41 / 52
41
しおりを挟む翌朝、休日だが何の予定もなかった為リビングでぼんやりと流していたテレビを観ていれば、扉が開き楓がやってきた
「おはよう」
「おー、おはよ」
「まだ眠そうだね、、」
「まぁ、ちょっとな。あーあのさ、今日何か予定あんの?」
「ないけど、、、」
「ならさ、あの新しく出来たショッピングモール行かね?」
「いいけど」
「さんきゅ、じゃあ準備してくるわ。」
そう言えばリビングの扉を閉めて出ていった楓
急な誘いにビックリしながらも自分も準備をしないと!と立ち上がれば再び扉が開き準備を終えた楓が姿を見せた
「ん?もう準備終わったの?」
「おぅ、」
「早くない?俺まだなんだけど、、、」
「別に今の格好でもいいと思うけど、、」
「やだよ、」
いくら何でもスウェットで行く訳には行かないだろう。そう心の中で付け足しながら「すぐ終わらすからちょっと待っとけ!」そう言いながら慌てて部屋へ向かう
そこまで着飾る必要はないよな、と思いながらとりあえず近くにあったパーカーとジーンズを手に取り着替えていく
「髪、寝癖ついてんな、、、」そう思うけどあまり待たすのも、、、そう思いニット帽を手に取り誤魔化す
「これでいっか。」と一度鏡で確認をしてから急いで部屋を出れば、楓は既に玄関で靴を履き終えていた
「ビックリしたー。お前、普通リビングで座って待っとくだろ」
「別にいいだろ。準備終わったんだろ?行くぞ」
「そんな楽しみにしてたのか、、?」
そんな俺の問いかけには応えずに玄関の扉を開け先に外に出る楓を俺は慌てて追いかけた
1駅先にあるから電車で行くのかと思えば駅とは違う方向に歩く楓に「駅じゃないのか?」そう聞けば
「休日だから電車混んでるかな思って、、、天気もいいし、嫌だったか?」
「いや、引っ越してからここら辺歩いてなかったしちょうどいいから歩こう!」
そう言えば「よかった。」と言いながら楓が笑顔を見せた
地図アプリを見ながら進んでいけば、オシャレなカフェや雑貨屋さん等、色んなお店が近くにある事を知り楽しみながら歩いていれば、あっという間に目当てのショッピングモールについた
休日という事で家族連れや友達等で溢れかえる店内を歩きながら早めの昼食をとる事にした
フードコートでそれぞれ好きな物を頼みテーブルにつく
食べた後はどこに行こうかと話してる間に呼び出しがなり受け取る
「楓はうどんにしたんだな。」
「最近食べてねーなと思ってな」
「ふーん」
「何だよ」
「別にぃ~」
「何かムカつく言い方と顔だな」
「だって楓、一昨日もうどん食べてたよ?」
「はっ?」
「ほーんとうどん大好きだよねぇ、一昨日は最近に入らないぐらい!」
「お前、、、その顔やめろ」
「えーどんな顔?」
「そーいうお前だってまたオムライスじゃねーか!」
「だから何だよ!」
「お前昨日の夕飯にオムライス食ったの忘れたのか?」
「あっ、、、」
「尚也くんはオムライスがだーいすきでちゅもんね♡」
「やめろよ.....」
「、、、、」
「すいませんでした。」
「分かればいいんだよ。」
「くそっ、、」
「何か言ったか?」
「何でもありませーん。」
なんてくだらないやり取りをしながら食べ終えれば近くにあったお店から順番に見て回る
何点か冬服を購入して、もう見るのも無いかな....なんて思っていれば1つのお店の前で楓が立ち止まった
「どうかした?」
「ここ入ってもいい?」
「別にいいけど」
「ありがと」
そうお礼を言いながら中に入っていった楓の後に続くようにしてお店の中に入る
お店はアクセサリーなどが売られていて、何かを探している楓を横目に俺もぼんやりと商品を見ていれば楓に呼ばれた
「なおや、ちょっとこっちいい?」
「おー」
そう言って楓の後を着いていけばある商品の前で足を止めた
見てみれば 〈新色入荷しました!〉と可愛らしい文字のPOPと色とりどりのカラーが置かれていた
「これ、、、」
「お前の事だから忘れてるんじゃないかと思って」
「そっか、、、そうだった。」
「お前、今は不安定でヒートいつくるかも分からない状態だし早めに用意した方がいいんじゃないかなって、、、」
「だから今日誘ってくれたのか?」
「まぁ、心配だからな、、、」
「そっか、ありがとな」
そう言って目に付いた黒色のカラーを手に取る
「それがいいのか?」
「やっぱシンプルが1番かなぁって」
「なるほどな、じゃあそれ買ってやるよ」
「えっいいよ。自分の物だし自分で買うよ」
「いいから、俺も買うのあるしついで」
そう言いながら俺の手からカラーを取りレジへ向かった
その後を追いかけ「ありがとなっ。」とお礼を言えば「おー。」と返される
会計を終えお店を出て袋から取り出せば「付けてやろっか?」と聞いてくる
自分で上手く付けれるか分からなかった俺は「じゃあお願いします!」と頭を下げる
「頭まで下げなくても、、、」なんて軽く笑いながら俺の後ろに周り付けてくれる
「出来た。」そう言えば携帯を取り出し内カメにした状態で俺に見せてくれる
首元には先程買ってもらったカラーが着いていて何だか慣れなくてくすぐったい
だけどこれからはこれが守ってくれるのか....そう思いながらそっと触れた
72
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」
花婿候補は冴えないαでした
一
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる