猫は知っている。

ZEN

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猫は知っている。

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猫は知っている。人間に可愛くおねだりすればご飯がもらえるということを。
「にゃぁ~」スリスリ
「もうご飯食べ終わったの?」
「にゃぅ~…」
「おねだりしてもあげません!」
「にゃぁん…」ジーッ
「うっ…」
「仕方ないなぁ…少しだけよ?」
「にゃふん」ニヤッ

猫は知っている。ソファーを引っ掻いたら人間がかまってくれる怒ることを。
「あー!!!ソファーが破けてる!」
「こら!また引っ掻いたでしょ!!」 
「にゃにゃにゃ~」スタタタタ
「あ、こら待てー!!!!」 

猫は知っている。シンクの下にご飯が隠されていることを。
「にゃっにゃっ」
ガチャ
ガサガサ
パクパクパク
「あ、またつまみ食いしてる!」
「にゃっ」スタタ
「まてー!!!!」

猫は知っている。人間がたくさん頑張っていることを。
「うぅ…どうして私ばっかり…」
「うにゃーん?」スリスリ
「ん…いつもありがとね…」
「にゃふん」ニコッ

猫は知っている。人間が箱を持ってきたらこわいところ病院に連れていかれることを。
「おいで~」
「にゃ~?」ジーッ
「ほらこっち」
「……」
「にゃにゃ!!!」スタタ
「あ、逃げるなっ!病院行くぞー!!!」

猫は知っている。人間とずっと一緒には居られないことを。
猫は知っている。自分が死んだら人間が悲しむことを。
猫は知っている。人間は自分のことを世界一大切にしてくれていることを。
「にゃ!」
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