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「すまん待たせたな。今王都に行く準備をしていてな、それときちんと報告しておこう。孤児院の件だが、運営費と修繕費の横領をしていた者は明日すべての証拠が揃い次第捕らえることになっている。
それで今日はどうした?」
エアと別れ急いで領主邸へ来たビクターギルマスに孤児院の件でいい報告がもたらされた。
「それはいい知らせですね。(来てよかった。王都という事は神獣様方の報告でしょうかね?)
実は今日伺いましたのは……こちら、ご覧ください。
これはレンガです、このまま使う事も出来ますが、大きさや厚さを変える事も出来まして、何よりお伝えしたい事は、消臭と浄化が付与されているという事です。
それからこちらトイレなんですが、これにも消臭と浄化が。この2種類は街が汚れる原因の根本から無くしていくための商品です。
そして……実際に見ていただきたいので、井戸に案内していただけますでしょうか? それと公表していない物ですので目隠しもお願いします」
目の前に出す物の一つ一つに驚き質問をしようとしてくる領主を黙らせ………………
領主邸の執事に案内されてきた裏庭の井戸、魔法と魔道具を併用して周囲から見えないようにしてもらう……(さすが領主邸いい人材と道具を持っていますね)
「これは手押しポンプと言います。このように井戸に設置しましたら……このように……安全に、またそれほど強い力が必要なく水を汲むことが出来ます……が、領主様は水汲みの苦労など経験が無いでしょうから、一度試された方が良いでしょうね」
そう言うとビクターギルマスはサッサと先程設置したばかりの手押しポンプを外してしまう。だが言われたことは本当にその通りで……
「ぐっ! なんて重いんだ……水が入るだけでこんなにも!」
街では女子供が毎日している井戸からの水汲みだが、初めて経験する者からしたらロープが手に食い込みとても大変な作業だと初めて認識できる。
「おわかりになりましたか? 街でもこの領主邸でも、恐らく女子供の仕事でしょう。また子供であれば身体が軽い分水の重みで落ちる危険と隣合わせの危険な仕事です。
ですが先程の手押しポンプなら……もう一度どうぞ?」
再びサッサと設置して
「お、おお!? なんだ、どうなっているんだ? ほとんど力が要らないぞ!?」
この手押しポンプ本来なら呼び水が必要なんだけど、レンガの時みたいに粉にした魔石を混ぜ込むことで、使用者でも感じない程の極少量の魔力を自動で使用して呼び水を作ってくれるようにしたの。
だから使用者はただハンドルを動かしているだけに感じるくらい軽く水を汲むことが出来るという優れもの。
せっかく汲んだ水なので利用してもらうのだが、代わりに利用後の汚れた水と空のタライをもらい、次はレンガとタイル、そしてトイレの実験をしてみる事に。
「ビクター、これはどのように使うんだ!? 早く教えてくれ!」
領主としての威厳など無くし、只々、目新しく素晴らしい物に夢中な様子を隠すことなく興奮している一人の男。
「お待ちください、すぐ準備しますので……(全く領主らしさはどこに行ったんです? 子供ですか!?)まずはレンガからにしましょうか?
このレンガを並べ路を作るそうです、道の終わりにはタライを置きますね……縁も作りましょうか。ここに汚れた水を流すと……」
「なんと!? キレイになったぞ? レンガと言ったか、この路の上を通すだけで……」
本当に驚きです。確かに説明で消臭と浄化をすると聞いていましたが、これほどの違いを見てしまうと言葉を失いますね。
「次はタイルなんですが、これはレンガを薄く切った物との事なので、効果は先程と同じだと思います。
ですので、トイレを試してみましょう。
これはその場に置くだけで良いそうです。そしてこの蓋を上げて使用……今回は汚れた水を入れます、使用後は蓋を閉める。そうすれば……これまたすごいですね」
「………………」
ちょっと領主様!? 無言は無いでしょう……わかりますけど。領主らしさが!! 威厳が!!
