幼馴染の彼

あんにん

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  翌朝、休日だが何の予定もなかった為リビングでぼんやりと流していたテレビを観ていれば、扉が開き楓がやってきた

 「おはよう」
 「おー、おはよ」
 「まだ眠そうだね、、」
 「まぁ、ちょっとな。あーあのさ、今日何か予定あんの?」
 「ないけど、、、」
 「ならさ、あの新しく出来たショッピングモール行かね?」
 「いいけど」
 「さんきゅ、じゃあ準備してくるわ。」

  そう言えばリビングの扉を閉めて出ていった楓
  急な誘いにビックリしながらも自分も準備をしないと!と立ち上がれば再び扉が開き準備を終えた楓が姿を見せた

 「ん?もう準備終わったの?」
 「おぅ、」
 「早くない?俺まだなんだけど、、、」
 「別に今の格好でもいいと思うけど、、」
 「やだよ、」

  いくら何でもスウェットで行く訳には行かないだろう。そう心の中で付け足しながら「すぐ終わらすからちょっと待っとけ!」そう言いながら慌てて部屋へ向かう
 
  そこまで着飾る必要はないよな、と思いながらとりあえず近くにあったパーカーとジーンズを手に取り着替えていく
  
  「髪、寝癖ついてんな、、、」そう思うけどあまり待たすのも、、、そう思いニット帽を手に取り誤魔化す

  「これでいっか。」と一度鏡で確認をしてから急いで部屋を出れば、楓は既に玄関で靴を履き終えていた

 「ビックリしたー。お前、普通リビングで座って待っとくだろ」
 「別にいいだろ。準備終わったんだろ?行くぞ」
 「そんな楽しみにしてたのか、、?」

  そんな俺の問いかけには応えずに玄関の扉を開け先に外に出る楓を俺は慌てて追いかけた

  1駅先にあるから電車で行くのかと思えば駅とは違う方向に歩く楓に「駅じゃないのか?」そう聞けば

 「休日だから電車混んでるかな思って、、、天気もいいし、嫌だったか?」
 「いや、引っ越してからここら辺歩いてなかったしちょうどいいから歩こう!」

  そう言えば「よかった。」と言いながら楓が笑顔を見せた

  地図アプリを見ながら進んでいけば、オシャレなカフェや雑貨屋さん等、色んなお店が近くにある事を知り楽しみながら歩いていれば、あっという間に目当てのショッピングモールについた

  休日という事で家族連れや友達等で溢れかえる店内を歩きながら早めの昼食をとる事にした

  フードコートでそれぞれ好きな物を頼みテーブルにつく 
  食べた後はどこに行こうかと話してる間に呼び出しがなり受け取る
  
 「楓はうどんにしたんだな。」
 「最近食べてねーなと思ってな」
 「ふーん」
 「何だよ」
 「別にぃ~」
 「何かムカつく言い方と顔だな」
 「だって楓、一昨日もうどん食べてたよ?」
 「はっ?」
 「ほーんとうどん大好きだよねぇ、一昨日は最近に入らないぐらい!」
 「お前、、、その顔やめろ」
 「えーどんな顔?」
 「そーいうお前だってまたオムライスじゃねーか!」
 「だから何だよ!」
 「お前昨日の夕飯にオムライス食ったの忘れたのか?」
 「あっ、、、」
 「尚也くんはオムライスがだーいすきでちゅもんね♡」
 「やめろよ.....」
 「、、、、」
 「すいませんでした。」
 「分かればいいんだよ。」
 「くそっ、、」
 「何か言ったか?」
 「何でもありませーん。」

  なんてくだらないやり取りをしながら食べ終えれば近くにあったお店から順番に見て回る

  何点か冬服を購入して、もう見るのも無いかな....なんて思っていれば1つのお店の前で楓が立ち止まった
  
 「どうかした?」
 「ここ入ってもいい?」
 「別にいいけど」
 「ありがと」

  そうお礼を言いながら中に入っていった楓の後に続くようにしてお店の中に入る
  お店はアクセサリーなどが売られていて、何かを探している楓を横目に俺もぼんやりと商品を見ていれば楓に呼ばれた

 「なおや、ちょっとこっちいい?」
 「おー」

  そう言って楓の後を着いていけばある商品の前で足を止めた
  見てみれば 〈新色入荷しました!〉と可愛らしい文字のPOPと色とりどりのカラーが置かれていた

 「これ、、、」
 「お前の事だから忘れてるんじゃないかと思って」
 「そっか、、、そうだった。」
 「お前、今は不安定でヒートいつくるかも分からない状態だし早めに用意した方がいいんじゃないかなって、、、」
 「だから今日誘ってくれたのか?」
 「まぁ、心配だからな、、、」
 「そっか、ありがとな」

  そう言って目に付いた黒色のカラーを手に取る
  
 「それがいいのか?」
 「やっぱシンプルが1番かなぁって」
 「なるほどな、じゃあそれ買ってやるよ」
 「えっいいよ。自分の物だし自分で買うよ」
 「いいから、俺も買うのあるしついで」

  そう言いながら俺の手からカラーを取りレジへ向かった
  その後を追いかけ「ありがとなっ。」とお礼を言えば「おー。」と返される

  会計を終えお店を出て袋から取り出せば「付けてやろっか?」と聞いてくる
  自分で上手く付けれるか分からなかった俺は「じゃあお願いします!」と頭を下げる

  「頭まで下げなくても、、、」なんて軽く笑いながら俺の後ろに周り付けてくれる
  「出来た。」そう言えば携帯を取り出し内カメにした状態で俺に見せてくれる

  首元には先程買ってもらったカラーが着いていて何だか慣れなくてくすぐったい
  だけどこれからはこれが守ってくれるのか....そう思いながらそっと触れた

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