まさか転生? 

花菱

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 全力で見ないふりを頑張るが低い視界の中に否が応にも存在を主張する、なぜか加工済の輝き……

『なんでっ、何でこんなことに!? ただちょっと他の事を考えようとしただけなのに……うっ……うぅっ……』

 しばらく悲しみに暮れた後、諦めて色とりどりの輝きを確認するべきと向き合うことにするものの、

「いっちゃいにゃんこありゅんでしゅか、おおしゅぎじゃありましぇん?」


 あまりの量に一生懸命絞り出した、勇気が簡単に砕けそうになる。

 目を閉じて、一つだけ手に取ると身体の向きを変える。

「ふぅ……よち! かかっちぇこい!」

 レッドダイヤモンド 3カラット 非常に希少で〈幻の宝石〉と言われている。
  ~ 神より ~
 (前世で過去に1カラット 1億円以上の値が付いたものより高品質)


「きりぇいだけじょ、にゃんでしゅか〈まぼりょしのほうしぇき〉っちぇ。しょりぇに、ちりたくにゃかったじょうほうまじぇ……」

 これでまだたったの一つ目、このままでは最後まで耐えられないので、早々に諦め全てインベントリに入れ見なかった事にしようとしたのだが、まるでと訴えるかのようにインベントリのパネルが目の前に……。

『何? 今まで物を入れるときにパネル出てきてなかったよ? ……そうか、確認ね……よし、分かった。詳しく見なければ大丈夫よ……たぶん』



 確認?(とても現物を見る気になれないのでパネル上で)しましたよ。とにかく大変です。
 あの宝石たちをいつか外に出す日が来るのか不安になる。インベントリは容量無制限だから困らないけどね。

 全部でなんと、さっき確認したレッドダイヤモンドはパネルに[品質 SS]と表示されているので、どうやら石の種類別ではなく品質別になるようだ。


 この世界ではあらゆる物がランクで分けられている。
 この宝石だと最高品質から SS・S・A・B・C・D・E の順になっているらしい。

 冒険者ギルドという魔物と戦ったり採取の仕事をこなし、お金を稼ぐ組織にも冒険者ランクと呼ばれるものがあり最高ランクから S・A・B・C・D・E・F となっている。

 魔物の強さなどもこのランク分けによって判断されるので、それぞれのランクに合った選択の基準となっているので分かりやすいが、今現在大変気になるのは、収納した宝石の品質が SS~A の高品質のみだということだ!!



『これを一体どうしろと? 忘れよう、何もなかった。わたしは何も知らない、見ていない。』





 さっき焼け溶けたり沼になった場所は、その周辺の草も焼けてしまっている。地属性魔法で土に栄養と周辺と同じ様に草を育て元通りに戻す。

 やはり思い通りの魔法が使えるので、攻撃に関しては魔法の練習は必要ない。
おそらく、敵を前にして本当に命を奪う攻撃ができるのかが問題なだけだ。


 念のための水属性も練習。2メートルほど離れた所に木の的が4つ。

 ボンキュッキュさんを作り抱っこ……スレンダーさんに変更(お胸が痛かった)改めて抱っこをしてもらい少し速足で適当に歩いてもらいながら、4つの的を狙った順番に打ち抜く。

『水刃、水弾……よし、命中! 動いてもらいながらでちゃんと見えてないときもあったけど、最初のイメージと位置把握のおかげかしら。次は難易度を上げて……』

 下ろしてもらいスレンダーさんは土にもどして、マップを開き結界内に置いた木の的の位置を確認したら、どの的に何の魔法を使うかイメージするが、無属性は石に魔法を付与して発動してみる。

『火弾・水弾・風矢・石弾・光矢・闇矢、それから風』パンパンパン……バシュッ

『うわぉ、できちゃった。相手に気付かれず、周りに他の人がいない時なら最強だわ。無属性もなかなかの攻撃』

 実は無属性で行った付与、〈攻撃の意思を持って放った場合対象に当たったら爆発する〉というもので、同じ付与を行った石を落としても爆発しない安全を考慮した物。

『爆発だと対象がボロボロになっちゃうから、今回は練習だけど、今後は貫通にしよう。
 あとはこの身体での戦いと解体ぐらいが今のところの課題かな。その他にすることは』
「こにょかちゅじぇちゅ」
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