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しおりを挟むしばらく真っ暗な部屋で考えていたけど、これじゃあいつもと同じ何も変わらないと思った俺は1つの決断をした
それから俺は今まで以上に勉強に励んだ
はるにぃとの連絡はまた家に来られたら困るから必要最低限には返すことにした
会う時もあるけどそれはお互いの親が居るような時だけで2人だけで会うことは徹底的に避けた
そんな生活を何ヶ月も過ごし、2年生になった日の夕食後、俺は両親に話をした
「どうしたんだ?急に話があるだなんて」
「進路の事で少し、、、」
そう言って2人の前に1つのパンフレットを置く
「ここの大学に行きたいと思ってる。」
父親が手に取りゆっくりと中を見てから口を開く
「学部を見る限り近くの大学にもあると思うけど、どうして県外にあるここが良いの?」
その言葉に覚悟を決めて俺は話した
確かに俺が行きたい学部はここから通える大学でも良いけどそれじゃダメな事
理由ははるにぃの事が好きだから
でもベータの俺とアルファのはるにぃじゃ今後どうにかなる事もないし、おまけにはるにぃにはオメガの恋人である碧さんの存在がいること
そして、嫉妬した事によってしてはいけない事をしてしまったこと、全て打ち明けた
「何度も諦めようって、、、頑張っているけどでも、、、幼馴染みという距離感ではどうしても厳しくて、、、離れたくて、、だから、、、遠いここを選びました。」
全ては俺のわがままで
好きな人と距離を置きたいが為にわざわざ遠く離れた所に行きたいなんて、でも、、、俺はこれしか思い浮かばなかった
全てを話し終えて俯く俺に父親が話し始めた
「尚也がここを離れたいと思った理由は分かった。それで、尚也が今話したやってしまった事晴人くんは知っているの?」
その言葉に静かに頷く
「そっか....それで晴人くんは何て?」
「どうしてやってしまったのか理由を聞かれた」
「それには答えたの?」
「言えなかった....自分の気持ちを知られるのが怖くて、、、言えなかった」
「そっか、、、でもそれからも晴人くんとは会ったりしてたよね?」
それに黙って頷けば
「晴人くんと2人でその事について話した事があるのなら俺からこの事について言うことは特にないけど、、、尚也顔上げて。」
そう言われて父親の顔を見れば、俺の事を真っ直ぐに見ていた
「尚也も知ってるけど、俺はアルファでお母さんはオメガだ。もし俺が同じ状況になった時、連絡にすぐに気付いてあげられなかった自分を悔やむし、それが誰かが意図してやった事だって分かったらその相手を許せないとすら思う。尚也もお母さんがヒートの時どうなるのか知らないわけじゃないでしょう?」
その言葉にハッとする
母親が一度だけ予定よりも早くヒートになった事があった
まだ休みに入っていなかった父親は家におらず、キッチンで辛そうにうずくまる母親を見てまだ小学生だった俺は軽くパニックになった事があった
どうして忘れていたんだろう
ヒートによる辛さを俺は目の前で見た事があったのに、、、
じわりと目に膜が張るのが分かったが俺は泣かないよう唇を噛み締めた
「尚也がした事は許されるような事じゃない。だけどそれを尚也自身が分かって、晴人くんに正直に話したんだろう。ただもう二度としてはいけないよ、分かったね?」
その言葉に俺は深く頷く
それを見た父親は表情を和らげ 「学校の事は分かった。ここ受かるように頑張りなさい。」そう言いながら俺の頭を撫でた
「いいの?」
「あぁ。尚也が自分で考えて決めた事ならそれを応援するよ。」
「ありがとう、、、」
「ところでこの事、晴人くんには話すの?」
「ここを出る事はギリギリまで言わないつもり、、、」
「そっか、、、楓くんは?」
「楓には明日にでも話す予定だよ。楓は全部知っててさ、俺の気持ちもしてしまった事も、、、それでもずっと俺の側にいて励ましてくれたりしてたから、、、」
「そうだったんだね、、、いい友達もったね。大事にするんだよ。」
その言葉に頷いた後に俺はもう一度両親にお礼を告げた
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