幼馴染の彼

あんにん

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  談笑も交えながらお互いに問題を出し合ったりして過ごして迎えた翌朝
  天気は晴れていて少しだけ緊張で沈む気持ちを明るくしてくれた


  試験会場に着きお互い短い言葉を交わして試験に挑んだ

  楓とこれまで頑張ってきたおかげか試験を終えた後は手応えばっちりでどこか自信があった
  帰りはお互い試験の事は忘れて、カラオケなんかに行ったりして楽しんだ
  勉強ばかりだった日から解放されたその日は時間も忘れるほど楽しんでしまい、家に帰るのがすっかり遅くなってしまった

  先程までの楽しい気持ちで帰れば家の前に人影が見えた
  俺がそれに気付いたタイミングで相手も俺に気付きゆっくりと近付いてくる
  思わず立ち止まりそのまま待っていれば目の前に立つ人物に自分から声を掛けた

 「はるにぃ、どうしたの?」
 「今日試験だったんだね、、、」
 「そうだよ。」
 「どこ受けたの?」
 「どうして気になるの?」
 「教えてくれないの?」
 「ここから遠いとこだよ。だから合格したら俺は家を出る。」
 「なんで、、、、」
 「行きたいと思ったとこがそこだったから」
 「でも、、、同じとこ行くって、、、言ってた、、、」
 「それは過去の話だよ。色々見てきたら、、、気持ちも変わる。」
 「、、、、」
 「疲れたからもう帰るね。おやすみはるにぃ」

  そう言って歩き出そうとすれば焦ったように手を掴まれる
 
 「て、、、離して、、、」
 「なんで、、、避けてるよね俺のこと」
 「っ!、、、気のせいだよ、、、じゃあね」

  そう言って横を通りすぎようとしても、さらに強く腕を掴まれる
  
 「はるにぃ、、いたいよ、、、」
 「ごめん、、、」

  そう謝って力は緩めるけど離してはくれなくて、、、

 「はるにぃ、恋人がいるんだからこんな風に勘違いされるような事はするべきじゃないよ、、、」
 「、、、」
 「前、はるにぃが碧さんを紹介してくれた時、碧さん面白くなさそうに俺のこと見てた。あんな目を向けられるのは嫌なんだ。」
 「でも!今は碧はここにはいない、、、」
 「いなくてもだよ。前と同じ距離感は無理だよ、、、お互いの為にも、、、」

  そう言ってはるにぃの手にそっと触れれば、俺の言われた事に呆然としていたからかすんなりと腕から離れた
  その隙に早足で家に入り深呼吸をする
 
  まだ微かに震える唇に指先
  前の自分だと何も言えずにいたかもしれない
  でも今日は言えた
  
 「ほんの少しぐらいは前に進めているのかな····」

  はるにぃに掴まれた腕に集まる熱に気付かないふりをしてそう呟いた
  
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