「これらはある方が商品登録の申請をされたものです。まず手押しポンプとタイルは共用水場と井戸に設置していただきたい。
そしてレンガですが、以前お知らせした軽犯罪者へのバツ掃除で、ほんの少し臭い問題は抑えられるでしょうが、根本の改善には至りませんので、これを下水路に敷く事を提案されました。
"下水や環境の悪さは人の健康を損ねる"と、とても気にしておられまして、もし共用水場と井戸、下水路への設置をしていただけるのなら、3つの商品を格安で販売して下さるそうです」
実際に商品を使ってみると、なぜ今までこういった道具が無かったのかと不思議なほど。冒険者たちの遠征道具は勿論、生活の中にも魔道具は多くあるのに……しかも付与されている魔法は消臭と浄化……消臭は恥ずかしながら思い付かなかったが、浄化なら考えた事はある。でも、定期的に浄化を掛けるにも時間と人数が必要で実行できなかったのだ。
「このような理想が……現実に魔道具として可能になるとは……。
ビクター! 費用はいくらかかっても構わん、街中に設置するのに必要な人員や数量等を執事のセイバスと相談してくれ。
セイバス! ビクター達の手助けを。これから街が変わるぞ!」
「かしこまりました」
領主よりの指示を受けた執事のセイバスは、一度礼をして部屋を出て行った。おそらく他の使用人にも指示を出すのだろう。
「ところで、ビクターよ。これらを考え出した方にお会いして礼を「結構です!」……ええぇぇ……」
作ったのはエアさんなのに教えるはずがないでしょう。まったく油断できません。
私はここザーリアの街の領主、アドルフ・フォン・グスマン・レザリア。
ここ数日色々な事が立て続けに起こり、ちょっとお疲れ気味……でもそれも仕方がないと思わないか!?
確かにザーリアの街は強い魔物が多く生息する黒の森に面している辺境と呼ばれる場所で、過去何度も魔物の氾濫で街が壊滅に近い状態になることも。
防壁を築き、冒険者や警備隊などが日々魔物を適度に間引く事で、氾濫の回数が目に見えて減ったが常に緊張と隣り合わせだ。
そんな中、神獣様が2体とその番と仔の出現に、その全てが同じ主人を仰ぐと聞かされて……調べれば調べるほど驚き疲れる事ばかり。
さらには気掛かりだった街を挙げての孤児の救済が、ずっと数名の馬鹿貴族が行っていた不正の犠牲に苦しめられていた事をいまさらではあるが知ることとなった。
自身の力のなさに打ちのめされながらも、挽回するべく証拠集めを行い馬鹿共を捕らえる準備を行っている。それに並行して神獣様方について、国王陛下へ報告するための準備にも余念がなかったところに新たな知らせ。
正直"今度は何だ!?"と戦々恐々としていたのは内緒だ!! 領主だからな、威厳が必要なのだ!
だが今日とても素晴らしい魔道具の誕生が知らされた。
それは手押しポンプ・タイル・レンガ・トイレの4種類……タイルはレンガを薄く切った物らしいので実質3種類らしいが、これがとんでもなく素晴らしい物だった!
この街はそれほど荒れて汚いわけではないが、どうしても汚水・汚物は存在し風向きによって異臭がする。それはどうしようもない事だと思っていた……なのにそれが完全に覆されたのだ!
レンガとタイルはただ地面に敷き詰めるだけ、それも井戸周辺など汚水の流し口付近にはキッチリと敷き、それ以外の下水路には等間隔で設置をすれば見違えるほどきれいな水に!
手押しポンプについては、これまでの長い時間で水汲みをしたことが無かったが、商業ギルドのビクターギルマスに言われるがまま今までの方法と手押しポンプでの水汲みを試してみてその違いに驚き、また大変な力仕事を子供も行っている事を知り恥ずかしくなった……。
これらは街の暮らす者のためならばと格安提供の提案をもらったので、ありがたく甘える事にした。
最後の1つ、トイレだ! 今まで見た事もない素晴らしい物! 流石にタイルなどのように格安の提案は無かったが、これならいくら高額でも貴族なら間違いなく欲しがるだろう。事実わたしは領主邸内すべてのトイレを変更する指示を出したからな!
ビクターに製作者に礼を言いたいといったら即答……というより被せて拒否されてしまったが……これって不敬じゃないか!?
今回の魔道具について気になることがある。それは製作者だ!
