混ぜるはプロ並みなんだよ♪
魔法での調理風景を見たマルセルさん達の方が逆にビックリしてるよ……ショガをすりおろしと千切りにしてもらったんだけど早いし綺麗だったからね~。
聞けば多少の魔法は出来るらしいので、今度教えることになった。出来る事が増えるのは良い事だよ。
「もうしゅぐできましゅ、らいりゅしゃ~ん、おにぇがい♪」
ライルさんに呼びに走ってもらって、残ったわたし達は作業を続行。
なぜなら今回呼んで一緒にご飯を食べるのは……孤児院の子供総数25人に、先生達は4人、トマスさん達は24人、住宅メンバーは40人、わたし達は5人と5匹の98人と5匹
とんでもないな!?普通の夕食で100人規模って……
出来上がった料理はウエストポーチに収納して、テーブルセッティングが完了したのと丁度同じ頃、みんながやって来たようだ。
急いで門に迎えに行ってみると、そこには初めて訪れた人なら必ず見せる反応をしている人たちの姿が。
「「「いんちょーせんせー、ここすごいね~」」」
「え、ええ……さすがはエアさんです」
「いりゃっちゃ~い! こっちでしゅよ~」
「「「エアちゃん!」」」
「お言葉に甘えてしまいましたが……立派なお家ですね~」
「あの、私達まで本当によかったんでしょうか!?」
院長先生以外の3人が……困惑してる? どうしたんだろう?
「もちりょんでしゅよ? いっちょ、たべよ~♪」
「食べやすく、消化に良い物を用意したつもりです。食べ過ぎてお腹を壊さない程度にいっぱい食べてください」
「「「ん~! どれもすっごくおいしい!!」」」
「これは、とても温まります。コメを入れて食べるとまた美味しい!」
良かった~、好評だよ~!
みんなの食べるスピードが落ち着いて来たので、そろそろお仕事の相談をしておこう。
実はこの人数になっても一緒に食事をしようと思ったのは、孤児院の子供が増えて25人になったのに先生が4人なのが気になったから。(絶対少ないもん!!)
そこで、掃除洗濯食事の用意等のお世話を仕事として4人ほどお願いが出来ないかと思ったんだよね~。
住宅メンバーは40人のうち男性はお爺さん1名を含め8人、女性は15人でそのうちお婆さんが5人。子供は上が10歳~下が5歳までの17人である。
相談をしてみると何ともあっさり簡単に、護衛のドニ家と一緒に4人の奥様が毎日孤児院に行き、お店には3人。力のある男性はトイレやレンガの作成と決まった。(お爺さんお婆さんは農場だよ!)
それはとても良い事なんだけど……なぜだろう? 住宅メンバーと新たに孤児院に入った子供達の様子がおかしいような気がする。
でも、みんな誰とでも仲良く話をして笑い合ってるし……今日から孤児院で生活する子は食事の時に"不安だったけど、みんなが優しいし、孤児院の中もすごくいいよ!"と報告に来てくれたので気のせいかな!
実はスラムでの配給の時から夕食中の今現在まで、行く先々で周りにいる大人や子供達から"信じられない程の好待遇で仕事をもらいお金も貰っている"のに、まだ足りないとばかりに心を砕くエアの行動のすべてが伝えられていて"そういえば自分達もだ!!"と感動しているのだが、本人は気付いていない。
食事も仕事の振り分けも終わり、住宅メンバーにカバンの受け渡しと飴の説明もしたら、安心したのかビャクに寄りかかって寝落ち……くぅぅ! 3歳の幼女だから仕方ないとはいえ……
ちなみにプリンはとんでもない大興奮で、特に濃厚プリンは院長先生までお代わりに殺到したほどであったと報告しておこう。
「うにゅ~、てんごくじゃ~」
顔に何かがぶつかって目が覚めた……その何かとは……ソラとツキの肉球~♡ これ以上の幸せってあるだろうか、いや、ない。
「うふふふふ~、ぷにゅぷにゅ~、か~いいね~♡ まわりみょふわふわ~♪」
〔〔くすぐったい~〕〕
〔起きたか、今日はどうする?〕
「おはよ~、にゃにちようか~? まじゅ、しゃんぴょいこ~!」
「おお~! たくしゃん!」
メープルの森に連れて来てもらったら今日もたっぷり溜まってる♪ 木々に開けた穴に一旦栓をして
『沢山の樹液をありがとう。しばらく休んでまたよろしくね♪』
それぞれの木に抱き着いて感謝を伝え、同時に少しでも癒しになればと《ヒール》を掛けておく。そして今度はどの木が良いか鑑定さんの指示に従い器具の設置と木々にお願いを。
「エア、実は昨日聞いたんだが、孤児院の件。今日くらい逮捕されるらしいぞ」
朝食中にザックさんから聞いた大ニュース!
「ちゅいにでしゅにぇ! でみょ、しょうにゃりゅちょ~……こじいん、どうにゃりゅ?」
「ん? どうなるって~?」
「もしかして、ちゃんと予算が出るようになったらって事ですか?」
ウンウンと頷いて返事すると
「……たぶん……断る」
??? どういう事だ? 断るって誰が何を?
「あ~、そうですね。おそらく院長先生をはじめ全員が街の予算を断るでしょうね。
今、エアさんのお陰で全員が仕事をしてお金を得ているんですよ? その方が子供達も自信につながりますしね」
「それに貰うお金より絶対今の方が多いよ~」
え!? ホントに補助を断るとしたら、それで良かったのかと心配になるが、ザックさん達の説明を聞く限りではとても良い事らしいので、心配はあるけど結果を待つことにしよう。
気分転換に今日は練乳とメープルシロップ、両方のアイスクリームを作ろうかな?
そういえば~! バイシロップがそろそろ飲み頃なんだよね~
カンロ杓子を地属性魔法(超便利~♡)でサイズ色々作りだし、ガラスのコップにシロップを注ぎ、様子を見ながらお水も入れて……人数分用意してみんなにも味見をしてもらおう。
「おいしい!! これがバイのシロップですか!?」
「確か、メープルシロップをエアさんが魔法で何か変えてから、バイと一緒に入れただけでしたよね!?」
「最初と全然違って、液がチャプチャプしてるね~」
作った時と全然違うし、甘いけどバイの味が出てるから、驚いてるね~! 30本あるから2本孤児院に持って行こ~っと♪ 気に入ってくれたら良いんだけど。
91
お気に入りに追加
1,542
あなたにおすすめの小説
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました
ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。
会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。
タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる