まさか転生？

5

『どう言うことだろう？
　スキルもだが、魔法も新しいことに挑戦するときは、まるで教えてくれるかの様に自動的に発動されるのか？』

　考えても分からないので早々に考えることを放棄して、簡単に出来てラッキーってことで、

「ちゅぎいってみよー！」


『必要な水はOK、他は混ぜるか、じゃあ風魔法か……(ザリザリザリ)な？……うん、合ってるんだね』

足元の土が撹拌され始めた……が、求めているのとちょっと違う。

『確かに混ぜるは混ぜるんだけど、ホントは捏ねたい……
おおお？　微妙に混ざり方が変わった？　これならいけそう。
　うふふ……勝手に発動し始めるからビックリするけど、想像を超えた事態も起きてないし……簡単で最適。良いわぁ～ありがとう、超便利！』


　おっと、夕食の続きしなきゃね。

　お待たせしていた小麦粉さん達、風魔法で混ぜつつ水魔法で入れすぎに注意し、ちょっとずつ水を加え捏ねたら再び置いておく。
　次は、大根と人参、椎茸にネギ、風味と味に欠かせない油揚げとゴボウ……魔法で呆気ないほど簡単に準備完了(ささがきなんて過去最高の出来 ！)

　お鍋に水と根菜類を入れて火にかけるのだが、ここで初魔道具（物に直接魔法を付与するか、魔石と言われるものに魔法を付与して乾電池代わりにするタイプがあるらしい）《卓上一口コンロ》の登場。
　煮立ったら油揚げも入れ、アク取りは丁寧に。

　最初に捏ねた小麦粉を一口大に手で切り平たく伸ばし投入、浮き上がるまで煮たら、味噌と顆粒だしで味付け。
　器に盛り付けネギを散らし……すいとん入り具沢山スープの完成！

　残っているもう一回分は、お鍋ごとインベントリに入れちゃいます。
『凄いよね～、液体を入れても零れること無く。温かいもの、冷たいものも入れた時のままなんだよ。凄くない？』

　テント前に準備しといたテーブルにつき……
「いたらきましゅ……フー、フー、コクン。はぁ、おいちい……っ……うっぅぅ……」

　インベントリ内が今までの生活以上に充実していて、姿と場所が変わった不安を和らげていたが、食べ慣れた味を感じた途端に知らず涙が零れてしまう。




『えへへ……ついつい泣いてしまった。でも、スッキリした！
　美味しかったし満腹満足だ！』

　さて、片付けたら休む？　それとも魔法の練習？

『小説だと片付けに便利なのがあったよね、それに……ちょっとした水や火って生活魔法とか言われてた(ピコン♪)……？　音がした？』

「しゅ、しゅてーたしゅ？」


ステータス
『名前』
          エア・ルミナード  (相沢あいざわ    悠はるか)
『年齢』3　　　『性別』女
『種族』人族  　『レベル』１
『HP』2000
『MP』∞
『魔法』
　　　火・水・風・地・無・光・闇
『スキル』
　　　各種異常耐性
　　　各種攻撃耐性
　　　創造魔法
　　　生活魔法　　new！　 
　　　インベントリ
　　　マップ
　　　言語理解
　　　剣術
　　　鑑定
　　　解体
　　　錬金術
『称号』
　　　愛し子
　　　異世界からの転生者

「わー……やっちゃー、うれちい、せぇいかちゅまほーが、ふえちゃー(棒読み)」



　違う！　これは違う！　絶対に普通じゃないっ！

　今ようやく確信した……
今までの簡単便利も普通じゃないんだ……