もしかしてと思い浮かぶ存在はあるが、今日までに届いた情報から見て、いやそんなまさか……と思う気持ちもあるが今までこんな魔道具は無かった。
実際目の前に並べられると、なぜこの方法を考えつかなかったのかと逆に疑問がわき出てくるほどで、商品登録はされたらしいが、作り方の公表はされたかどうかわからない。
もしも製作者が想像した通りなら、今後どう動くべきか……
街を良くするための素晴らしい物を開発してもらったが、人の出入りがある以上今回の魔道具の話は必ず他の街に話は伝わるだろう。
馬鹿でなくとも王都にもこの魔道具が普及することを希望する貴族が現れる。私は既にその一人だが、登録された物は許可を得ている者以外が生産することは禁じられている……そうなると間違いなく馬鹿が湧き出て、製作者の囲い込みや利権を得るための強引な手段を取る事が予想出来る以上、ビクターに拒否された挨拶は無理でも対策の相談が必要だ。
今後大量生産が必要になるのが間違いないので、製作者の今後についての考えも聞きたいところだが恐らくビクターもブルックも警戒するだろうし……。
大体いくら私が貴族だからって……ちょっとくらい味方をして口添えしてくれても良いんじゃないか!? 別に権力を振りかざすつもりも何もないんだぞ!?
間違いなくビクターもブルックも……いや! 2人だけじゃないサブマスのハリスとハンスもだ、あの4人は絶対に神獣様方にもその主の幼女にも会っているはずなんだ、それぞれギルマスとサブマスだからな!
貴族が嫌いとの事だが今後の事を考えると、やはり一度でいいから挨拶だけでもさせて欲しいんだよな~。
それに冒険者ギルドで見かけた幼女はとても可愛かったからな、何か欲しがるものを何でもいいから買ってあげたい!!
我が家は息子ばかりだし……絶対妻も喜んで可愛がるだろうな~。
孤児院の問題が解決したら4人になんとかお願いしてみるかな……でもあの4人は私を"領主様"と口では言いつつ、全く敬うって事を知らないからな。
往々にして不敬な事ばかりだ……貴族……しかも領主なんだけどな……領土内では一番偉いんだぞ!?
それで今日はどうした?」
エアと別れ急いで領主邸へ来たビクターギルマスに孤児院の件でいい報告がもたらされた。
「それはいい知らせですね。(来てよかった。王都という事は神獣様方の報告でしょうかね?)
実は今日伺いましたのは……こちら、ご覧ください。
これはレンガです、このまま使う事も出来ますが、大きさや厚さを変える事も出来まして、何よりお伝えしたい事は、消臭と浄化が付与されているという事です。
それからこちらトイレなんですが、これにも消臭と浄化が。この2種類は街が汚れる原因の根本から無くしていくための商品です。
そして……実際に見ていただきたいので、井戸に案内していただけますでしょうか? それと公表していない物ですので目隠しもお願いします」
目の前に出す物の一つ一つに驚き質問をしようとしてくる領主を黙らせ………………
領主邸の執事に案内されてきた裏庭の井戸、魔法と魔道具を併用して周囲から見えないようにしてもらう……(さすが領主邸いい人材と道具を持っていますね)
「これは手押しポンプと言います。このように井戸に設置しましたら……このように……安全に、またそれほど強い力が必要なく水を汲むことが出来ます……が、領主様は水汲みの苦労など経験が無いでしょうから、一度試された方が良いでしょうね」
そう言うとビクターギルマスはサッサと先程設置したばかりの手押しポンプを外してしまう。だが言われたことは本当にその通りで……
「ぐっ! なんて重いんだ……水が入るだけでこんなにも!」
街では女子供が毎日している井戸からの水汲みだが、初めて経験する者からしたらロープが手に食い込みとても大変な作業だと初めて認識できる。
「おわかりになりましたか? 街でもこの領主邸でも、恐らく女子供の仕事でしょう。また子供であれば身体が軽い分水の重みで落ちる危険と隣合わせの危険な仕事です。
ですが先程の手押しポンプなら……もう一度どうぞ?」
再びサッサと設置して
「お、おお!? なんだ、どうなっているんだ? ほとんど力が要らないぞ!?」
この手押しポンプ本来なら呼び水が必要なんだけど、レンガの時みたいに粉にした魔石を混ぜ込むことで、使用者でも感じない程の極少量の魔力を自動で使用して呼び水を作ってくれるようにしたの。
だから使用者はただハンドルを動かしているだけに感じるくらい軽く水を汲むことが出来るという優れもの。
せっかく汲んだ水なので利用してもらうのだが、代わりに利用後の汚れた水と空のタライをもらい、次はレンガとタイル、そしてトイレの実験をしてみる事に。
「ビクター、これはどのように使うんだ!? 早く教えてくれ!」
領主としての威厳など無くし、只々、目新しく素晴らしい物に夢中な様子を隠すことなく興奮している一人の男。
「お待ちください、すぐ準備しますので……(全く領主らしさはどこに行ったんです? 子供ですか!?)まずはレンガからにしましょうか?
このレンガを並べ路を作るそうです、道の終わりにはタライを置きますね……縁も作りましょうか。ここに汚れた水を流すと……」
「なんと!? キレイになったぞ? レンガと言ったか、この路の上を通すだけで……」
本当に驚きです。確かに説明で消臭と浄化をすると聞いていましたが、これほどの違いを見てしまうと言葉を失いますね。
「次はタイルなんですが、これはレンガを薄く切った物との事なので、効果は先程と同じだと思います。
ですので、トイレを試してみましょう。
これはその場に置くだけで良いそうです。そしてこの蓋を上げて使用……今回は汚れた水を入れます、使用後は蓋を閉める。そうすれば……これまたすごいですね」
「………………」
ちょっと領主様!? 無言は無いでしょう……わかりますけど。領主らしさが!! 威厳が!!
「これらはある方が商品登録の申請をされたものです。まず手押しポンプとタイルは共用水場と井戸に設置していただきたい。
そしてレンガですが、以前お知らせした軽犯罪者へのバツ掃除で、ほんの少し臭い問題は抑えられるでしょうが、根本の改善には至りませんので、これを下水路に敷く事を提案されました。
"下水や環境の悪さは人の健康を損ねる"と、とても気にしておられまして、もし共用水場と井戸、下水路への設置をしていただけるのなら、3つの商品を格安で販売して下さるそうです」
実際に商品を使ってみると、なぜ今までこういった道具が無かったのかと不思議なほど。冒険者たちの遠征道具は勿論、生活の中にも魔道具は多くあるのに……しかも付与されている魔法は消臭と浄化……消臭は恥ずかしながら思い付かなかったが、浄化なら考えた事はある。でも、定期的に浄化を掛けるにも時間と人数が必要で実行できなかったのだ。
「このような理想が……現実に魔道具として可能になるとは……。
ビクター! 費用はいくらかかっても構わん、街中に設置するのに必要な人員や数量等を執事のセイバスと相談してくれ。
セイバス! ビクター達の手助けを。これから街が変わるぞ!」
「かしこまりました」
領主よりの指示を受けた執事のセイバスは、一度礼をして部屋を出て行った。おそらく他の使用人にも指示を出すのだろう。
「ところで、ビクターよ。これらを考え出した方にお会いして礼を「結構です!」……ええぇぇ……」
作ったのはエアさんなのに教えるはずがないでしょう。まったく油断できません。
私はここザーリアの街の領主、アドルフ・フォン・グスマン・レザリア。
ここ数日色々な事が立て続けに起こり、ちょっとお疲れ気味……でもそれも仕方がないと思わないか!?
確かにザーリアの街は強い魔物が多く生息する黒の森に面している辺境と呼ばれる場所で、過去何度も魔物の氾濫で街が壊滅に近い状態になることも。
防壁を築き、冒険者や警備隊などが日々魔物を適度に間引く事で、氾濫の回数が目に見えて減ったが常に緊張と隣り合わせだ。
そんな中、神獣様が2体とその番と仔の出現に、その全てが同じ主人を仰ぐと聞かされて……調べれば調べるほど驚き疲れる事ばかり。
さらには気掛かりだった街を挙げての孤児の救済が、ずっと数名の馬鹿貴族が行っていた不正の犠牲に苦しめられていた事をいまさらではあるが知ることとなった。
自身の力のなさに打ちのめされながらも、挽回するべく証拠集めを行い馬鹿共を捕らえる準備を行っている。それに並行して神獣様方について、国王陛下へ報告するための準備にも余念がなかったところに新たな知らせ。
正直"今度は何だ!?"と戦々恐々としていたのは内緒だ!! 領主だからな、威厳が必要なのだ!
