幼馴染の彼

あんにん

文字の大きさ
上 下
24 / 54

24

しおりを挟む


  翌日、学校でいつもの様に楓と過ごすけど、いつ話そうかとついそわそわしてしまう
  そんな俺の様子に痺れを切らした楓に帰り道「お前朝からすっげぇ変だぞ、、、」なんて言葉をかけられた
 
 「変ってなんだよ、、、」
 「明らか変だろ、、、何をそんなそわそわしてんだよ」
 
  そう呆れたように言うから「あのさ、、、楓は進路どうする?」そう聞いた

 「進路?急だな、、、んー迷ってる」
 「そうなんだ、、、」
 「そーいうお前は?決まってんの?」
 「うん、、、ここ出るつもり」
 「ん?出るつもりって遠いとこ行くの?」
 「そう、、、」
 「へー、、、ちなみにどこ?」
 
  その問いに昨日親に見せたのと同じパンフレットを楓に見せる
  すると「あっ!!」なんて大きな声を出すとカバンから白い封筒を取り出した
  その封筒から出てきたのは俺が今まさに持っているのと同じものだった

 「えっ、、、なんで?」
 「俺実はバース性について詳しく学びたくてさ、ここ新しく出来たばかりだから綺麗だし環境も色々整ってるしいいなって思って資料取り寄せてた。でもそうなるとお前と離れるなとか思って悩んでたんだけど、、、」

  なんて言いながらなんとも言えない顔で俺を見る

 「まさかお前がここに決めてたなんて、、ビックリなんだけど」
 「いや、、、俺だってビックリしたよ」
 「まぁでもお前がここなら迷う必要ねーわ。俺もここに決めた。」
 「えっ!」
 「何だよ」
 「だって、、、」
 「元々興味あったとこにお前も行くって言うんなら俺も行くしかないだろ。いやーお前とは高校でお別れになるのかと思ってたから嬉しいわ。」

  そう言って笑顔を見せる楓を俺はただただ見つめることしか出来なかった

 「おーい!いつまで意識飛ばしてんだ?」

  そう言いながら俺の目の前で手をヒラヒラと振る楓にハッとすれば「やっと戻ってきた」なんて言いながらケラケラと笑う

 「楓、ほんとに同じとこ受けるの?」
 「んー?まぁそうだな第一志望はそこだな」
 「そっか、、、そっかー!」
 「なに?この楓様と一緒で嬉しいですか?」
 「うん!嬉しいよすごく!」

  そう言えば「ふーん。」なんて言いながら先を歩き始めた楓を慌てて追いかければ心做しか耳が赤いような気がして、、、
  「かえで?」そう名前を呼べば「んー?」と言いながら振り返った顔がほんのり赤く見えるのは俺の後ろからさす夕日のせいなのか分からなかった

しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

別に、好きじゃなかった。

15
BL
好きな人が出来た。 そう先程まで恋人だった男に告げられる。 でも、でもさ。 notハピエン 短い話です。 ※pixiv様から転載してます。

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

知らないだけで。

どんころ
BL
名家育ちのαとΩが政略結婚した話。 最初は切ない展開が続きますが、ハッピーエンドです。 10話程で完結の短編です。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

噛痕に思う

阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。 ✿オメガバースもの掌編二本作。 (『ride』は2021年3月28日に追加します)

学園の天使は今日も嘘を吐く

まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」 家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

処理中です...