まさか転生? 

花菱

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 目が覚めて一番最初に目に入ってきたのは、見ただけで手触りの良さが伝わってきそうなステキなモフモフで、我慢できずに手を伸ばしてしまう……もふっ……ついでに全身で……もふっ

「しゅごしゅぎ~、こりぇはひとをだめにしゅりゅやちゅだ……」

〔よく眠れたか?〕

『おはようビャク! うん、ぐっすり。ビャクは?』

〔私もよく寝たぞ。エアと一緒にいたからだろう、今までで一番いい眠りだった〕

『お風呂に入って、安全な所にいるからだね~。他のみんなも寝られたかな?
 よーし、下に降りて朝ごはんの準備しよう!
 その前に……今日の服は何にしようかな~?』

 レギンスに、えんじ色のエプロンドレスをチョイスしたが、少しずつ着ぐるみ系が増えてる気がするのは気のせいだと思いたい。

 

〔朝ごはんは何にするんだ?〕

『何にしよう……肉がないと多分みんな足りないよね』

 ビャクの背中に乗って移動中にふとした思い付き……

『ねぇ? 移動中にもしも眠くなっちゃったら、ビャクの背中で寝れるかな?
 なんかね、この3歳の身体だとちょっと疲れちゃうみたいで……』

〔背にうつ伏せれば問題はない。だいたい幼子は寝るのが仕事なのだ我慢せず寝るがいい、絶対に落とすことはないから、安心していればよいのだ〕

「ありがちょー」
 モフモフ……



 まず、ヨーグルトをガーゼとザルを使って水切りしておきましょう。低温熟成ポケットに入れておけば温度は変わらず時間の進みが早いので短時間で水が切れるでしょう。

 前世のキャベツに似たカボシュと人参に似たキャロの千切りにハムを加えたコールスローサラダと、ソーセージを多めにボイルして、ハムも沢山切っておく。前世のレタスでここではチシャとチーズの薄切りも。

 このソーセージ、今は前世のソーセージだけどこの世界にはないのかな? お肉の種類によって味が濃い物もあるから絶対美味しいと思うんだけどな……今度作ってみるかな。ベーコンとかもいいね~。


 次はオークを風属性で大き目の粗みじんと、みじん切り、薄切りの3種類に。

 魔法は便利だけど、ミンサー欲しいな……口替えたら色々出来るし、魔石も使ったら自動の機械作れないかな? ビャクの話では、わたしみたいな魔法の使い方ってしないらしいし、絶対楽になると思うんだけどな~




 ミンサーは後で考えることにして今は朝食の準備、ロック鳥で照り焼きも作っておこう。
 

 みじん切りは甘辛く炒めておにぎりの具に詰めたら薄切り肉を巻いて再び甘辛く。お肉が多いので、中の具をシソの葉と梅干に変えたものも作る。


 粗みじんではハンバーグを大量に作り、その半分はチーズを入れて。焼いた後に残るせっかくの肉汁もきちんと利用してソースも作っておくのを忘れずにね。


 さてそろそろ、ヨーグルトを……ヨシヨシ上手く水が切れた。ヨーグルトにレモンとはちみつを加え混ぜたら器に盛って数種類のジャムとフルーツを別で準備しておけばOK!


 あとはパンの準備とスープは昨日作った鳥ガラスープを使って卵スープを作れば完成!

 この世界のパンはコッペパンみたいな形で、フランスパンに近い食べ応えのパンが主流らしい。クリームパンとかチョコパン、カレーパンとか食べたい。




 そんな感じで準備をしているとみんなも起きてきた。

「おはよ~、エアちゃんはやいね」

「おはようございます。いい匂いがしていますが、もしかして朝食の準備ですか?」

「……おはよう」

「おはよう、早いなエア。ゆっくり寝たのか?」

「おはようごじゃいましゅ。ぐっしゅりでしゅよ、ごはんできまちた、たべりぇましゅか?」

「食べる。あのテーブルに準備するか?」

「はい、ちょっとおおきめのおしゃらをだちてくだしゃい」



「こにょぱんにきりぇめをいりぇてましゅ、しゃらだとしょーしぇーじちょか、しゃらだちょはむにはんばーぐをしゅきにはしゃんでたべちぇくだしゃい。びゃくはまじゅこりぇでもいいでしゅか?
 あちょこにょまりゅいにょは、にくまきおにぎりっていいましゅ」

「へ―変わった食べ方だ。いただきます」

「「「〔いただきます〕」」」

「うまい! 今までパンとおかずで食べてきたが一緒に食べると全然違う……うまいな~」

「これ! 肉巻き凄い! 美味しいし、食べ応えある~、ん? 中にも具が入ってる、あれ? 一個目に食べたのと具が違う」

「どうちてもあじがこくなっちゃうかりゃ、ちょっとしゃっぱりもじゅんびちまちた」

〔エアこの肉は何だ? 凄く柔らかいぞ? ん!? 中から何か出てきたぞ!〕

「しょれははんばーぐっていっちぇ、なかにょはちーじゅでしゅ」

「お肉ですよね? ものすごく柔らかい」

「ちいしゃくきっちぇかりゃまとめてりゅんでしゅよ」

「……パン何挟んでもおいしい」

「うふふ、ちっかりたべちぇくだしゃいね、でもたべしゅぎにはちゅういでしゅよ~」

「「「「〔了解〕」」」」


 どんどん無くなっていく料理に驚きます。でもみんな幸せそうだからいいか!



「よーぐりゅちょでちゅくったでじゃーとでしゅ、こにょじゃむとふりゅーちゅを、しゅきにのしぇてくだしゃい」

「ヨーグルトって何?」

「みりゅくでちゅくられたものでしゅよ、こりぇはからだにいいんでしゅ」

「ほ~、次々新しい物が出てくるが、どれもこれもうまいな~」

「このジャム? これだけ舐めたら甘いけど一緒に食べたら丁度良くなりますね」

「……ジャム……そのままも良い」

〔この甘さも良いな~、ヨーグルトと甘いジャムが良く合っている〕

「おいちー! こりぇ、かんたんにできりゅにょにおいちーかりゃしゅき! きにょうとったもも、こんどじゃむにちてみよー」

「このジャムって、自分で作れるんですか?」

「おしゃとうとにりゅだけでしゅよ、じかんがかかりましゅけどね」



「「「「「〔ごちそうさまでした(ごちしょうしゃまでちた)〕」」」」」

 朝食の片付けとテントの収納をいつも通り魔法で一瞬で終わらせたら忘れ物の確認をして終了。




「よし、エアはビャクの背に乗ったな? 出発するぞ~」

 移動中ビャクの背中の上で特に何もすることがなく暇だったこともあり、エアは自分のステータスをもう一度確認してみることにした。


ステータス
『名前』
   エア・ルミナード  (相沢あいざわ    はるか)
『年齢』3   『性別』女
『種族』人族   『レベル』8
『HP』5500
『MP』∞
『魔法』
   火・水・風・地・無・光・闇
『スキル』
   各種異常耐性
   各種攻撃耐性
   創造魔法
   生活魔法
   気配察知
   魔力感知    
   転移魔法
   治癒魔法  
   投影魔法   
   魔力視   
   インベントリ
   マップ
   言語理解
   剣術
   鑑定
   解体
   錬金術
『従魔』
   フェンリル〔ビャク〕 
『称号』
   愛し子
   神々に見守られし者
   異世界からの転生者
   蒼の剣に守られし者 


 これが今の私のステータス……解体以外はだいたい使ってるけど、今気になるのは料理中に思い付いたミンサーの事で、必要だとしたら錬金術と創造魔法かな? あと稼働のオン・オフだと無属性での付与?
 錆びにくくて肉の滑りがいい素材で出来てて、魔石で動いて、ひき肉の引き具合が替えられて、ソーセージのサイズ変更も可能、ただひき肉の時は気にならないけど、ソーセージの時は空気が入らないようにしたい。手動もあったけど、絶対ハンドル回すのがつらいからやっぱり自動だ(チリリン♪)よね?


 なんか音した……今一生懸命考えていたのは自動のミンサー、しかも色々替えれるタイプ 

 これはたぶん……できたな。想像通りかは分からないけど間違いないね! 休憩の時に確認しよう。それにしても音に種類が今ので3つ目か、この区別も覚えなきゃ。


 あとは、ソーゼージに必要な腸(ケージリング)だけど、これは解体の時にキレイになってくれれば一番なんだけどなぁ。一から作るとなると何回も洗ってキレイにして塩をして数日後にまた洗って不要な物をしごき落としてまた洗い……となかなかの手間がかかり面倒なのだ。
 前世なら塩抜きをしたら使える便利な物が売ってあったのに……。本当に便利な世界だったんだな。
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