だが今日とても素晴らしい魔道具の誕生が知らされた。
それは手押しポンプ・タイル・レンガ・トイレの4種類……タイルはレンガを薄く切った物らしいので実質3種類らしいが、これがとんでもなく素晴らしい物だった!
この街はそれほど荒れて汚いわけではないが、どうしても汚水・汚物は存在し風向きによって異臭がする。それはどうしようもない事だと思っていた……なのにそれが完全に覆されたのだ!
レンガとタイルはただ地面に敷き詰めるだけ、それも井戸周辺など汚水の流し口付近にはキッチリと敷き、それ以外の下水路には等間隔で設置をすれば見違えるほどきれいな水に!
手押しポンプについては、これまでの長い時間で水汲みをしたことが無かったが、商業ギルドのビクターギルマスに言われるがまま今までの方法と手押しポンプでの水汲みを試してみてその違いに驚き、また大変な力仕事を子供も行っている事を知り恥ずかしくなった……。
これらは街の暮らす者のためならばと格安提供の提案をもらったので、ありがたく甘える事にした。
最後の1つ、トイレだ! 今まで見た事もない素晴らしい物! 流石にタイルなどのように格安の提案は無かったが、これならいくら高額でも貴族なら間違いなく欲しがるだろう。事実わたしは領主邸内すべてのトイレを変更する指示を出したからな!
ビクターに製作者に礼を言いたいといったら即答……というより被せて拒否されてしまったが……これって不敬じゃないか!?
今回の魔道具について気になることがある。それは製作者だ!
もしかしてと思い浮かぶ存在はあるが、今日までに届いた情報から見て、いやそんなまさか……と思う気持ちもあるが今までこんな魔道具は無かった。
実際目の前に並べられると、なぜこの方法を考えつかなかったのかと逆に疑問がわき出てくるほどで、商品登録はされたらしいが、作り方の公表はされたかどうかわからない。
もしも製作者が想像した通りなら、今後どう動くべきか……
街を良くするための素晴らしい物を開発してもらったが、人の出入りがある以上今回の魔道具の話は必ず他の街に話は伝わるだろう。
馬鹿でなくとも王都にもこの魔道具が普及することを希望する貴族が現れる。私は既にその一人だが、登録された物は許可を得ている者以外が生産することは禁じられている……そうなると間違いなく馬鹿が湧き出て、製作者の囲い込みや利権を得るための強引な手段を取る事が予想出来る以上、ビクターに拒否された挨拶は無理でも対策の相談が必要だ。
今後大量生産が必要になるのが間違いないので、製作者の今後についての考えも聞きたいところだが恐らくビクターもブルックも警戒するだろうし……。
大体いくら私が貴族だからって……ちょっとくらい味方をして口添えしてくれても良いんじゃないか!? 別に権力を振りかざすつもりも何もないんだぞ!?
間違いなくビクターもブルックも……いや! 2人だけじゃないサブマスのハリスとハンスもだ、あの4人は絶対に神獣様方にもその主の幼女にも会っているはずなんだ、それぞれギルマスとサブマスだからな!
貴族が嫌いとの事だが今後の事を考えると、やはり一度でいいから挨拶だけでもさせて欲しいんだよな~。
それに冒険者ギルドで見かけた幼女はとても可愛かったからな、何か欲しがるものを何でもいいから買ってあげたい!!
我が家は息子ばかりだし……絶対妻も喜んで可愛がるだろうな~。
孤児院の問題が解決したら4人になんとかお願いしてみるかな……でもあの4人は私を"領主様"と口では言いつつ、全く敬うって事を知らないからな。
往々にして不敬な事ばかりだ……貴族……しかも領主なんだけどな……領土内では一番偉いんだぞ!?
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